ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

大災害はどれだけ本気になればよいのだろう?

2024年08月11日 | 地震・火山

神奈川県西部で時折聞こえる「ドーン」という音

 

「神奈川県温泉地学研究所」の定期刊行物「観測だより」2017年号に、「時々問い合わせのある音のこと」という文が載っている。「神奈川県西部の人たち」から「今朝からドーン、ドーンという音が聞こえるが、箱根で何かあったのではないか?」という質問が来るそうです。2015年5~7月には大涌谷で水蒸気噴火があったので、神奈川県西部の人たちは箱根の山の異変に敏感になっているのでしょう。

 

私は「ドーン、ドーン」で何か直ぐにわかった。問い合わせる人が「神奈川県西部の人たち」というのがミソです。神奈川県の人が、「神奈川県温泉地学研究所」に問い合わせても不思議では無いですが。

 

この記事では、「ドーン」という音が地震計に振動として残っているので、音の速度から発生地を推定している。そこは箱根の東側で、富士山の東麓。そう、推定した場所の近くには、自衛隊の東富士演習場がある。「観測だより」では、自衛隊に遠慮したのか、自衛隊の自の字も出て来ないが、「ドーン、ドーン」の音は東富士演習場の「大砲」の音です。

静岡県東部(箱根の西側)の人たちなら「東富士演習場」はなじみがあるので直ぐに分かるでしょうが、「神奈川県西部(箱根の東側)の人たち」は「東富士演習場」から少し離れている(間に箱根の山がある)ので、なじみが無いし大砲の音が聞こえるとは想像もしていないのでしょう。

 

東北大震災は直ぐに起きると想定できたか?

 

海岸の津波の痕跡を調査していた産業総合研究所の海溝型地震履歴研究グループが、450〜800年間隔で津波が発生したことを突き止めて論文で発表したのは2010年。2011年3月の東北大震災の1年前。そしてこの論文は一般には衆知されていなかった。一部で共有されていても、国民全体で共有されないと減災には意味が無い。

 

いったい東南海地震は何時起きるのか?

 

あれだけ直ぐに起きると言われていた東海地震は、40年経っても未だに起きていない。それどころか、東海地震の震源域とは違う地域で大地震がバンバン起きている。これはもう「嘘つき!」あるいは「オオカミ少年」と言って良いレベルです。近頃は東海地震なんて静岡以外では誰も口にしない。その代わりに、東海地震も含んだ東南海地震の発生確率が高いと言われているので、海岸には避難タワーを作った所もあるが、皆さん本気で大地震が起きると思っていない。思っていても、地震が起きた時に何をすればよいか、頭の中が整理しきれていないし、あるいは諦めている人もいる。東南海地震が本当に起きると思っているのなら、東京の沿海部にこんなに多くのタワーマンションが建つはずが無い。 

 

喜界カルデラの大噴火は何時起きるか?

 

九州南部の喜界カルデラは約7300年前に破局的噴火を起こしているので、再度の破局的噴火が予想されている。しかし、それがいつ起きるのか? 噴火の影響があまりに広範囲に及ぶので、将来起きると言われてもどうすりゃ良いんだ。原発だけ廃止して、あとはそのまま生活するのか? それとも、今から全員避難するのか?

 

喜界カルデラの破局的噴火が起きると思っている人は、東南海地震が起きると思っている人よりもさらに少ない。

 

日本でオーロラが見えたらどうなるか?

 

国立極地研究所などの研究グループは、古文書から鎌倉時代に京都で赤いオーロラが見えたことを突き止めた。オーロラが見えたと言うことは、この時期、太陽の活動が活発で大きな磁気嵐が地球に到達したと言うこと。鎌倉時代なら磁気嵐が来てもオーロラが見える程度でだけど、強力な電磁波が地球に降り注ぐので、現代では通信障害が起こり、生活に大きな支障が出る可能性がある。

 

2024年5月には、日本の一部で低緯度オーロラが見え、磁気嵐も発生したけど、通信障害などの大きな不具合は報道されていない。大きな磁気嵐が来なかったのか、大きな磁気嵐が来ても通信障害が起きなかったのか? どっちなんだ! この辺りをハッキリ書いている記事は見たことが無い。

 

地震、噴火、磁気嵐、いったいいつに起きるのか、それとも起きないのか? その事前の備えをどうするんだ! 東北大震災は、東北に起きる大地震の痕跡を見つけてから1年後に起きたが、次の大地震と大噴火は明日か、1年後か、10年後か、100年後か?

