ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

宇部興産専用道路は国鉄のスト対策

2023年11月29日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

乗り物関係のネット記事で、宇部興産専用道路(通称)を紹介していたが、肝心なことを書いていなかったので一言。Wikiの「宇部伊佐専用道路」にはそのあたりの事情が書かれている。

 

通称宇部興産専用道路は山口県の美祢地方の石灰石を沿海部の工場まで運ぶ全長約32キロメートルの自動車専用道路です。この自動車専用道路は、宇部興産が作った高速道路で、宇部興産専用の私道です。ネット記事では、宇部興産がこの道路を作った理由をサラッと流していたが、私が覚えている理由は国鉄(現JR)のスト対策。かって美祢地方の石灰石は、国鉄の美祢線を通って沿海部の工場へと貨車で運ばれていた。

 

その頃、国鉄の労働組合はストが年中行事であり、特に大企業を狙ってストを行っていた。したがって、労働組合がストを行うと、石灰石を積んだ貨車がストップすることになり、宇部興産は頭に来ていたと思います。

 

このような理由から、宇部興産は国鉄に頼らない輸送ルートを確保したかった。(これは、私の推測ではなく、当時のメディアにも記事になっていたと記憶しています) 国鉄の労働組合としては、石灰石を運ぶ仕事がなくなるのはストの成果ですけど。

 

2023年11月29日

 


武蔵小杉駅前の「東横病院」と〇〇記念病院

2023年11月26日 | まち歩き

大きく変わった武蔵小杉駅

 

横須賀線の駅が開業(それまで横須賀線は通っていたが、線路だけで駅は無かった)してから都心に出るのが便利になり、駅前にタワーマンションがぼんぼん建った武蔵小杉駅前。それまでは、東急東横線とJR南武線が交わるだけの、大きな店も無い庶民的な駅だったのに。唯一駅前のロータリーに聳えていたのが「小杉会館」。ホテルで結婚式・宴会が出来たと思うけど、今もあるのかな?

 

南武線隣駅のJR武蔵中原駅近くには富士通の拠点(昔は大きな工場)があるので、駅前には富士通関係のビルも多かった。ついでに言うと、JR武蔵中原駅とは反対方向の隣駅のJR向河原駅には富士通の競合会社であるNECの大きな拠点(ここも昔は大きな工場)がある。

 

ところで、黒字線なのにJRが金をかけない南武線(ついでに横浜線も)。その南武線、西武と東武は私鉄なのに南武線だけJR。昔は奥多摩からの石灰石を載せた貨車とそれを引っ張る電気機関車が走っていたが今では6両編成の電車だけ。6両より長くすると踏切にはみ出す駅もある。

 

武蔵小杉駅周辺の話題は下記のブログにも書いています。

2019年10月25日の「二子玉川から武蔵小杉周辺の浸水について

2019年10月22日の「台風19号の計画浸水

2016年07月02日の「鉄道よもやま話 2 ~武蔵小杉、武蔵中原、武蔵新城、武蔵溝の口、武蔵小山~

 

そういえば、武蔵小杉駅近くに日本石油の社宅があり、小説家で元長野県知事の田中康夫が一時住んでいたと知り合いが言っていた。

 

武蔵小杉駅前の東横病院

 

ここからが本題。武蔵小杉駅前の聖マリアンナ医科大学東横病院が、来年3月に閉院すると報道されています。約50年前、東横線や南武線に乗ると武蔵小杉駅前にある(たしか3階か4階建てだった?)東横病院が良く見えました。その頃は「聖マリアンナ医科大学」が無く、単に「東横病院」でした。

 

外観はコンクリートむき出しの古びた中規模の病院でしたが、数年前南武線から見ると、新築したのか、改築したのか、小奇麗な印象に変わっていました。

 

武蔵小杉駅周辺の大きな病院は、駅から少し離れている日本医科大学武蔵小杉病院か、東横線で武蔵小杉駅の隣の元住吉駅近くにある関東労災病院くらいかな? タワマンが出来て人口が増えている武蔵小杉駅前にあるのに、来院者が減少し赤字で経営が苦しいとは理解に苦しむ。

 

〇〇記念病院が増えた

 

ここからは武蔵小杉とは別の話。電車に乗っていると、時々病院が見える。その病院に「○○記念病院(○○は地名)」と書いた看板を見かける。〇〇が人名ならその人を記念した病院かなと思うけど、〇〇が地名ということはどういうこと? 地名を記念するとは理解不能。

 

「○○病院」よりも「○○記念病院」の方が重々しい感じがするから? 箔が付くような感じかな?

