ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

小保方氏の実験参加

2014年07月22日 | STAP細胞

理研の丹羽氏をリーダーとするSTAP細胞の再現実験が難航し、ついに小保方氏も再現実験を行うということになったようです。

専門家のほとんどは、STAP細胞が存在しないと思っているので、小保方氏の実験参加に否定的です。確かに、税金と貴重な人員を使って、ほとんど存在しないとわかっているSTAP細胞を再現しようというのですから、そんな金があるのならこっちに寄こせと思っている人がいてもおかしく無いと思います。

 ただ、私の周囲の人(特に女の人)の中には、STAP細胞が存在するのなら良いなと考えている人が多い印象です。存在しないという証明は、極めて難しいですが、100%まで行かなくても、99%くらいの確率で存在しないと証明する必要があると思います。決着をつけるべきです。したがって、小保方氏の実験参加は、仕方ないと思います。

 

2014.07.22


分子生物学者の手はきれいか? 二重らせんのノーベル賞にも暗い影が・・

2014年06月04日 | STAP細胞

STAP細胞に関していろいろ言われていますが、そもそも分子生物学の初めから、黒い影が・・・

 オープンカレッジの生物コースを見ていたら、次のような話を紹介していました。

 遺伝子の二重らせん構造を提唱したジェームズ・ワトソンとフランシス・クリック(二人とも1962年にノーベル賞を受賞)が、遺伝子の分子構造を実験していたロザリンド・フランクリンが撮影したDNAX線回折写真を見て参考にしていたのに、そのことを論文に一言も記載していなかったという件です。

 おまけに、ジェームズ・ワトソンは彼女のことを著書で「気難しくヒステリックなダークレディ」と書いたそうです。そりゃそうでしょうね、自分の成果を他人が勝手に見て、それを無断で論文を書いたのなら、その当人にヒステリックにもなるのが当然でしょう。

 ロザリンド・フランクリン(写真を見た時ユダヤ人かなと思って経歴を見ると、やはりユダヤ人の女性でした)は、数年後の1958年にガンで亡くなったので、ノーベル賞の対象にもなっていません。死因は、実験で過剰なX線を浴びたのが原因とも言われています。

このいきさつは、「ロザリンド・フランクリン」で検索すると、いろいろな書物やウィキが出てきます。

 欧米の人たちの手が真っ白かと言うと、とんでもありません。でも、欧米の人たちの手が真っ白と思っている人に遭遇するので、一言書きたくなりました。

 

2014.06.04


理研笹井氏の会見と実験ノートとSTAP細胞

2014年04月20日 | STAP細胞

笹井氏の会見を聞いて、STAP細胞の存在確率は、2%から20%に上昇しました。

笹井氏があげたSTAP細胞の存在を仮定しないと説明できない三つの理由は説得力がありましたが、今までに指摘されている技術的な疑問点が解消された訳ではありません。

 また、小保方氏の生データを見る機会が無かったという言い訳がありましたが、確かにそうですね。データを疑って、生データまでチェックすることは、なかなかしんどいし、人間関係からしても、やり難いですね。ただし、世界的な大発見と言う認識だったら、生データまでチェックする必要があったかなとも思います。

 

 実験ノートは本当に必要?

TVを見ていて疑問だったのが、実験ノートを書くことが研究者にとって必要だという話です。ここで言う実験ノートとは、消えない筆記具で記入し、その日の最後には誰か(普通は上司)のサインを貰うというものです。実験ノートを実際に使っている人は、今でもどれくらいいるのでしょうか? 笹井氏が会見で、実験ノートを使う人もいるし、パソコンを使っている人もいると言っていましが、それが本当では?

 私の会社でも、大昔に実験ノートが配られました。しかし、毎日上司のサインを貰うには、上司が帰るまでに仕事を終えなければならず、非常に使い勝手が悪い思い出があります。

だいたい、うちの会社が実験ノートを導入した理由は、アメリカでの特許訴訟に負けたからです。その頃、アメリカの特許制度は、世界で唯一「先発明主義」でした。「先発明主義」とは、特許を発明した時点を、「発明時」とするものでした。日本や世界の大勢は、「先出願主義」(「先願主義」とも言います)です。「先出願主義」とは、特許の発明時点を「出願時」とするものです。「先発明」のほうが理に適っているし、当たり前のように思えますが、現実には「発明時」を公的に証明するのが非常に困難なので、かえって不合理な問題が発生していました。このアメリカの「先発明主義」に対応するために、実験ノートが導入されたわけです。

 しかし、2011年には、アメリカの特許制度を変更する法案がようやく成立し、他の国と同じ「先出願主義」になりました。(実施は2013年から)

したがって、うちの会社では実験ノートを使う必然性が無くなっています。

 一方、別の理由から実験ノートを使わなくなる理由があります。うちの会社(他の会社でも同様のことをやっているはず)では、同じチームの人が社内ネットを使い、サーバーにある同じファイルを共有することで、チーム内の情報を共有することが多くなってきました。これは複数の人が一つのチームを作り、仕事を分担して仕事をする場合には、非常に便利です。こういうことは、実験ノートではできません。

このようなことがあり、うちの会社では実験ノートを使わなくなりました。

 このように世間の状況の変化する中で、大学や研究機関で実験ノートを使う理由が他にあるのでしょうか?

