ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

「裸の王様」の金正恩

2015年03月31日 | 国際・政治(朝鮮・韓国)

週刊エコノミスト2015年3月31日号に「金正恩氏の「こっけいな姿」発信の背後に反体制派の思惑」という2ページの記事が載っています。著者は西村金一氏。

その記事の中に、金正恩第一書記が浮上した潜水艦の艦橋から身を乗り出している写真(残念ながらこの記事の写真は鮮明ではありません。下記のハフィントン・ポストの方が鮮明です)などが載っています。この写真は2014年6月に配信され、当時も古びた潜水艦が話題になっていたようです。

 

潜水艦の写真は下記。複数の写真が載っています。

http://www.huffingtonpost.jp/2014/06/16/kimjongun-submarine-guidance_n_5501736.html

 

この記事では、これら一連の写真について下記のような指摘(一部はネットの情報)をしています。

・この潜水艦は旧ソ連の「ロメオ級」で、ソ連ではとっくにスクラップされている

(この潜水艦は、旧ソ連の「ロメオ級」をモデルに中国が作った「033型」で、1800㌧、1980年代に北朝鮮に無償供与したとか、中国ではまだ「033型」を使用しているとの記事もある。また中国からの供与の後、北朝鮮が製造したとの指摘もある)

・潜水艦の船体の色が海の色より明るい緑色に塗装されている。隠密行動する潜水艦はこんな目立つ色に塗装しない。

・潜水艦の喫水付近の塗装が、艦首から艦尾まで剥げて茶色い錆が見える。現役艦ではありえない。

・金正恩第一書記の立っている艦橋に手すりが付いているが、普通は付いていない。

・艦橋の正面の窓の一つにガラスが嵌ってないので、潜水すれば艦内に浸水する。

(なぜ窓ガラスが無い? ガラスの嵌っていないその窓は金正恩第一書記の直ぐ近くなのに、彼は気付いていないような? 彼はガラスの無い窓を不審に思わないのか?)

 

これらの理由から、この緑色の潜水艦は現役とは思えません。こんなボロッちいスクラップ寸前の現役とは思えない潜水艦に金正恩第一書記が搭乗し、しかもその得意がっている写真を公開するとは北朝鮮の意図がわからん。

 

金正恩第一書記が潜水艦を視察し、その写真を公表したいと言うので、軍が仕方なくスクラップ寸前の潜水艦を使って一芝居打ったのかな? 最新鋭艦は公表したくないし、視察を拒否すれば銃殺されるし。それで本人だけが気付かない「裸の王様」にしてしまったのかな? 変な髪形の金正恩第一書記が浮上して走行している潜水艦の艦橋から視察している姿は滑稽で北朝鮮の現体制の危うさが表れています。こう言っちゃなんだけど、彼がかわいそうに思えてくる。 

 

金正恩第一書記の番頭格の人がこの写真の公表を止めなかったのではなく、そういう番頭格の人がいないのでは? 

 

金正恩第一書記の取り巻きは、既得権益に守るためには現状が続くことを望んでおり、直ぐに現体制が覆ることは無いでしょうが、さりとて彼の子供の世代まで続くとも思えない。金正恩第一書記はヨーロッパ留学で何を学んできたのだろうか? それほど遠くない日に、彼の首が道端に転がる日が来るかも知れない。

 

金王朝の三代目が失脚したら、中国が干渉して来るでしょう。そうすると、長男か次男を担いで、金王朝は四代目になるのでしょうか?

2015.03.31

 

5月9日にモスクワで開かれるロシアの対独戦勝70周年記念式典に金正恩第一書記が参加すると、ロシアが発表しています。北朝鮮の発表は未だありませんが、金正恩第一書記の日程を明らかにして良いんでしょうか? 暗殺しやすくなるし、不在時のクーデターの可能性もあるのでは? 

2015.04.11


東京の鉄道は遅れている

2015年03月29日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

もう20年くらい前でしょうか、北陸線が分岐する滋賀県の米原駅で新幹線に乗り換えようと移動していた時、東海道線下りプラットフォームには「播州赤穂」とか「網干」とか、一瞬どこへ行くのかと戸惑うような行先表示を付けた電車が停まっていました。これらの電車は京都・大阪・神戸を通って岡山県境近くまで、約3時間(最近の運賃では約4000円)かけて走ります。

 

今の京都駅で東海道線の上り線電車を見ていると、「近江今津」「永原」「敦賀」や「長浜」とか地元の人でないとわからないような行先表示の電車が来ます。これらは、神戸・大阪を通ってきた電車です。「近江今津」は琵琶湖西岸を走る湖西線の滋賀県北西部の駅、「永原」は湖西線の最北端でもうすぐ福井県の駅、「長浜」は米原から三つ先の北陸線の駅、「敦賀」は北陸線の福井県の駅ですぐ日本海です。

 

最近、上野東京ラインが開通したので、湘南にも東京駅を通って東北・高崎線へ直通する電車が走っています。湘南から電車に乗ろうとして、「籠原」「小金井」などの行先表示を見て、「籠原、小金井ってどこだ」と言っていると記事に出ていました。湘南には既に湘南新宿ラインが走っているので、「籠原」「小金井」も知っているはずなんだけど。頻度が増えたのかな?