 

2023年11月26日

 


チョコザップの疑問

2023年11月20日 | まち歩き

最近、チョコザップのTV・CMをよく見るし、近くにチョコザップの店が出来た。このチョコザップが出来る前は奥行きの無い小さなリフォーム店だったので、運動機器がどれほど置けるのか気になる。

 

このチョコザップの店の近くには、フロアで運動をする女性専門の店がある。この店は数年前に出来て営業しているが、名前(と経営主体?)が変わっている。

 

私もスポーツクラブに通っているので、いろいろなトラブルを経験している。それで、このチョコザップも続くのか、(お節介ですが)考えてみました。

 

チョコザップの設備

 

ホームページの紹介を見て、設備や月額会費をピックアップしました。店舗によって、設備が異なると注釈がついています。(私は会員ではないので、実際の店舗を確認していません)

 

・月額2980円(税込み3278円)

・各種運動機器がある

各店舗で広さが異なるので、機器の種類も数も異なる

・個室でのセルフエステ 

ボディ用と顔用の高周波美容器(高速振動・高周波の温感マッサージ)とセルフ脱毛

これら美容機器だけを使う人も多い? 集客には良いアイデアと思うけど、きれいに使用してくれるのかやメンテナンスが気になる

・オープンロッカー

蓋も鍵も着いていないので、目の届く範囲で運動しているという前提のようです

・更衣室あり

・入室時はQRコードをかざす、内部は監視カメラによる監視

 

ライザップや客にとってのチョコザップのメリット

 

・管理者はいないので人件費が不要

・シャワーなど水回りが無いので、設備費、維持費を節約できる

・上の二つで低額の会費を実現できた?

・狭い土地でも開業できる

・美容機器が使えるので、運動が目的でない人も入会する。したがって集客力があがる

 

お客さんの立場からの懸念点

 

・機器の数が少ないので飽きるかも?

・ヘビーに運動する人が来ると、運動機器の占有時間が長くなって、使えないことも?

 長時間、同じ人が使っていると警告されるのかな?

・運動機器が故障した時の対応が早いと良いけど?

 運動機器は壊れにくいけど壊れる。早めに修理してくれるかな

・美容機器は占有時間が長いと予想される

 20分から40分と制限と一応書いてあるので、都合の良い時に使えるかな?

 スマホから、使用状況がわかるとか、予約できると良いが

・美容機器は汚れやすいし故障しやすい?ので、清掃とメンテナンスは毎日行ってほしい

・お客さんが多くなると、運動機器やエステ機器を使えないことも

 

チョコザップの課題

 

チョコザップは短時間でチョコっと運動したい人や美容機器を使いたい人をターゲットにしているけど、ヘビーに運動したい人が来たり、美容機器を使いたい人が多かったりすると、好きな時に機器が使えなかったりする。

 

また、お客さんが多いと小さいチョコザップでは運動機器や美容機器を使えないことも起きる。これはお客さんの分布をチョコザップの分布と上手く合わせられるかによる。お客さんの数によって、チョコザップを作ったり、減らしたり(簡単に減らせないと思うけど)するのは難しい作業です。

 

あとは清掃とメンテナンスが十分実行できるかどうか。チョコザップの将来はしばらく様子を見ないと何とも言えないですね。

 

2023年11月20日

 


岸田首相と安倍元首相が生きていたら

2023年11月15日 | 国際・政治

岸田首相は外交!外交!外交!では?

 

岸田首相は国会で「経済!経済!経済!」と叫んだけど、彼は元々「外交!外交!外交!」だった。「外交!外交!外交!」では票にならないとやっと気が付いたのかな?

