ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

リニアの開業延期の原因は静岡県の問題だけでは無い

2024年05月18日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

リニアに関する私のブログ

 

リニアは、生きているうちに完成しないと思っているので、今まで好き勝手にいろいろ書いてきた。

 

2015年7月4日のブログ「リニアは手荷物検査が必須

2015年4月21日のブログ「やっぱり心配!長大トンネル内の事故

2014年12月13日のブログ「リニアに乗っていたら地震が・・・そこはトンネル!

2013年11月20日のブログ「リニア新幹線は横浜住民に便利か?6~リニアは一私企業が作るもの?~

2013年10月7日のブログ「リニア新幹線は横浜住民に便利か?5~リニアは名古屋のために作る?~

2013年09月23日のブログ「リニア新幹線は横浜住民に便利か?3~乗換は面倒~

2013年09月20日のブログ「リニア新幹線は横浜住民に便利か?2(追補)

2013年05月22日のブログ「リニア新幹線は横浜住民に便利か?1

 

これらのブログを見てもらうと分かるように、私はリニアに懐疑的です。大昔に作った計画を無批判に実行するのには抵抗感があるし、昔のイベントの二番煎じのような計画にも懐疑的です。この二つの条件が重なると、さらに懐疑的になる。

 

例えば、私は東京オリンピックにも懐疑的でした。結局、コロナ感染症の影響もあって、所期のイメージと大きく様変わりした東京オリンピックになってしまった。コロナ感染症が無くても、所期の目的を達成したでしょうか?

 

私は大阪万博にも懐疑的ですが、どうなることやら。私は1970年の大阪万博にも行っていませんが、あれは成功だったのでしょうか? 2020年の東京オリンピックにしても、2025年の大阪万博にしても、昔のイベントの焼き直しと言うか二番煎じのようなイベントなので賛成しかねます。

 

東海道新幹線の焼き直しのような、大昔の計画に唯々諾々と従うリニア新幹線にも賛成しかねます。

 

2027年の開業が無理なのは素人でもわかる

 

最近、静岡県知事が失言で辞任したことで、「これでリニア新幹線を作る障害が無くなった」と喜んでいたり、メディアに書いていたりする人がいる。これを絶好のチャンスと思ったのか、それとも印象操作したいのか、JR東海は、リニア新幹線の開業予定を2027年から、2034年以降(明確な期限は公表していない)に延期した。

 

だいたい、今の工事の進捗で2027年の開業なんて無理なのは素人でもわかる。2027年の開業を信じていた人がいれば手を挙げて欲しい。例えばJR東海が既に発表している様に「山梨県駅と長野県飯田市の『座光寺高架橋』を新設する工事では完成が2031年になる見通し」です。

 

リニア新幹線の全体的な工期の遅れは、2024年03月28日の「週プレNEWS」の「開業は早くても10年遅れの2037年!? リニア新幹線建設の悲惨な現状!!」と言う記事(ネットで見られる)を参照。この中で、遅れている工事の例を挙げている。

 

・神奈川県相模原市に建設予定の「リニア車両基地」

工期11年の計画だが、用地買収が未完で未着工

・着工されたトンネルの工区は約68㎞

トンネル区間は約211㎞

・未着工の橋脚は600本以上

山梨県で完成した橋脚は22本

 

リニアは習熟運転に時間がかかる

 

産経新聞によると、現在の東海道新幹線のレールの敷設が終わったのは、昭和39年の開業の3カ月前。東海道新幹線では、従来技術の延長で高速運転が実現したので、習熟運転は3カ月で済んだ。リニア新幹線は従来技術の延長ではないので、習熟運転は3カ月で済むだろうか。

 

リニアの営業用列車が実際の路線を走って見ると、技術的な問題が起きないとは限らないし、その検討と対策が長引くこともある。リニアは山梨県の実験線で経験を積んでいるにしても、実際の走行距離はもっと長いし、経路もほとんどがトンネル。それに、実験線で使用している車両は実際の営業に使用する車両でもないだろうし。

 

運賃は上がる

 

試験車の中間車は、車体長が24.3mで定員60名。1列の座席が4人掛けなので、15列と今の東海道新幹線よりも、ゆったりしている。その分、リニアの運賃は高くなるはず。

 

リニアは東京・名古屋・大阪の中心部に駅があり、航空機より所要時間が短縮できそうなので、リニアの運賃は航空運賃より高額になると思う。ただしそして、航空機並みに手荷物検査をすることになる。

