ほぼ週二 横浜の山の中通信

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東大の進学システムは魅力的?

2024年05月21日 | 研究および大学

東大の入学システム

 

東大の入試は他大学と比べると特殊です。他大学は学部ごとに入学試験を行うが、東大は文科一類~文科三類、理科一類~理科三類の6分類で入学試験を行う。合格すると2年間は教養学部で学び、3年から各部・各科に進学する。東大の募集要項から引用すると、6分類からの進学先は下記の様になる。(見難くなるので、学科は適当に省略した)

文科一類→ 法 学 部

教養学部

文科二類→ 経済学部

教養学部

文科三類→ 文 学 部

教育学部

教養学部

理科一類→ 工 学 部〔建築系,機械系,航空宇宙,電子系,物理工学系,化学系〕

理 学 部〔数学科,情報科学科,物理学科,天文系,化学科,生物系〕

薬 学 部

農 学 部

医 学 部〔健康総合科学科〕

教養学部

理科二類→ 農 学 部〔応用生命科学,環境資源,獣医学課程[6年制]〕

薬 学 部

理 学 部〔地球惑星環境,化学科,生物系,生物情報〕

工 学 部〔化学系,機械系,建築系,計数工学科,工学系〕

医 学 部〔健康総合,医学科[6年制]〕

教養学部

理科三類→ 医 学 部〔医学科[6年制]〕

 

3年次の進学は、本人に希望と成績によって決めると募集要項に書いてあるので、進学希望者の多い学科は(多分)成績順になり、それほど自由に決められるわけでは無さそうです。それに、「類」によっては行ける学科が限定される。例えば、理学部、工学部、農学部は理科一類からも理科二類からも進学できるけど、進学できる学科が限定されているので、注意が必要。

 

下表は、文科一類~文科三類、理科一類~理科三類から、具体的にどの学部・学科に何人行けるかの予定数です。表中の「指定科類」枠は、上に書いた進学先枠で、それとは別に「全科類」枠がある。ただし、この「全科類」枠は全ての「類」から進学できるが、全ての学科に「全科類」枠があるわけでは無いと書いてある。

医学科へは理科三類から105名と主流です。理科二類からも医学部に進学できますが、予定数は医学科と健康総合科学科合わせて8名と少数です。

 

やりたいことが決まってないからこそ東大を選んだ

 

なぜ、このようなこと書くかと言えば、次のような記事があったから。2024年4月20日の東洋経済オンラインに「入学式取材で見えた東大新入生のリアルな変化」と言う記事が出ている。その中に

 

入学式に参加した新入生らに「なぜ東大を目指したのか」と尋ねたところ、「やりたいことがまだ決まっていないからこそ、東大を選んだ」と答える学生が多かった。東大の「進学選択」は大きな魅力になっているようだ。

 

という一節があった。東大の「進学選択」とは、上に書いた3年次の進学のことです。

 

確かに、他大学は入試時に学部を選択して願書を出す必要はあるけど、東大はもう少し大きなくくりで選択できるというメリットはある。受験生は小中学生の頃から受験勉強に集中していて、情報も少ないので将来の職業について明確には決めていない受験生が多いと思う。受験生にとって、18歳で職業を選択するのはリスクが大きい。ところが東大では大学1・2年で将来の進路を決める余裕が出来る。

 

と言っても、「進学選択」で行ける学部・学科は限定されるので、進路の大きな修正が希望通りに出来るわけではなさそうです。それに繰り返しますが、「進学選択」は成績次第ですね。成績が悪ければ、(多分)希望はかなえられない。

 

2024年5月21日

 

 


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