ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

京都観光は何で回る? 京都事情その47

2017年10月28日 | 京都現地事情

京都の鉄道は観光用ではない 京都事情その46」の続きです。

 

京都観光は何で回る?

 

京都を回るのに、鉄道がダメなら、じゃあ何を使う? 効率良く回りたいのなら、市内観光の観光バスかな。金があればタクシー。旧市内だけなら自転車。1日のんびり2~3か所回るのなら、市バスかな。お得な市バス1日・2日券を捜したら、種類が多すぎる。

 

 

沢山ありすぎて迷う。それに本当にお得なのかは、訪れる場所によって変わる。1日券で思いっきり得しようと、北から南まで回ろうとしても、それは無理。バスは時間がかかるので、1日で回れるのはせいぜい3か所が良いところ。秋は暮れるのが早く、そこで時間切れ。

 

ただし、市バスを使う場合は、必ず市バスの使える1日乗車券を購入したほうが良い。なぜなら、市バスは系統が複雑で、乗り間違えもあるので、1日乗車券を買うほうが賢明です。

 

旧市街なら自転車で

 

旧市街を回るだけなら、自転車が便利です。ただし旧市街だけです。多くの観光地がある郊外は、道が狭いうえに頻繁にバスや車が通るし、坂(多くの観光地がある山裾は坂です)もあるのでおすすめしません。

 

京都の旧市街は、狭い道が多いのに車も多く危険と思われるかもしれませんが、ここ横浜の山間部よりは安全です。(あくまで比較の問題で、やはり注意は必要です)旧市街では道が狭いわりに自転車が多いので車も注意して走行するし、ドライバーも自転車に慣れている。それに比べて、郊外の広い道は自動車がスピードを出すのでお勧めしません。それに、旧市街は北から南に向かって傾いていますが、わりと平ら。

 

結局、行く場所によってバスなのか、自転車なのか、鉄道が良いのか変わるので、難しいですね。事前に調べられる人は出来るだけ調べるほうが良いですね。特に混雑する時期は。

 

  •  例えば、紅葉が名物の醍醐寺への行き方

上記の「京都観光1日乗車券 山科・醍醐拡大版」が便利かというとそうでも無い。

 

①地下鉄を使う方法

 地下鉄東西線の醍醐駅で下車、徒歩1㌔㍍。醍醐寺のホームページには、JR東海道線(琵琶湖線)の山科駅やJR奈良線の六地蔵駅で地下鉄東西線に乗り換えと書いてある。しかし、地下鉄東西線は市内中心部を走っていて、地下鉄烏丸線と烏丸御池駅で交差しているので、京都駅からでもJRを使う必要は無いし、地下鉄なら京都駅から片道¥320と安い。紅葉シーズンとか、人が多い時は駅から歩いた方が早いかも知れない。いずれにしても、醍醐寺だけ行くのなら、お得券は不要。

 

②バスを使う方法

山科・醍醐地区は、市バスが無く京阪バスしか走っていない。その京阪バスは、JR東海道線山科駅やJR奈良線の六地蔵駅から醍醐寺行きが出ている。それより便利なのは京阪バスが運行している京都駅八条口から醍醐寺に直通するバス(今回調べるまで知らなかった)。これらのバスなら醍醐寺のすぐ横に到着する。しかし、紅葉シーズンは渋滞が起きる? 京都駅八条口からの直通京阪バスには「京都観光1日乗車券 山科・醍醐拡大版」が使えるが、直通バスは片道¥300なので、「1日乗車券」がお得かどうか? 醍醐寺だけなら不必要。

 

2017.10.28

 

 


京都の鉄道は観光用ではない 京都事情その46

2017年10月25日 | 京都現地事情

総選挙も終わり、北朝鮮も最近静かにしているので、今回は穏やかな話です。

 

先ず、京都市内の鉄道路線図を見てください。パッと見て、これでは電車を観光用に使えないとわかる。京都のほとんどの電車は観光用ではなく通勤用です。

 

次に路線ごとに詳しく見ていきます。最寄りは約1㌔㍍以内にします。1㌔㍍以上歩いていそうな西洋人風の人をよく見かけますが。

 

鉄道は観光に使えるか?