 

11月初めに岸田首相はフィリピンとマレーシアを訪問した。その時、TVで見る顔は生き生きしていた。岸田首相は外国を訪問して金をばらまいてくるのが性に合っているのかな。その後、日本に帰ってきて国会の答弁に立っている時の顔は暗かった。

 

岸田首相は自ら外交の細かいところまで気を配るが、人事や国内問題は人任せかもしれない。

 

安倍元首相が生きていたら

 

安倍元首相は昨年2022年7月に手製の銃に打たれて亡くなりました。今生きているとしたら、どうなっているのか、どう思っているのか、想像してみました。

 

  • ロシアとウクライナの戦争をどう思ったか? また、ロシアは歯舞色丹・国後択捉の北方領土を返す意思の全く無いことがハッキリしてどう思ったか?

 

 ロシアとウクライナの戦争開始は2022年2月24日なので、安倍元首相は生きていた。その時、安倍元首相は「こりゃ、ロシアは北方四島を返す気持ちは無いぞ!」と明確に思ったはずです。

 

2022年03月09日の「ウクライナ侵攻でロシアの本音が見えて来た」や2020年10月19日のブログ「ロシアのやり方は変わらない」に書いたように、安倍元首相は、在任中に11回ロシアを訪問し、プーチン大統領とは27回会っている。目的は北方領土の返還交渉の道筋を付けることだけど、これは全く無駄だった。安倍元首相もロシア訪問やプーチン大統領との面会の後半では、(ロシアがウクライナに侵攻しなくても)ロシアの本音を薄々知っていたはずです。

 

しかし安倍元首相は、ロシアの肩を持つことは無かったでしょうね。森元首相や鈴木宗男氏のような態度は取らなかったと思う。

 

安倍元首相の死後、プーチン大統領やロシアの高官は「 歯舞色丹・国後択捉は返さないぞ」という姿勢を明確にしてきたし、そのように発言している。これだけロシアが態度をハッキリさせると、安倍元首相も心残りは無いでしょう。

 

  • 旧統一教会問題はどうなっていた

 

安倍元首相が生きていたら、ここまで旧統一教会問題は大きくならなかったでしょう。自民党と旧統一教会との関係がここまで炙り出されることはなかったし、旧統一教会問題が自民党全体に広がらないように、何とか抑え込むように動いていたはずです。

 

  • 安倍元首相にベッタリだった官僚はまだ元気

 

安倍元首相は官邸に内閣人事局を作り、高級官僚の人事権を官邸が握った(と報道されている)。高級官僚の人事権を握ったことで、安倍元首相にベッタリとくっ付く官僚が確かにいた。安倍元首相が健在だったら、これらの官僚は現在も元気だったのでしょうね。その点では、安倍元首相の威勢が無くなったのは良かったかもしれない。

 

  • 共産党から慰められる自民党

 

旧統一教会と安倍元首相や自民党との関係が世間的に明らかになった頃、駅前で共産党のおじさんやおばさんがビラを配っていた。(共産党も高齢化しているようです) その中央で候補者らしい人が「伝統的な保守層を裏切った自民党!」と声を張り上げていた。全くそうだ、共産党は良くわかっている。共産党からこのように慰められるようでは、自民党もお終いだな。

 

  • 自民党は過半数にしがみつく

 

自民党のコアな勢力は30%くらい(私の個人的見解です)だけど、創価学会や旧統一教会などに下支えされて、今は過半数の勢力を維持している。これらの勢力が離れれば、あるいはこれらの勢力が衰退すれば、自民党の将来は分からない。そうであっても、自民党は過半数を得るために、理念を捨ててどっかの勢力と結んで過半数を維持しようとするはずです。

 

2023年11月17日

 


ガッカリ駅と中途半端な京都奈良間の線路

2023年11月14日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

何もない神戸駅と横須賀駅

 

昔昔、学生の頃です。(およそ半世紀前です) 神戸に行こうとして国鉄(現JR)神戸駅に降りると何もない。神戸の繁華街は三宮駅や元町駅の周辺と言うことは後で知った。

 

