自由民主党は、現憲法はアメリカなどの占領軍に押し付けられた憲法なので、自主憲法制定を公約に入れています。
一方で、中国の軍事的脅威を念頭に、日米安全保障条約に基づく日米協調を重視しています。
しかしながら、これって矛盾していませんか?自由民主党は矛盾していないと思っている(フリしている)かもしれませんが、アメリカ側は矛盾と思っているのでは?
この点は、以前に寺島実郎氏も指摘しているのを聞きました。他の人も指摘しているかもしれませんが、自民党は聞いていても知らぬふりをしているように思えます。わかっていても、他に選択肢が無いからでしょう。
日本(自民党)の立場
米軍の協力が無いと、現在の日本の軍事力だけでは、日本は中国に負けてしまう可能性がある。そうすると、中国は小さな軍事衝突を仕掛けてくる可能性がある。と言っても、日本の軍事力の強化は、コストや人員などの問題があって、容易に踏み切れない。
アメリカの傘の下に入っていると、中国は手を出しづらいので、軍事衝突の可能性は、限りなく低くなる。したがって、現実的な対応として、対米協調が最も好ましい選択となる。
しかし、自主憲法制定(アメリカ依存からの脱却の一歩)とは、矛盾する。
アメリカの立場
中国が尖閣を占領した時、アメリカ軍が手を出さないで傍観していると、日本国内では日米安保条約は役立たずと見なされ、アメリカ軍は日本から撤退せざるを得なくなる。そうなれば、中国がある程度以上強くならないように、あるいは日本が暴走しないよう監視している日本駐留アメリカ軍の現状変更は、アメリカにとって好ましくない。
一方、中国が尖閣を占領した時、アメリカ軍が日本を助けて参戦すると、対中関係は決定的に悪くなるので、アメリカはこういう状況にしたくない。
したがってアメリカは、中国が尖閣に手を出さないように、中国に圧力をかけ続けるしか他に方法がない。
今後の問題は、アメリカが、日本と中国を天秤にかける時がいずれやって来ることでしょう。
2013.06.27