 

JR東海道線

市内には山科駅、京都駅、西大路駅、桂川駅があるが、駅近に観光スポットは無い。京都駅から東本願寺や西本願寺、東寺に歩いて行けるけど、東本願寺が数百㍍、西本願寺や東寺が1㌔くらいかな。東本願寺は歩いていく方が早いと思うが、西本願寺はバス、東寺は近鉄やバスに乗る人が多いと思う。

 

JR山陰線(嵯峨野線)

私が学生の頃は、地上の単線でディーゼルやSLが走っていた。山陰線というだけあって、山陰方面へ行く普通(ほぼ各駅停車)の夜行列車もあった。今はほとんどが高架で複線、電車が走っていて、駅も増えた。市内には丹波口駅、二条駅、円町駅、花園駅、太秦駅、嵯峨嵐山駅、保津峡駅がある。嵯峨嵐山駅付近には観光ポイントがいろいろあるので、この駅は利用価値大。二条駅から二条城が約1㌔だけど歩く人はいない。二条城の入り口近くにバス停があるので、市バスが便利。

 

JR奈良線

大昔は単線・非電化だったけど、今は大部分が複線化されており、電車が走っている。市内には、東福寺駅、稲荷駅、藤森(ふじのもり)駅、桃山駅とあるが、東福寺駅は東福寺・泉涌寺、稲荷駅は伏見稲荷、桃山駅は桃山御陵(明治天皇の墓)の最寄り駅です。この線は比較的観光地の近くを走っている。

 

阪急京都線・阪急嵐山線

もともと、京都と大阪を高速で結ぶために作られた路線なので、沿線の観光地は桂離宮くらい。桂駅から嵐山線が分岐しているけど、京都側からは遠回りなので、まず利用しない。

 

京阪本線・京阪宇治線

京阪本線も京都と大阪を結ぶために作られた路線です。昔の街道沿いの町を丹念にたどっていくので観光地は比較的多いけど、駅から結構歩く。駅から近い観光地は、東福寺や泉涌寺、伏見稲荷くらい。あとは淀の競馬場くらいかな。

中書島駅で分岐する宇治線で宇治へ行けるが、中書島駅で乗り換えが必要。

 

近鉄京都線

大昔の名前は、奈良電鉄。奈良電鉄と言いながら、西大寺駅から近鉄奈良駅の間は近鉄の線路を使っていたのは、弱小私鉄だったから。京阪電鉄も乗り入れていたし、資本も入れていたが、近鉄が買収した。

東寺は直ぐ近くだけど、昔の田んぼの中に線路を作ったので、観光地は通らない。

 

市営地下鉄烏丸線・東西線

烏丸線は京都御所や相国寺に大徳寺、東西線は二条城や南禅寺、醍醐寺くらいかな。東西線の終点で京福電鉄本線に乗り換え可能。

 

叡山電鉄

元は京福電鉄叡山線と鞍馬線。ほとんどが複線だけど、山の方へ行くと単線になる。1両か2両連結の路面電車風ですが、ほとんどが専用軌道。有名なのは修学院離宮・貴船神社・鞍馬寺くらいかな。叡山線は比叡山に登るケーブルカーに接続。

 

京福電鉄本線・北野線

「福」は福井のこと。昔、福井に路線があったが今は無い。嵐電(らんでん)とも言う。複線だけど、時々専用軌道だったり、時々路面電車風だったり。ここも1両か2両の電車。                                                                                                                                                   

中心部から少し外れた四条大宮から出ているので利用しづらい面もあったが、地下鉄東西線が延伸し、終点で嵐電に乗り換えできるようになった。停留所の間隔が短いので、嵯峨や嵐山方面は使い道がある。

北野線は単線なので30分に1本。

 

路線ごとの説明を見てもらうとわかるように、ほとんどの電車は観光用ではない。

JR東海道線、阪急や京阪は大阪に行くための路線で、観光用に引いた線路ではない。JR奈良線は宇治や奈良へ行くための電車、近鉄京都線は奈良へ行くための電車なので、たまに観光地の近くを通るけど、そもそも観光用ではない。観光用は、嵯峨や嵐山周辺を巡るのに京福電鉄(嵐電)を使うぐらいかな。叡山電鉄も通勤が主になっている。