東京に勤め始めた頃の話です。横須賀に行こうと国鉄(現JR)の横須賀駅で降りると何もない。京浜急行の横須賀中央駅で降りるべきでした。

 

近鉄京都線は大和西大寺駅まで

 

近鉄京都線の昔は弱小私鉄の「奈良電」でした。このあたりの事情は2020年06月14日の「近鉄のフリーゲージ・トレインは成功するか? ㊤買収された奈良電とJR奈良線の悲哀」に書いている。弱小私鉄「奈良電」の線路は、京都駅から大和西大寺駅までだったので、奈良電の奈良行は大和西大寺駅から近鉄の線路を借りて奈良駅まで乗り入れていた。というか、奈良電は奈良駅までの線路を作りたかったが、近鉄が作らせなかった。奈良電は、奈良電と言いながら、奈良駅までの線路を作れなかった。

 

奈良電の後身の近鉄京都線は、今も大和西大寺駅まで。大和西大寺駅から奈良駅までは、大阪から来る近鉄奈良線です。

間違えないように言うと、京都駅からは奈良駅行と橿原神宮前駅行(大和西大寺駅からさらに南に行きます)が出ていて、伊勢志摩行の観光特急も出ています。

 

JR奈良線は木津駅まで

 

JR奈良線は京都駅の新幹線下のせせこましい場所から出ている。近鉄京都線(奈良方面行です)は新幹線の改札の前にあるのに、JR奈良線は新幹線の下のゴミ捨て場のようなところにホームがある。そのJR奈良線は京都駅から京都府最南端の木津駅まで。木津駅から奈良駅までは実は関西本線、別名大和路線。JR奈良線は奈良駅に行かないし、奈良県にも入らないのに奈良線とは? 

 

間違えないように言うと、京都駅から奈良駅行が出ていて、奈良線、関西本線を通り、奈良駅に行きます。

 

京都と奈良間の線路は二の次

 

近鉄京都線(旧奈良電)にしても、JR奈良線にしても、奈良駅に到達していない。京都と奈良間の線路は二の次だったことがわかる。

 

JRより私鉄の方が目的地に近い所に駅を作る

 

ついでに言うと、JR日光駅より東武日光駅の方が東照宮にわずかに近い。日光と同じように、JR奈良駅より近鉄奈良駅の方が奈良公園(シカがいたり、東大寺や春日大社がある)にかなり近い。日光より奈良の方の差が大きい。私鉄は国鉄との競争に勝つために、国鉄より目的地に近い場所に駅を作る。

 

2023年11月14日

 

(追加説明)2023年11月29日

追加の説明があります。昔読んだJTBの廃線跡の本に「大仏線」があったのを思い出しました。現在は上に書いたように、JR奈良線は奈良駅に到達していません。なぜなら、木津駅―奈良駅間は関西本線だから。

 

しかし、ネットで確認すると、現在のJR奈良線の前身である奈良鉄道は、現在のJR関西本線の前身である関西鉄道より先に奈良駅に到達している。この頃、関西鉄道は名古屋方面から線路を延ばしてきて、ようやく奈良付近に到達していた。

 

・明治29年4月 奈良鉄道は、現在のJR奈良線とJR桜井線に相当する七條駅(京都駅付近にあった)―桜井駅(奈良盆地南部の駅)間を開業

・明治32年5月 関西鉄道は大仏線を作り、奈良駅に乗り入れ

・明治38年2月 奈良鉄道は関西鉄道に吸収される

・明治40年8月 大仏線は廃線になり、木津駅付近の線路を現在に近い経路に付け替えた

・明治40年10月 関西鉄道は国有化される

上に書いた以外に、関西鉄道は周辺の鉄道を買収しているので、実際はもっとややこしい。これを見ると、奈良鉄道(現在のJR奈良線)は関西鉄道(現在のJR関西本線)より先に奈良駅に到達しているが、国鉄の東海道線と競っていた関西鉄道は、大阪へ向う現在のJR関西本線を優先したようです。その後の関西本線は、大阪近郊の一部を除いてローカル線になり、中央部の山間地域の路線は非電化のままです。