 

2024年5月18日

 


複写機メーカーの苦境

2024年05月15日 | 会社

ペーパーレス

 

2018年06月03日の「ペーパーレス その2 ペーパーレスは40年かけて家庭まで」に書いたように、半世紀前から言われていた「ペーパーレス」はビジネスの世界から、ようやく家庭にも及んできた。

 

下のグラフは上記2018年のブログに記載した印刷&情報用紙の内需です。このデータは、印刷用紙と情報用紙を分けていませんが、印刷用紙も情報用紙も使用量が減少しています。(輸入紙は含まれていないはずなので、減少のカーブはもう少し緩やかと思われます)

このうち、「情報用紙」とは、ノンカーボン紙・フォーム用紙・複写用紙・感熱紙・PPC用紙・OCR用紙・圧着はがき用紙などですが、複写用紙の比率が大きいです。このように、複写用紙も減少傾向にあります。複写用紙が減少傾向ということは、複写機の使用も減少しています。ということは、複写機メーカーの業績がきつくなっている。

 

リコーと東芝テック

 

株式会社リコーの2024年2月6日の発表によると、リコーは2023年5月19日に公表した東芝テック株式会社の業務提携並びに複合機等の開発・生産の統合について、詳細を発表しました。

 

両社は合弁会社「エトリア株式会社」を作り、リコーは85%、東芝テックは15%を出資するので、リコーが合弁会社の経営権を握ることになります。リコーの方が販売量は多いので、この比率になったのでしょうが、東芝テックの15%は少ないような気がします。東芝テックはPOS(販売時点情報管理)システム、要はレジもやっているので、今後はこちらに集中するのでしょう。

 

富士フィルムとコニカミノルタ

 

2024年4月に富士フイルムビジネスイノベーション株式会社とコニカミノルタ株式会社は、

複合機・オフィス向けプリンター・プロダクションプリンター事業での業務提携に向けた協議を開始する基本合意書を締結しました。内容は

・合弁会社を作り、富士フイルムビジネスイノベーションが過半の株を保有する

・合弁会社では原材料および部材調達の連携を図る

・トナーの開発および生産で業務提携する

 

この内容を見ると、規模の大きい富士フイルムビジネスイノベーションが業務提携の主導権を握るようです。発表では、両者の業務連携は生産関係だけで販売の提携が無いので、販売はそれぞれのブランドで行うようです。販売に関してはこれから協議するのかもしれません。

 

ところで、「富士フイルムビジネスイノベーション」の旧社名は「富士ゼロックス」です。米ゼロックスとの「販売提携を解消」したので名称を変更しました。なお、「販売提携の解消」なので、米ゼロックス向けの複写機は未だに富士フイルムビジネスイノベーションが製造しているはずです。

 

2022年03月24日「続 Xeroxを高値で売り損ねたカール・アイカーンはどうする?

2021年02月13日の「Xeroxを高値で売り損ねた四面楚歌のカール・アイカーンはどうする?」参照。

 

他のメーカーは?

 

昔は今より多くのメーカーが、複写機を製造し販売していたが、徐々にメーカーは減少しています。キヤノン、リコー、富士フイルムビジネスイノベーション(旧富士ゼロックス)の御三家は残りそうですが、まだシャープ、京セラが残っている。(他にもあったかな?) これらの会社がどうなるか分からないけど、東芝テックとコニカミノルタでメーカーの整理はほぼ終わりです。 

 

複写機の今後

 

日本では、紙の使用が急激に減ることは無いでしょう。国会の委員会審議を見ていると、未だに官僚は紙の資料を大臣に手渡している。PCで資料を出すよりも、紙の方が早いのでしょう。しかし河野大臣くらい、PCを使って欲しいな。

 

今後も複写機の使用量は徐々に減少していくけど、(多分)急減はしないでしょう。ビジネスで「残り物に福がある」と言われるように、ピークが過ぎた業界でもそれなりの利益を出せる。それには、出ていく費用を出来るだけ押さえなければならない。

 

こういう業界には、新規参入する会社も無いだろうし、韓国や中国が新しく会社を作ることも無い(と思われる)。残った日本の会社を買収することがあるかどうか? こういう事情なので、競合が少なくなり都合の良い点もある。

 

2024年5月15日

 