 

2014.04.20

2014.04.21 若干修正しました


STAP細胞たたきはiPS細胞派の陰謀か?

2014年04月14日 | STAP細胞

STAP細胞に関して、もう書かないと思ったのですが、ネットを見ていたら、つい書きたくなりました。悪しからず。

 ネットを検索していたら、J-CASTニュースに陰謀説が載っていました。曰く、

STAP細胞が優秀だからって小保方さん潰しが酷いと思うのは私だけ?」

STAP細胞の問題は、自分が思うに明らかにiPS細胞側の利権確保のための潰し作戦だと感じる」

「裏には明らかにiPS細胞の利権確保をしたい奴らがいると思われる」

(このJ-CASTニュースは、小保方氏の会見以前です)

 どんな問題にも「陰謀」説を持ち出す人がいます。こういう人がデマの発信元でしょうね。何も知らない人は何とでも言えるし、陰謀説を唱えても、誰も違うと断定する根拠を持っていないので、言いたい放題です。「陰謀」説は、人の興味を引きつけるし、何事も陰謀で片づけると、難しい問題も納得しやすいのでしょう。

 例えて言うとiPS細胞はもう少しで人間に移植できそうなので、人間で言えば「大学生」レベルです。それに比べて、STAP細胞は、マウスの細胞で出来るか出来ないかと言う議論の段階なので、お母さんのお腹の中にいる「胎児」みたいなものです。「大学生」と「胎児」じゃ、喧嘩にも陰謀にもならん。

 ところで、STAP細胞論文のコピペや画像の誤用?に関する理研の最終報告が先日出ているので、ここでは実験自体の問題点や課題を挙げつつ、今までの話を整理します。

 

STAP細胞を小保方氏以外が再現できるのか?

マウスのリンパ球を弱酸性溶液で処理すると、STAP細胞が出来るという話ですが、誰も追試に成功していません。この件は、理研で再現実験するというので、その結果を待ちたいと思います。こんなに疑惑があって、再現の可能性が低いと思われる現象の追試を引き受けるのは、理研以外に無いでしょうから。

ところで前にも書きましたが、小保方氏はチームリーダーなので、部下がいるはずです。STAP細胞を作製したのは、小保方氏本人なのか、それとも部下の人なのでしょうか?あるいは、両方?

 

STAP細胞とは別に、STAP幹細胞がある

理研の説明では、STAP細胞は、多能性(いろいろな細胞になることが出来る)しか無く、増殖能(自ら増える能力)が無い。このSTAP細胞を特殊な培地で培養すると、その一部が増殖能を獲得してSTAP幹細胞になる。(有名なES細胞やiPS細胞は、多能性と増殖能の両方を持つ幹細胞です)

これは、不思議と思いませんか? STAP細胞を特殊な培地で培養すると、STAP幹細胞になる? こんな簡単な方法で、STAP細胞は増殖能を獲得して、STAP幹細胞になる? 

STAP幹細胞は、他の幹細胞と取り違えたのではないかという意見が出ています。

理研の追試では、このSTAP幹細胞も含めるのでしょうね。

(最近の報道では、STAP幹細胞を作ったのは、小保方氏では無く、全て若山教授ということです。)

 

③リンパ球を取るマウスは生後1週間以内でないと、STAP細胞になる効率悪い

理研の説明では、大人のマウスでは、STAP細胞が出来なかった。理研で、もしSTAP細胞が再現できたのなら、この点も追及して欲しい。

この点から、STAP細胞は若いマウスに元々存在する他の幹細胞ではないか?という意見があります。

 

④マウスのリンパ球以外から、STAP細胞は出来ていないのでは?

1月末の理研の発表には、マウスのリンパ球以外からもSTAP細胞が出来ると書いてありました。しかし、今までの報道から判断すると、STAP細胞は、マウスのリンパ球からしか出来ていないと思われる。STAP細胞が、リンパ球からしか作れないとすると、その理由は?