 

裁判所のアホ!

 

2014年の御岳山の噴火で、地方裁判所は「噴火2日前に気象庁が噴火警戒レベルを引き上げなかった判断について『合理性が欠けた』」(NHKから引用)としたが、今の研究・観測状況で責任が取れる訳が無い。裁判所は科学や技術が絡んでくると、状況判断を誤り間違った判決を出してきた。

 

こういうアホな判決を出すから、政府は地震についても根拠の薄い適当な情報を出すことになる。こんなことが続くと、政府の情報なんて誰も信用しなくなる。

 

2024年8月11日

 


横浜に大地震が起きたら・・・どうしよう?

2024年03月06日 | 地震・火山

地震にはいろいろな地震がある

 

日本の各地で地震が起きると、改めて地震の怖さを実感する。そして、地震の種類(例えば、震源の場所・深さ、地震波の波形、持続時間)によって、どういう構造物に被害が大きくなるかが違うのを知ると、地震にはまだまだ分からないことがあることを実感する。

 

例えば、

1995年1月17日の阪神淡路大震災

高速道路や中規模のビルが倒壊し、地震後しばらくして各所で火事が発生

2004年10月23日の新潟県中越地震

上越新幹線が脱線した。危うく大事故になるところだった

2008年6月14日の「岩手・宮城内陸地震」

山地の各所で多くの土砂崩れが発生

2011年3月11日の東北大震災

大津波の怖さを改めて知った。東京では高層ビルが大きく揺れ、沿海部では工場に被害

2024年元日の能登半島地震

日本家屋や中規模ビルが倒壊。大火事が発生

 

輪島のビル倒壊

 

元日に起きた能登地震は、大都市で今後に起きる大地震の対策の参考になる。例えば、1月16日のブログ「能登元日地震で7階建てビルが倒壊するのなら東京・大阪ではもっと倒壊するはず」で書いた7階建てのビルの倒壊。地中に打ちこんだ杭と建物の接合部がこんなに簡単に破断して倒壊するのなら、東京や大阪でも中規模のビルがドンドン倒壊して隣接する木造家屋を下敷きにする可能性が高い。もしかしたら、超高層ビルの一つや二つも倒壊するかもしれない。そうなると、下敷きになる建物はもっと増えるが、補償はない。怖いなあ。

 

輪島の火災で鉄骨の建物も燃えた

 

輪島の朝市通り周辺は大火事で焼けた。焼け跡の中に3階建ての鉄筋構造らしきビルが残り、鉄骨だけを残して黒焦げになっている。こういうビルは、防火構造になっているので、延焼を防いでくれると思っていたが、どうもそうでは無いらしい。

 

東京や大阪では大火災と大倒壊が起きる

 

この能登半島地震の被害から、東京や大阪周辺での大地震の被害を推測すると、木造家屋は倒壊して火事が複数個所で発生し、風が強いなどの悪条件が加わると、輪島以上の大火災になる。輪島でもそうであったように、大火災の消火は難しい。

 

さらに、輪島で中規模のビルが倒壊し周囲の民家を押しつぶしたように、東京や大阪周辺ではより多くのビルが倒壊する可能性がある。

 

自衛はしているが・・・

 

関東に大地震が起きたらどうするか? ここ横浜の山の中は、津波は来ないけどガスや電気、水道が来るかどうか? 地震の強さによるだろうけど、ガスや電気は直ぐには復帰できないだろうな。水道は、浄水場への水路が谷間の橋を渡っている部分があるので、そこが大丈夫かあやしい。

 

飲み水と缶詰は2週間分あるが、パックご飯やアルファ米は無いので米を炊く必要があるが、ガスボンベは2~3本しか用意してない。トイレットペーパーは2週間分以上あるが、携帯トイレは数個しかないので1日で使ってしまう。小さい庭があるので、土を掘って、そこに埋めるしかないかなあ? 1週間生きようとしたら、必要な食料や生活物資は結構な量になる。それを備蓄するのも大変。さらに家が倒壊すると、必要な食料や生活物資を家から取り出せなくなる。

 

都会での長期の避難生活は無理では?