日本はガラパゴス

2024年05月12日 | うんちく・小ネタ

エスカレーターのどちら側に立つか? その話題は古いよ

 

いまだに、エスカレーターの右乗り(関西が多い?)か、左乗り(関東は多い)かについてネットに書いている人がいるけど、その話題は古すぎてカビが生えているよ。しかも新しい視点が全く無い。おまけに、関西が特異といういつもの書き方だけど、世界で見ると右乗りが一般的(と聞いているの)で、左乗りは東京ガラパゴスだけということは全く無視している。まったく、東京の田舎もんはどうしようもない。

 

これに関しては、2015年01月31日の「東京はガラパゴス」で、日本経済新聞の記者の視点が東京中心で、世界を見ていないと指摘している。(日本経済新聞には、こういう頭の中が東京中心に凝り固まった記者多いのかな。記者として失格だと思うけど)

 

また2013年08月25日の「京都事情その14~エスカレーターの乗り方~」では、一律に右乗りではない京都の事情を書いている。私の感覚では、旅行者が多いと思われる京都駅の伊勢丹は左乗りが9割で右乗りが1割くらいでしょうか。ところが、地元の人が多いと思われる四条の大丸や高島屋では、左乗りが5割で右乗りが5割くらいかな。結局、エスカレーターに乗る時は、(前のブログに書いたように)前に乗っている人に合わせるしかない。

 

外国人も「おべんちゃら」や「おせじ」は言うよ

 

ネットの記事を読んでいると、日本の景色や料理、習慣などを誉める記事が載っている。こういう記事を読むと、暫くの間、気が休まると言うか、誇らしい気分になる。

 

でもね、本当にそうなのかな?と疑ってしまう。こういう日本礼賛の記事を書いている人は単純すぎやしないか? 外国人も「おべんちゃら」や「おせじ」を言うことを知らないのかな?と思ってしまう。

 

昔、私が会社に勤めていた頃、米国の取引先の中堅幹部が日本にやってきて、将来の商品の打ち合わせをすることになった。私の上司はこの打ち合わせに出席して、新しい商品の概念を発表したが、米国の取引先の会社幹部からは「面白いね」とか「興味深い」とかの感想が出たらしい。そういうことを、部下の私たちに得意そうに話していた。しかし、この上司が発表した新しい商品について、米国の会社からは音沙汰が全く無かった。結局、忖度(「おべんちゃら」と言うべきかな)や「おせじ」を真に受けた私の上司が「ウブ」だったということがわかっただけでした。

 

多くの日本人はウブで単純すぎないか?

 

ネットを見ていると、時々京都人の「茶漬け」の話が面白おかしく紹介されている。しかしこの話は、相手の発言を疑わずに真に受けると、相手の本音を理解せずに間違ってしまうことを示している。これはビジネスをやっている人なら常識と思うけど、TV局の単純でウブな人たちは刺激的で面白い話と思ってしまうのかな。

 

2024年5月12日

 


自転車は傍若無人と正論で議論に勝つ方法

2024年05月09日 | うんちく・小ネタ

自転車の傍若無人

 

自転車は車道や歩道を傍若無人に走っている。例えば

・歩道をスピード上げて走る(車道は車が怖いから)

・歩道を数台が固まって走る(車道では固まって走れない)

・車道を逆走する(自転車の逆走は若いヤツもやっている)

・スマホを片手に持って操作しながら走る(両手をハンドルから離しているやつもいた)

・イヤホンを聞きながら走る(スマホで話しているヤツもいる)

・横断歩道を歩行者ヅラして渡って来る(自転車は歩行者の仲間だろ!)

・「一時停止」の標識が出ている信号機のない交差点で、止まる自転車なんかいない(自転車は歩行者の仲間と思っている)

・バス停で並んでいると、すぐ後ろをスピード上げて自転車が通って行く。少し後ろに動くと衝突するところだった。

 

自転車は、ある時は歩行者のフリをして、ある時は車の仲間の様に、都合の良い方を装っている。たいていは、歩行者と同じフリをしている。

 

自転車の交通ルール強化

 

自転車の反則金制度が始まるようです。自動車の青切符のような制度で、違反の種類により5000円から12000円程度の反則金になるらしい。ただし、法律が国会をまだ通過していないので、何時から施行されるのかまだ決まっていない。

 

それは正論だけど、議論が止まるよ

 

ところで、TVで自転車の傍若無人のふるまいを議論している時、ある出演者は「自転車専用車線を作って欲しい」と発言していた。これは正論だけど、議論はここでお終いになる。なぜなら、自転車専用車線を設定できる道路は少ないので、道路を拡幅するとか、自動車用の車線を減らすとか、なかなか難しいことをしなくてはならない。それに、道路端に駐車する車をどうするかも決める必要がある。

 

議論に負けそうになると、正論を言う人が時々いる。そこで議論をお終いにすることが目的かな。正論が通らないから議論しているのに!