 

ということで、京都の鉄道は観光地巡りに適していない。京都観光は電車以外の別の手段がいる。

 

2017.10.25

 

 


トヨタザウルス、ドツボから出られない

2017年10月22日 | 科学・技術

今年夏、京都の実家近くの民家2軒の車庫で充電している「リーフ」を見かけた。横浜のこのあたりでも、時々「リーフ」が走っている。でも、電池の寿命(数年?)が短いので、私はまだ買わない。

 

2014年01月12日 の「~電気自動車は、リチウムイオン電池、それとも燃料電池、どちらが勝つ?~ その1

2014年01月12日の「~電気自動車と燃料電池車、どちらが勝つか?~  その2

では、電気自動車(EV)が有利と書きました。

 

2017年02月13日の「トヨタザウルス、動きがトロい」では、電気自動車(EV)へのトヨタの対応が遅いと書いています。

 

トヨタザウルス、ドツボに落ちた!

 

2~3カ月前に、自動車評論家の「トヨタはEVに出遅れていると言われているが、EVの要素技術はやっているので遅れていない」という意見が載っていた。これを好意的に解釈すれば、トヨタに対する「こうあって欲しかった」という願望か、「一周離されているけど、がんばれ!」という応援でしょう。

 

悪意に解釈すれば、「トヨタにすり寄っているんじゃないよ」ということ。要素技術と実車を作って動かすのでは全く違う。トヨタがEVの要素技術はやっていたとしても、実際に電気自動車(EV)を作って動かさないと、どうしようもない。EVを実際に動かすことによって、改善点が見えて来るし、新しいアイデアや技術も出て来る。

 

最新刊の週刊ダイヤモンドと週刊東洋経済は、偶然かつるんだのか両誌ともEVを特集しています。両誌とも控えめにトヨタは遅れたと言っている。ハッキリ書けば!

 

(2017.10.24追加)

両誌とも、技術的な話は電池に留まっており、それ以外の技術については非常に少ない。EVもこれからという感じです。

 

怒涛の流れは変えられない

 

ドイツで起きたディーゼルの排ガス不正によって、乗用車はディーゼルエンジンから電気自動車へ、ヨーロッパと中国は大きくハンドルを切ったようです。とはいうものの、このまま順調に進むわけはなく、将来若干元に戻るかもしれませんが。

 

2~3年前には、ヨーロッパで改良されたディーゼルエンジンに関して、日本でも称賛する記事が出ていました。これらの称賛していた人の現在の心境を聞いてみたい。

 

日本はディーゼルエンジンに出遅れていたので、ディーゼルエンジンがポシャったのはチャンスのはずだったが、日産・三菱を除いて日本の自動車会社はEVにも出遅れてしまった。

 

トヨタなど既存の自動車会社のEV開発の足取りの重い理由は、自動車会社がエンジン関連の会社・従業員を多く抱えているから。EVに転換すると、エンジン関連の多くの会社の存在意義が無くなり、従業員も失業することになるので、それを避けたいと思うのは当然です。

 

しかし、EVはまだほんの中小河川程度の流れですが、過去のしがらみをどうしようかとのんびり考えていると、気が付いたら大河の怒涛の流れに流されているかもしれない。そうなれば、過去の栄光やしがらみなどの甘ちょろい感慨に浸っている場合ではないことは今までの経験が教えてくれる。例えば、

 

・ブラウン管TVから液晶TVへ

・固定電話からケータイ電話へ

・テープレコーダーやレコードからICメモリーやCDへ

・フィルムカメラがデジタルカメラへ

 

など、技術の流れは無慈悲に産業構造をガラリと変える。しかも、その流れにいくら逆らっても、また流れの方向を変えようとしても濁流に流されるだけ。

 

AICEもドツボに落ちた!

