ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

日本人は何時から忍耐強くなったのか 東京大空襲と米軍人の犯罪

2024年03月10日 | 国際・政治(欧米)

今日は東京大空襲の日

 

2013年01月03日のブログ「『おしん』と『寅さん』と東京大空襲」や

2018年03月10日のブログ「東北大震災とその前日の東京大空襲

に書きましたが、79年前の今日、昭和20年3月10日の未明に米軍が大量の焼夷弾を東京の下町に落とし、民間人を無差別に焼き殺した日です。犠牲者は関東大震災並みの10万人と言われています。アメリカは自国のためなら、こういうことをするということを忘れないように! この焼夷弾攻撃で、私の母親一家の家も燃えてしまいましたが、一家は上野の山(上野公園など)に逃げて無事でした。

 

日本の某新聞は、韓国の徴用工裁判での日本による補償に熱心ですが、先の戦争によるこういう日本の民間人の補償に無関心なのはなぜ? 日本の新聞なのに! また、ロシア・ウクライナ戦争やガザの紛争では、アメリカを非難しているが、先の戦争における日本の民間人の無差別殺傷に無関心なのはなぜ?

 

アメリカは昔から自国(の儲け)第一主義

 

トランプがアメリカ大統領に当選した時、TVで女性の出演者が「アメリカは、世界を平和にするという理想に向かっているんじゃないですか?」と呑気なことを言っていました。日本人の一部にはアメリカをこのように理想化している人がいるのにびっくりしました。

 

これも前に書いたことがありますが、雷の観測と100ドル札の肖像で有名なベンジャミン・フランクリンが書いた「フランクリン自伝」が教科書に載っていた。これが面白かったので、図書館で全文を読もうとしたら、ほぼ全てが金儲けの話だったので、飽きて読むのを止めてしまったことがある。

 

アメリカ人と中国人は、こういうところが似ているので、この両大国は大義のために戦争をしません。お互い金儲け優先なので、大義で戦争するというアホなことはしません。ただし、経済的に双方の利害が対立するとどうなるか分かりませんが、そんなことにはならないでしょう。

 

トランプ大統領に期待する

 

トランプが大統領に当選すると、ドイツ、韓国、日本など米軍が駐留している国が十分な金を払わないと米軍を撤退させるのでは?と言われています。

 

私はそろそろ米軍に撤収して欲しいと思っている。あの戦争から79年経ったので、そろそろ米軍による日本の占領をお終いにしてほしい。トランプは大統領になると、米軍を撤退させると言っているので好機です。

 

未だ戦勝国という意識 米軍人の犯罪

 

このニュースは、2・3年前にNHKの定時(7時以外のあまり聴取者のいない時間)のラジオニュースでサラッと言っていた。その当時、(私の見る限り)他の新聞やTVでこの記事を見たことは無い。

 

米海軍将校が運転する車がコンビニに突っ込む事故を起こしたが、アメリカの政治家(バイデン大統領も入っていたような)が米海軍将校の家族に早期釈放を約束しているという内容。その後、このニュースに関連した新たなニュースが出ないので、どうなったかと思っていたら、最近出た。私の見た限り、産経新聞だけが書いていたし、TVのどこだったか、一局がやっていた。(私の見た限り)

 

(注)2024/3/11

改めてネットを検索すると、産経新聞の記事は出て来ないので、削除します。またTVではTBSが報道していました。

 

2024年1月13日のCNNから引用する。表題は「日本で交通事故起こし服役の米海軍将校を釈放、本国に移送後」という記事。NHKのニュースを加味して内容を要約すると、

 

日本で3人を死傷させる交通事故を起こして禁錮刑が下され、服役中に米国へ移送されていた米海軍将校の釈放が認められ、刑務所を出たというもの。この将校は、2021年5月に任地の日本で、家族と一緒に訪れた富士山から戻る途中にコンビニに突っ込む事故を起こし、2人を死亡させ1人を負傷させる事故を起こしていた。裁判では、過失運転致傷の罪で禁錮3年の判決を言い渡されており、刑事裁判とは別に遺族には100万ドル(約1億5000万円)を払っていた。同受刑者の米国への身柄の引き渡しにはハリス副大統領とサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の直接の尽力があったと過去にCNNは報じていた。