(「籠原」は高崎線の埼玉県熊谷市の駅、「小金井」は宇都宮線(東北線)の栃木県の駅で中央線の「武蔵小金井」とよく混同されます。いずれも近くに車庫があります)

 

でもまあ、そんなに騒ぐほどの話でも無いような、東京が遅れていただけの話でしょ。

大昔から上野から秋葉原に向かって線路が延びていて電車が留まっていた(上尾暴動の後にも予備の電車が留まっていた)し、新幹線が上野から東京駅まで開通した時、神田付近の新幹線高架の柱の先端が、素人が見ても継ぎ足せるような構造になっていたのは有名な話で、山手線や京浜東北線の車内からも見えました。上野―東京ラインが開通するのに今まで時間がかかったのは通過駅になる神田駅周辺の商店主たちが反対していたからでしょ。

2015.03.29


習近平は毛沢東か?

2015年03月27日 | 国際・政治(中国)

習近平が権力を握った2012年からしばらく、歴代の共産党総書記と比べると権力基盤が弱いという観測が複数のメディアに載っていました。

例えば http://www.chuokoron.jp/2013/08/post_198.html

また、人民解放軍における基盤が弱いので、クーデターの可能性に言及した記事もありました。

 

習近平はその頃から「腐敗と徹底的に戦う」とか「ハエもトラも一緒に叩く」と言っていましたが、未だトラ(大物)は叩けていない段階でした。

それから約2年、習近平は自分の息のかかったトラを除いて、「ハエもトラも一緒に叩く」ことで、自分の権力基盤を強化しました。

週刊ダイヤモンド(ウェッブ版)の3月17日付の「加藤嘉一 習近平の支配から逃れられる者などいない」という記事が載っています。

http://diamond.jp/articles/-/68498

見出しの通り、習近平が腐敗取締を口実に権力基盤を強化したことが書かれています。

 

一方で、3月16日の日経新聞は、習近平が強権を手に入れると同時に、習近平の身辺警護が厳重になっていると言う記事を載せています。摘発されたトラの周辺にいる者は不満を募らせているでしょうが、腐敗摘発が続いている限り正面きって文句は言えないでしょう。

 

問題は、この先習近平は「ハエもトラも一緒に叩く」のを続けるのでしょうか? 江沢民元総書記の勢力を一掃しても、胡錦濤前総書記の勢力は残っているので、これも叩く?

それとも江沢民元総書記の勢力を一掃して、自分の息のかかった幹部を主要ポストにつけたら、もう安心と「ハエもトラも一緒に叩く」のを中止するのでしょうか?

 

習近平は、「ハエもトラも一緒に叩く」ことで権力基盤を強化できたし、「人民」の人気も出た。そこで「ハエもトラも一緒に叩く」のを中止すると、「人民」の期待は低下するし、権力基盤も弱くなるので、続けるしか手が無いとも思える。 

 

それでも腐敗摘発を続けるのは難しいでしょう。腐敗の温床は共産党が全て決めると言う統治形態の問題ですから「ハエもトラも一緒に叩く」のを続けると、共産党の統治形態の問題まで行き着くかもしれないし、官僚や党幹部の恨みをさらに買ってどこで暴発するとも限りません。

 

いずれの場合にしても、汚職や所得格差に対する人民の不満を外国に向かうように仕向けるかもしれません。今年は第二次世界大戦終了70周年なので、特に都合が良い。

 

中国のように、世界に大きな影響を与える国でありながら、その権力構造が不透明で、しかも最高権力者の政策が不明瞭なのは困りものです。

2015.03.27


新幹線の功罪

2015年03月26日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

北陸新幹線

2015年3月14日に北陸新幹線が開業しました。開業当日はいろいろな行事があり、賑やかそうでした。しかし、開業当日にバカ騒ぎする鉄道ファンとマスコミを除くと実需はいかほどでしょうか。

 