 

だいたい、都会で何百万人もの人が避難生活を続けることができるのかな? 学校などの避難場所は、避難してきた人で溢れるので、多少の損傷があっても家にいるしかない。ガスや電気、水道は来ないし、ゴミ回収も来ない状況で生活できるのかな。1週間は何とか持ちこたえたとしても、それ以上は無理では? この前の戦争で米軍の焼夷弾の攻撃を受けて焼け出された人たちは同じような境遇だったかもしれないが、当時は未だ人が少なかった。

 

都会では避難生活が難しいので、この前の戦争の様に集団疎開するのかなあ? 京都が無事だったら、京都まで逃げるかなあ? しかし、鉄道が動いているかどうか? それに、住んでいる家を放置しておけないし? 

 

真面目に考えると、気が滅入る。とりあえず、携帯トイレとガスボンベは買い増しておくかな。

 

2024年3月6日

 


富士山が噴火したら、どうする?

2022年01月17日 | 地震・火山

その前に3回目のワクチン接種は7カ月では出来ない

 

2021年8月5日のブログ「ワクチン接種2回目で副反応が出た!」にも書いたように、私は昨年7月に2回目のワクチン接種をした。政府が言うように3回目は7カ月経過後と言っているので、私の3回目のワクチン接種は2月になるけど、横浜市からは何も連絡が無い。これじゃ、2月に3回目はあり得ない。

 

トンガで大噴火

 

最近、世界で火山の噴火が続いている。素人は連想して富士山の噴火もあるのでは?と思う。

 

宝永火口が良く見える

 

東海道新幹線の山側のE席に座ると、富士山がきれいに見える時があり、山腹にぽっかりと開いた宝永火口が良く見える。そうすると私は山腹の宝永火口から巨大な火柱が上がっているイメージを想像する。富士山の次回の噴火も宝永噴火のように山腹からと言われている。

 

富士山が噴火したら京都に逃げよう

 

富士山が噴火したら、横浜にも火山灰が数センチ積もると言われている。火山灰が降ると、交通障害だけでなく、停電も起きると予想されているので、ネットが繋がらなくなるし、水道も危くなる。これが1週間程度で復旧すれば何とか持ちこたえられるけど、噴火が何日間続くかわからない。

 

富士山が噴火したら、私は京都まで逃げようと思っているが、東海道新幹線は停まるので、北陸回りかな?と思うけど、停電が起きているのなら北陸回りも難しいかも知れない。

 

結局、横浜で生きていくしかないのかな?

 

結局、横浜で1週間以上生きていくしかない。そうすると、電気が無いと動かないデジタル化だけで良いのかな?と思う。停電が1週間以上長引くと、スーパーなどで食料や家庭用品を購入する時、現金しか使えない。デジタル化は普通の生活では便利だけど、自然大災害が発生すると途端に使えなくなる可能性が高い。利便性の良いデジタル化を考えるのは良いけれど、非常時の対応も考えているのか疑問。

 

噴火後、東京を再生するのか?

 

噴火後、都市機能が痛んだ東京を中心とする地域は、元に戻すのが適当なのだろうか? 次の噴火は1世紀後かもしれないので、それまでは大丈夫? 東南海地震や首都直下地震の可能性もあるよ? こういうことを考えている人はいるのかな? 

 

東北大震災の時、ある漁師は「元に戻してくれ!」と言っていた

 

NHKだったか、東北大震災後に三陸のある港で政府への要望をインタビューした時、ある漁師は「元に戻してくれ!」と言ったのを聞いて、がっかりした。震災直後だったのでそこまで考えていなかったのだと思うが、こんな大災害後に元通りになるわけが無い。特に三陸は何回も被害を受けているのに、対応を考えていなかったようだ。

 

東京でも「元に戻してくれ!」と言うだろうな

 