 

ところで、2014年07月02日のブログ「乗用車メーカー8社のエンジン共同研究は変?」では、AICE という技術研究組合を取り上げています。

 

”AICE”のホームページは

http://www.aice.or.jp/index.html

 

この技術研究組合AICEの発足は2014年4月1日で、メンバーは日本のメーカー8社と国内の9大学、自動車研究所、産業技術総合研究所のオールジャパン体制ですが、不思議なことに部品メーカーが入っていない。

 

目的はホームページによると、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの「内燃機関の燃焼技術および排出ガス浄化技術の現象の解明、モデル化、評価手法策定を行う」。これじゃ何が何だかわからないので、設立当初の記事から引用すると

 

1)ディーゼルエンジンの排気ガス処理技術

2)ガソリンエンジンの熱効率を50%にする

 

となっています。こっちの方がよくわかる。

 

今になってみれば、ガソリンエンジンまあ良いけど、ディーゼルエンジンを研究対象にする意味はあるだろうか? AICEも仕切り直しが必要だけれど、船頭が多いので結論が出ないままダラダラ続けるのでしょうね。

 

このAICEの目的の一つは、日本の自動車会社が遅れていたディーゼルエンジンの改良を効率的に行うことだったが、たった3年で環境がガラッと変わってしまった。ということは、自動車業界の誰もが3年以上先を見通せている人はいなかったということ。

 

先を見通せないのなら、リスクを取るか、全ての可能性に手を出しておくかのどちらかだけど、どうする? 

 

トヨタザウルス、ドツボから出られない!

 

私のような「ぼんくら」でも、自動車業界の外から見ていると、この自動車会社は何をすれば良いか、割とクリアに見える。しかし、自動車業界のいろいろなしがらみや複雑な思いが交錯するドツボの中にいると、周りが見えない。そうトヨタザウルスは落ちたまドツボから出てこられない。エラそうにしていて報酬は多いけれど、なかなか判断できない(しない)トップバカりなのでしょう。これらの自動車会社には沢山の技術者がいるのに、方向を間違えると成果が全てパーになる。日本の会社はどこも似たような感じだと思うと、ため息がでます。

 

2017.10.22

 

 


アゴラの信じられない記事について一言~メディアに物申す その45~

2017年10月20日 | メディアに物申す

右の人でも左の人でも、真っ当な議論をしてほしいと思う。あまりにひどい記事や意見が目に付くので、前回の産経新聞に引き続いて、別の記事を紹介します。

 

今回取り上げるのは、

10/6() アゴラ 「民主党政権の罪は永久に消えない --- 池田 信夫」

 

この「アゴラ」というのは、ネット上で「言論プラットフォーム」を名乗っていて、いろいろな人がいろいろな話を書いています。これを(マス)メディアというべきか、疑問もありますが、メディアにしておきます。TVなどで有名な人も時々書いていますが、ほとんどの人は名前を聞いてもわからない。中身を見ると、右に傾いています。この池田信夫という人は「アゴラ」を主宰しているらしい。

 

上記の記事は、原発事故に対する私の認識と大きく違っています。それに1ページほどの文なので、根拠が書かれておらず、筆者の考えの妥当性を判断しようが無い。

 

一部を紹介します。

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震災は大惨事だったが、原発事故は原子炉が崩壊する「メルトダウン」ではなかった(それは後から定義を変更したものだ)。事故は過熱して気圧の高まった原子炉から水蒸気を抜き、それが水素爆発を起こしただけだった。大気中に出た放射性物質は微量で、それによる健康被害はない。

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「メルトダウンではない」とか、「水蒸気を抜いたから、水素爆発を起こした」という話はどこからの情報かな。それよりも、「大気中に出た放射性物質は微量」と主張していますが、微量では無いと思うし、「健康被害」が起きるとしたら、これからだと思う。

 

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原発事故の被害は、すべて民主党政権とマスコミの作り出した風評被害である。