北陸新幹線の開業が、今までで「最も手応えがある」とのJR東の幹部の発言を伝えた新聞もありました。国土交通省が3月18日発表した金沢駅西口の公示地価(1月1日時点)は、前年比の上昇率が17.1%と全国で1位となったので実需もあるようです。

 

しかし3月20日の日経産業新聞は、3月14~16日の3日間の上越妙高―糸魚川駅間の全座席数に対する利用率は約48%と伝えています。開業当初の混雑を避けて利用は控えた、臨時列車が多かったなど理由はいろいろありそうなので、今後利用率がどうなるかです。

 

ちなみに北陸新幹線が出来る前後で、輸送能力がどれくらい増えたか概算して見ると、本数が1.85倍、1編成の車両数が1.6倍、1車両の定員が1.5倍なので、合計4.5倍と、大幅に増えているのは事実です。

 

そうすると、北陸新幹線の利用率が50%でも、従来よりも乗客が2.25倍に増えた計算になります。乗客は増えているが、想定したほどではないということでしょうか。しかし、この状態が続けば、やはり需要が少なかったと言うことで、北陸新幹線の経営にも影響が出そうです。

 

あるメディアは、新幹線開業前と比べるとキャパが大幅に増えているから当然と書いていますが、それはおかしい。スピードが速くなっているので、飛行機から移ってくる人や新たな需要を開拓するのでなければ、北陸新幹線のこんな大きなキャパは必要ない。

 

新幹線の罪の部分ですが、北陸新幹線は東京とだけ直結することになります。空港は羽田と結ぶだけでなく、他地域の空港と結ぶ手もありますが、新幹線は東京しかない。

 

それに新幹線が出来ると並行する在来線は、JRから三セクに移管することになるので、東京との行き来は便利になるけど、その地域の相互往来は不便になる可能性がある。

結局、東京一極集中を加速する効果は確かだけれど、その地域の発展が保障されるものでは無い。

 

新幹線の駅ができて発展した?

東海道はまだしも、山陽・九州・長野・上越・東北新幹線と多くの新幹線が出来ましたが、これらの新幹線が出来て大いに発展したと言う地域があるのでしょうか? そういうニュースは聞かないような?

 

私が往復する東海道新幹線の例では、新横浜は発展したけど、岐阜羽島は変わったように思えない。岐阜羽島は「こだま」と「ひかり」しか止まらないし、唯一乗入れている名鉄羽島線との連絡の悪いこと。米原も乗換客は多いけど、駅前は賑やかになったのかなあ。東京一極集中(新横浜も含めて)が加速しただけではないでしょうか?

 

2015.03.26


浮体式洋上風力発電を応援18~日立製作所は5000kW風車を商用運転へ~

2015年03月25日 | 洋上風力発電

3月25日の複数の新聞に、日立製作所が茨城県神栖市沿岸の陸上に5000kW級風車を建設し、商用運転するという記事が載っています。今回建設した場所は陸上ですが、今後洋上にも設置したいと、日立の関係者は話しています。

 

ところで、福島沖の洋上風力発電計画では、現在は第1期の2000kW風車1基が運転中です。第2期実証研究事業(2013年度~2015年度)では、「7000kW風車を乗せた浮体を2基」を設置する予定です。

 

この7000kW風車のうちの1基は三菱重工製で、2015年2月上旬取り付けの予定でしたが、延期しているようです。小名浜港に設置する風車組立用巨大クレーンの組み立ては完了したと福島沖のホームページに出ています。またこのホームページには、英国の陸上部で三菱重工(実際は三菱重工が買収した英国のベンチャー)製7000kW級油圧ドライブ風車の実証機の設置が完了したと出ています。

 

(コメント)

・三菱重工製7000kW級油圧ドライブ風車を福島沖に設置するのは何時になるのでしょうか。2月上旬に取付ける予定が延期になっているのは確かです。

・福島沖の7000kW級風車のもう1基は日立製作所製しか可能性は無かったのですが、5000kW級風車が稼働したばかりで、7000kW級風車は間に合うのでしょうか?

・それとも、福島沖の7000kW級風車は2台とも三菱重工製油圧ドライブ風車にするのでしょうか?

2015.03.25

 

「浮体式洋上風力発電を応援17~福島沖の7000kW風車は延期?~」に引用している2月6日の日本経済新聞に、「(三菱重工は)7000kW風車を福島沖用に2基を製作予定。1基目の設置は2015年内の見通し」とあるのを忘れていました。

 

日本経済新聞の記事が本当なら、福島沖第二期の7000KW風車は2台とも三菱重工製油圧ドライブ風車です。日立製作所製の風車は出番が無いようです。

2015.05.28