地震学ほど、大学の教員や研究所の職員などの専門家の他に、大学のOBや元技術者などのアマチュアが、いろいろな説を唱えている分野も珍しいと思います。これも、地震学、特に地震予知に確固とした理論が無いからと思います。
話は飛びますが、経済学も地震学と似たようなレベルでしょうか。
インターネットで調べると、名誉教授が磁気変化を検知できる簡単な自作装置を紹介したりしています。この装置は、見るからに眉唾物で、微小な磁気の変化を検知できそうもありません。
これらの説の中で一番突飛な説は、山本寛氏が「地震学のウソ-地震学会への提言-」や「【仮説】巨大地震は水素核融合で起きる!」という本に書いてある、地震の原因は地中での常温核融合というものです。
また、地震の前兆として、特有の電磁波がでるとか、電離層が変化するという説もあります。ある種の岩石に強い圧力がかかり破壊される時に、電磁波が出る可能性は実験で証明されているようです。
したがって、陸上にある活断層が動く時に、電磁波が出る可能性はあります。しかし、現代はいろいろな電磁波が雑音として飛び交っているので、活断層からの電磁波が出たとしても、それを電磁波雑音の中から探すのは至難の業です。
しかも、今度の東北地方太平洋沖地震のように、海底下のプレート境界が動く場合は、海水に阻まれて電磁波が外に出てこないと考えられます。
この説を唱える人の本に、データが全く出てこないのは当然かもしれません。
ここしばらく、地震予知は、経済を見通すことと同様に、かなり困難と言わざるを得ません。
2013.05.29
2013.06.09 一部修正しました