あのとき民主党政権でなかったら、被害ははるかに小さくてすんだだろう。

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原発事故は風評被害なの? 「民主党政権でなかったら、被害ははるかに小さくてすんだ」って本当? 当時どういう対応をしていれば原発事故の被害を「はるかに小さく」出来たのか、は私が一番知りたいことです。それなので、今まで注意して報道を聞いたり読んだりしたけど、まだハッキリした話は無いと思う。私が知っている限り、既に出ている原発事故の報告書でも触れられていない(はず)。それなので、どのように対応していたら、もっと被害が少なくなっていたか、具体的に教えて欲しい。もちろん、机上の空論ではなく、当時の不自由な状況の中での現実的な対応です。これがハッキリしないと、「民主党政権でなかったら、被害ははるかに小さくてすんだ」という主張が成り立たない。

 

おかしな意見を言う人の特徴ですが、野党はハッキリ批判するけど、自民党をハッキリ誉めない。上の文でも、「自民党政権だったら、被害ははるかに小さくてすんだ」となぜハッキリ言わないのかな。「民主党政権でなかったら」と逃げているけど、「自民党政権」しかありえない。

 

それに原発事故被害を「風評被害」と言っていることは、「被害が少ない」と言っていることと同じ。その直ぐ後で「民主党政権でなかったら、被害ははるかに小さくてすんだ」と逆に被害が大きいような言い方をしているのは矛盾です。

 

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ところが政治的に危機に瀕していた民主党政権は、原発事故を利用して人気を挽回しようとして、その被害を最大限にあおった。菅首相は全国の原発を違法に止め、その多くはいまだに動かない。野田政権は「2030年代に原発ゼロ」という閣議決定をしようとして、アメリカに待ったをかけられた。

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この書き方だと「アメリカが待ったをかけたのは良かった」と考えているようです。私は「アメリカは条約に書いてないことまで口出しするな!」と思います。この池田氏は「アメリカの作った日本国憲法を改正しろ!」と主張していないでしょうね。もしそうであれば「アメリカに待ったをかけられた」(のは良かった)は、おかしい。

 

いろいろ書くのは構わないけど、その根拠をちゃんと出してもらわないと、正否の判断のしようが無い。それに、この文は矛盾が多いので、ちゃんと推敲して欲しい。

 

2017.10.20

最後に1文を追加しました。2019.08.05


(補足)2020.01.16

このブログを書いた当時から感じていた疑問について。それは、このアゴラの記事は池田 信夫氏が書いたのかな?ということ。誰かアゴラ内部の人が池田 信夫氏をかたってこの記事を書いたかもしれない。この記事以前に池田 信夫氏が書いた記事を読むと、内容は別にして丁寧に書いている。この記事のように、突っ込みどころ満載の雑な記事は書いていない。といっても、この記事は署名入りで書かれているし、こっちが詮索しても仕方が無い。

 




日本のドコモのシェア自転車

2017年10月17日 | まち歩き

ここで言う「シェア自転車」とは、自転車屋に行って手続して自転車を借りるシステムではなく、街中に止められた自転車をスマホなどで操作して借りるシステムのことです。

 

中国における「シェア自転車」は、下記の3件のブログに書いています。

 

2017年08月21日の「中国で流行りのシェア自転車の疑問

このブログでは、「乗り捨て自由」の意味を取り違えました。

 

2017年09月23日 の「中国では「まさか」が起きる~シェア自転車を再び検証する~

ネット上で捜した十数件の記事から、おおよその現状がわかってきました。現地で調査したのではありません。悪しからず。

 

2017年10月02日の「中国のシェア自転車には裏があった

シェア自転車を移動して再配置するのは、人海戦術です。すごい!

 

これらのブログの結論は、この中国「シェア自転車」のシステムは中国でしかありえない!