東京で自然大災害が起きた直後、被災者に聞くと「元に戻してくれ!」と言うだろうな。これでは、東京の将来を誰も考えていなかったことになる。これだけ自然災害がいずれ起きると言われているのに、大災害が起きた時やその後の対応を誰も何も考えていないように思える。 こういうことを考えると気が滅入るので、考えたくないのかな。日本人の常として、大災害が発生した時に考えるということかな。

 

2022年1月17日

 


2021年末の大涌谷 大涌谷の温泉

2022年01月11日 | 地震・火山

2022年01月08日の「2021年末の大涌谷」を書いた後に気が付いたことがあるので付け足します。

 

前回のブログに掲載した大涌沢から流れ出る小川の水は白濁していた。

 

考えてみれば当然です。先日、箱根の宿に泊まりに行った時、そこには大涌谷から引いた温泉があり、白濁した硫黄臭い(一般的にはこう言いますが、主成分は硫化水素)お湯が溢れていた。

 

次の写真は2017年に撮影した大涌谷。正面の山が冠ヶ岳で、玉子茶屋は黒玉子を作っているところ(登山道は閉鎖中です)。左手に下る谷が大涌谷で、噴気が出ている。

(冠ヶ岳と玉子茶屋)

 

下の写真は大涌沢の蒸気を噴出している噴気孔がある当り。右手の黒いものは2015年の噴火後に設置された監視カメラ。

(展望台から大涌谷と監視カメラ)

 

下の2枚の写真は、大涌谷の蒸気を噴出しているあたり。上の写真が大涌谷の上部、下の写真は大涌谷の下部の方。

 

この辺りにある人工物は温泉を造成する施設。温泉を造成する方法は、ため池から水をひいてきて、その水の中に大涌谷から噴出する蒸気を通し、水を加熱すると同時に蒸気に含まれる成分を温水に溶け込まして温泉水を作るというもの。これをやっているのは、「箱根温泉供給」という会社。このように大涌谷の噴気を利用して人工的に温泉を作っているのは、「ブラタモリ」でもやっていたので有名なはずですが、知らない人も居る。

 

この大涌谷で作られる温泉水は上に書いたように白濁し、わずかに硫化水素臭がして、私は気に入りました。したがって、大涌谷から流れてくる小川の水が白濁していても不思議ではない。

 

2022年1月11日

 


2021年末の大涌谷

2022年01月08日 | 地震・火山

過去の大涌谷

 

2015年は大涌谷が大噴火するのでは?と思われるほど、大涌谷の噴出が激しくなっていました。この様子は下記のブログに書いています。(2015年は小規模な「噴火」と定義されています)

 

2015年05月17日「大涌谷は爆音が轟いていた

2015年05月25日「大涌谷に爆音が轟いていた (続き)」

2015年07月01日「平穏化すると思っていたら噴火した大涌谷

2015年11月02日「大涌谷に爆音が轟いていなかった~大涌谷最新事情~」

 

この2年後の大涌谷はこちら。

2017年06月07日の「大涌谷の今

 

2021年末の大涌谷

 

2021年12月末に大涌谷の下を通る県道734号(小涌谷で国道1号線から別れ、大涌谷の駐車場に至る道路。大涌谷の下を通る)を車で通過したので、大涌谷の噴出を見てきました。

 

(大涌沢の下からの遠望)

  

      2021年             2017年

これは下湯バス停付近からの遠望。蒸気の噴出量が多いが、大きな音は聞こえない。

 

(大涌沢の堰堤)

  

       2021年             2017年

工事車両が停まって、堰堤で何か作業をしているようです。大涌沢の下の方へ継続して硫化水素が流れてくるのか、堰堤の両側の峰の緑は枯れたままになっている。硫化水素の匂いはあまりしない。

 

(大涌沢の川)

       2021年           

白濁した水(温水?)が流れ、川の両岸の草木は枯れてしまい、再び生えてきていない。

 

感想

 

2015年より噴出量は多い感じがするが、適当にガス抜きしていた方が、2015年のような爆発的な噴出は起きにくいのかな?と思う。「富士山噴火はいつ起きてもおかしくない」と言われているが、大涌谷では2015年のような大噴出はしばらく起きないような気がする(個人的見解です)

 

2022年1月8日

 

続きは「2021年の大涌谷 大涌谷の温泉