 

もっとも、自転車専用車線を作っても、歩道を走る自転車は減るかもしれないけど、かなりの自転車が歩道に残るだろうな。車道では、自動車が怖いから。

 

それに、自転車専用車線を作っても、逆走、片手スマホ、横断歩道信号の無視や「一時停止」の無視は無くならない。

 

2024年5月9日

 


京津線の白昼夢

2024年05月05日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

京都と大津を結ぶ鉄道

 

京都と東隣の滋賀県大津市を結ぶ鉄道は、JRの東海道線・湖西線の他に、あまり知られていない京阪電鉄の京津線がある。

 

東海道線

 

京都駅からJR東海道線に乗ると、途中駅は山科駅しか無く、10分弱で大津駅に着く。JR大津駅は山の中腹のような場所にあり、周囲に繁華街があるわけでもなく、県庁があるだけなので、昔はガランとして寂しい場所でした。例えれば、昔のJR東海道線の神戸駅のような感じかな。今のJR大津駅周辺はマンションなどが立ち並んでいるようです。(最近、大津駅へ行ったことが無いので伝聞です)なにしろ、京都駅まで10分弱、大阪駅まで40分弱ですから。

 

湖西線

 

JR湖西線は山科駅で分岐し、トンネルで大津市北部に出るが、大津市北部に大きな繁華街は無く、大きな町も無い。有名なのは、雄琴温泉くらいかな。雄琴温泉は、男の人が喜ぶ温泉と子供の頃聞いたことがある。JR湖西線は北陸地方へ向う特急を高速で運転するために、ほとんどが高架で作られました。しかし、比良山系からの強い風が吹くことがあり、運行が中止されることがあるのは計算違いかな。

 

昔の京阪・京津線

 

昔は、2両連結の電車が地上の京阪三条駅を90度曲がって三条通に出て路面電車のように進み、旧国道1号線に沿って山を越えて山科盆地に入る。山科を過ぎると、今度は京都と大津の間の山を国道1号線に沿うように越えて、最後は広い通りの併用軌道を琵琶湖湖岸の浜大津駅まで降りて行く。

 

ただし、JRは途中駅が山科駅しか無く、10分弱で大津駅に着くけど、京津線は12または13駅に停まっていくので、30分弱の時間がかかったかな? 京都から大津に通しで乗る人は鉄道マニアか、遊覧船に乗る人くらいでしょう。京阪・浜大津駅周辺には浜大津港があり、遊覧船が発着しているので、JR大津駅周辺より賑わっていました。

 

現在の京阪・京津線

 

現在は、京阪三条駅から御陵駅までは京都市の地下鉄になったので、御陵駅から浜大津駅までの7駅が京阪電鉄の京津線になっています。そして、京津線の電車は地下鉄東西線に御陵駅から乗り入れているので、京津線は地下鉄に合わせて4両編成(1両の長さが16.5mなので、4両で66m)になっています。

現在の京津線

 

京阪・京津線の白昼夢

併用軌道に入るところ

 

浜大津へ降りていく道にある京津線併用軌道

 

京津線の見どころは、京都・大津間の山越えの区間と上栄町駅から浜大津駅までの併用軌道の区間です。併用軌道は、交通量は多くない片側1車線の道(軌道敷きを除く)を4両編成の電車が道の真ん中を下っていく。この様子が目に浮かび、実に壮観です。

 

でも現地に行ったことが無い。正確に言うと、地下鉄乗り入れをしてから、すなわち4両編成になってから、大津の併用軌道区間に行ったことが無い。しかし、この併用軌道区間を4両編成の電車が進んでいく光景が鮮明に浮かんでくるのが不思議。TVのニュースで見たのかな? 今度、4両編成の電車が併用軌道を進んでいくところに是非見に行きたいけど・・

 

2024年5月5日