 

日本のドコモのシェア自転車

 

10月初めの平日の夕方、神田駅近くを歩いていると、ドコモのシェア自転車を駐輪している場所を2か所、偶然に見つけました。話には聞いていたが、見るのは初めて。場所はNTT神田のビルの軒先と、より神田駅に近いビルとビルの間の空き地の2か所。

 

ドコモのシェア自転車は、下の写真のように赤い電動アシスト自転車で、サドルの後ろに操作盤が付いています。

 

 

NTT神田のビルの軒先に設置してあるシェア自転車は、ほとんどの自転車が出払っていて、残っているのは2~3台。Googleマップから軒先の写真を載せます。

 

NTT神田のビルより神田駅に近いビルとビルの間の空き地にも、シェア自転車が十数台並んでいました。こちらは、駅に近いせいか、備え付けのラックの数以上の自転車で溢れていた。しばらく見ていると、夕方なのか返却する人が2~3人(観光客風?)自転車に乗ってやってきた。

(ビルとビルの間の空き地に並ぶシェア自転車の写真を撮っていなかったので、Googleマップで捜したらまだ家屋が建っていた。最近空き地になったようです)

 

この短時間しかその場にいませんでしたが、ここのシェア自転車は結構使われていた。ドコモのシェア自転車のホームページは下記ですが、東京の一部の区と、それ以外の地域に分かれているので注意してください。下記URLは千代田区(千代田区だけで、指定駐輪場所が70か所以上あった)のもの。

http://docomo-cycle.jp/chiyoda/

 

登録方法や借りる時・返却する時の方法が動画で紹介されているが、これが私にとって複雑! 若い人にとって容易なのかもしれません。興味ある方は、上記URLをクリックして、動画をみてください。

 

シェア自転車の仕様

 

下表は中国のシェア自転車大手2社とドコモの自転車の仕様をまとめたものです。

(2017.10.18 表を見やすくし、モバイクの札幌の事業を付け加えました)

(注)上記ドコモの自転車の仕様は、東京都内の仕様です。例えば、使用料金のプラン・金額は東京以外の各地で異なり、1日や半日プランしかないところもある。

 

ドコモのシェア自転車は日本の普通の自転車です。返却は指定の駐輪場所と書いてあるので、指定の駐輪場所なら(借りた駐輪場所でなくても)どこでも返却できるようです。保証金はどこにも書いていないので、不要なようです。

 

気になったのは、保険は自分と相手のケガが対象であって、自転車の盗難や撤去された場合は保険の対象外なこと。違法駐車して撤去された場合は実費を請求されるし、盗難も実費を請求される場合があると書いてある。

 

使用料金の比較

 

使用料金を比較します。札幌で始まった中国シェア自転車大手の「モバイク」は、30分50円(キャンペーン期間中)なので、これが継続し東京でも同じ料金と仮定すると、ドコモ(初めの30分は150円、その後は30分100円)は「モバイク」の約2倍と高い。

(注)東京区部のドコモのシェア自転車は数種類の料金プランがあり、上記の計算はそのうちの一つのプランです。

 

もっとも、「モバイク」が東京区部でも商売を始めた場合、札幌の30分50円(キャンペーン期間中)の料金よりも高くなると思う。そうなると、電動アシスト自転車で保険も付いているドコモの自転車との実質的な料金の差は無くなる。

 

そのモバイクも、中国本土の使用料金は30分16円なので、札幌の30分50円は大幅に高い。

 

最後に、どれくらい儲かるか、計算してみます。

ドコモのシェア自転車を半日の4時間借りると、150+100×7=850円。日本のレンタサイクルと比べると標準的な相場か、若干安いでしょうか。これが30日続くとすると、850円×30日=25500円が1台の一カ月の売り上げ。自転車の原価償却とメンテ代(バッテリー交換やタイヤの空気補充、パンク修理など)を考えても、これは儲かりそう。

 

気になる点はあるが、このドコモのシェア自転車は観光客には便利かもしれない。東京の人なら、最適な経路を考えて、電車と軽い徒歩でどこでも行けるので、シェア自転車を使うかどうか? 東京の人がビジネスで使う場合、自転車を自分で購入した方が安くて便利だと思うが、シェア自転車はメンテが不要というメリットがある。どちらが良いのかな?

 

ドコモのシェア自転車のホームページをみると、千代田区だけで駐輪場所が70か所以上もある。ということは、利用者が多いということでしょう。さらに増えるかどうか?

 

2017.10.17

 

2017.10.19 (一言追加)

雪が積もると自転車は使えないので、札幌では冬季の営業はできない。そうなると、料金は割高になるかもしれません。