 

STAP細胞になったマウスのリンパ球の遺伝子が変化していないのはおかしい。

これは、免疫学の専門家で、リンパ球には詳しい人たち、慶大の吉村教授とか、広大の難波名誉教授が主張されています。

(この話は難しすぎます。私は理解できていません)

参考に慶大の吉村教授のサイトを挙げておきます。

http://new.immunoreg.jp/modules/pico_boyaki/

STAP細胞とかTCRという言葉があるところを見てください。

 

 ⑥ ⑤のリンパ球の遺伝子変化が、”Nature”論文では「あり」、後から出た理研のプロトコルでは、「ない」となっている矛盾

これは、明白な矛盾なので、実験しなくても、理研が事情聴取するだけで、ハッキリできるはず。

 

⑦オスのSTAP幹細胞しか作っていないのに、論文はメスのSTAP幹細胞

これは、最近出てきた報道です。②の末尾にあるように、STAP幹細胞を作った若山教授は、オスのマウスからしかSTAP幹細胞を作っていないのに、論文にはメスのマウス由来と明記されている。

 これらの疑問を一つ一つ潰していけば、自ずとSTAP細胞、STAP幹細胞の存在の可否も解明されると考えます。理研がしっかりと対応されることを期待します。

 もし、マウスのリンパ球から、STAP細胞・STAP幹細胞を再現できたとしても、今後の課題は多い。

・マウスのリンパ球以外の細胞からも、STAP細胞・STAP幹細胞を作成できるのか?

・大人のマウスからでも、STAP細胞・STAP幹細胞を作成できるのか?

STAP幹細胞を作成する時に使う「特殊な培地」とは何が特殊?

・人間のリンパ球からもSTAP細胞・STAP幹細胞を作成できるのか?

 その場合、人間の赤ちゃんのリンパ球でないと作成できない?

 などなど、たくさんあります。ここまで出来て、やっと中学生レベルでしょうか。先は長いです。

 

(追記)

これを書いていて思い出しましたが、2月頃、ハーバード大のVacanti教授は猿でSTAP細胞を作る研究をしているという報道がありました。共同通信のインタービューで、2011年からサルのSTAP細胞で脊髄損傷治療の研究を始めているというものです。この報道の続きはどうなったのでしょうか?

彼はマウスでもSTAP細胞やSTAP幹細胞を作成したのでしょうか? そして、そのSTAP細胞は何処にある? あるのなら出して欲しい。

このこと以外でも、Vacanti教授の言動は怪しい。彼も日本に来て説明して欲しいものです。所属するハーバード大は、沈黙したままなのは何故? 嵐が過ぎるのを、頭を低くして待っているのでしょうか?ハーバード大なら、率先して堂々と説明して欲しいものです。

小保方氏とVacanti教授はやることが良く似ているので、留学生時代に当然影響を受けたと思います。小保方氏の歯車を狂わした原因の一つが、このVacanti教授では?

海外に留学する人は、こういう「ハズレ」の人に当たらないよう気を付けた方が良いと思います。

 

2014.4.14


存在する確率が2%に下がったSTAP細胞

2014年04月10日 | STAP細胞

書かないでおこうと思っても、つい書いちゃう。

最近のTVを見ていると、皆さん好き勝手にいろいろ言うね。

理研で行う再現実験に、小保方氏を入れろ、いや入れない方が良いとか、理研内部の人では無く外部に依頼しろとか、外部に依頼しようにも引き受け手がいないとか、騒がしいたらありゃしない。

 ところで、49日の小保方氏の会見では、新しい話は出なかったなあ。STAP細胞は存在すると強調していたけど、そう言わざるを得ないでしょう。小保方氏を擁護する人でも、STAP細胞が存在しないとなると、話は別だもんね。

 会見では、STAP細胞の技術的な質問と回答を期待したけど、やはり無理だったなあ。STAP細胞を200個作ったと言っても根拠が無いし。

 アカデミックな世界の内側の人が、論文の画像を間違えたとか、見やすく変えたなど微妙な作為も論文としてはアウトという気持ちもわかる気がする。たとえ、STAP細胞が存在したとしても。

今回のような事例がセーフとなると、とりあえず論文は適当に出しておいて、後から間違えたと言って修正しても、お咎め無しになって大混乱だろうな。アカデミックな世界には警察も裁判所も存在しないし、仮に存在したとしても、いちいちチェックなんかしていられない。

 それに、小保方氏が弁護士を引き連れて登場したことで、科学界への復帰は無理でしょうね。科学者は、弁護士を嫌っている人が多いと思う。一方は、法律や言葉を捏ね繰り回して人の弱みを突いてくるけど、もう一方はそういうことを軽蔑しているからね。そんな暇があるなら、自分の仕事をやった方が良いから。

 ところで、49日の会見でも質問した人はいなかったけど、小保方氏のユニット・リーダーって、どんな仕事?

理研が撮った小保方氏の実験室のビデオを見ると、実験をしている若い女の人が多数いた。彼女たちが、実際の実験などを担当しているのだと思う。そうすると、STAP細胞を作ったのは、彼女たちでは? それともその部分だけは、小保方氏がやったのかな?

前者なら、理研内部での再現実験は簡単だし、後者であっても、彼女たちが居れば、再現実験はそう難しくないのでは?

 いずれにしても、小保方氏が居なくても、そう遠くない日に結論が出ると思う。

論文の件を横に置くとしても、9日の会見で、ネット上で挙げられているSTAP細胞に関する技術的なさまざまな疑問に対する根拠のある回答が無かったことを考えると、STAP細胞が存在する確率は2%くらいに下がったね。

 

2014.04.10