 

ネットには、「この米軍将校の日本での処遇は、日本人がこのような事故を起こした時と変わらない」などとこの米軍将校を擁護というか、日本人の怒りを増幅することにならないような意図が読み取れる書き込みが見られた。このような文を書いたのが日本人なら悲しくなる。

 

そろそろ占領軍に撤退してもらう良い機会

 

トランプが大統領になったら、米軍はさっさと日本から引き揚げて欲しい。そうして、このような理不尽なことが起きないようにして欲しい。なにしろ東京大空襲から79年ですから。来年は80年。このまま21年経つと1世紀も米軍の占領が続いていることになる。最悪!

 

2024年3月10日

 


ロシアの宿痾

2023年03月07日 | 国際・政治(欧米)

皇帝になり損ねたスパイ、元帥になり損ねた料理人

 

プーチンといい、民間軍事会社ワグネルの創立者プリゴジンといい、ロシアは素人ばかりですね。

 

プーチンは良く知られているように、ソビエト連邦のKGBのスパイとして東ドイツに滞在していた。プリゴジン氏は、プーチンの料理人として知られている。

 

ロシアでは戦争でいくら死んでも勝てばよい

 

ロシアでは、人的損失は大した問題ではないと考えている。以前にも書いたが、第二次世界大戦の時やノモンハン事件の時も、ソビエト連邦軍やソ連・モンゴル軍の方の損失が大きかった。

 

2022年04月09日のブログ「ロシア軍の死傷者が多いのは伝統」と

2014年12月22日のブログ「ソ連(≒ロシア)の歴史は冬の日本海の空のように暗い

を参照。これらのブログから引用すると、

               日本   ソビエト連邦

第二次世界大戦の死傷者   300万人   2000万人

                    日本  ソ連軍・モンゴル軍合計

ノモンハン事件の死傷者・行方不明者  17364人    26,645人

 

と日本の方が少ない。ソ連は人の犠牲は気にならないようです。ノモンハン事件では、ソ連軍が占領地域を広げ、日本軍は付近から撤退している。ソ連は人がいくら死のうと、陣地を広げるか、相手を撤退されれば良い。

 

また、このブログにも書いたが

・前線に送られる兵隊はロシアに征服された地域に住んでいる人(辺縁部の少数民族)が多い

・ソ連軍には、前線の兵隊の後ろにいて、前線から逃げて来る兵を狙撃する共産党の督戦隊がいた

 

と書いている。今回のウクライナとロシアの戦争でも同じようなことが報道されている。ロシアの本質は変わっていない。

 

これに加えて

・占領地から相手の住民や兵隊を連行して労働させる

 

ウクライナ戦争においても、占領地の住民を(強制?)連行していると伝えられている。これは第二次戦争後に起きたロシアによる日本軍捕虜のシベリア抑留を思い出させる。ロシアは、何時も似たようなことをしている。

 

人間の顔をしたタヌキ

 

2022年05月26日のブログ「ニュースの重箱の隅をつつく その14 外務省の外面と日本の富裕層と成城石井」に書いたけど、ロシアのラブロフ外相はかって「ロシア軍は民間人を攻撃していない」などと発言をしている。

 

この人間の顔をしたタヌキ外相は、最近のG20会議のある会合でも、「ご存じのように我々は戦争を止めようとしている。この戦争はウクライナ国民を利用して我々に仕向けられた」などとヌケヌケと話したらしい。

 

こいつ、タヌキのくせして、ロシアで外相を19年もやっている。こういう神経をしている生物は絶対人間ではない。日本の外務省も、タヌキを飼育して外交官にすれば、もう少しましな外交が出来るかもしれない。

 

2023年3月7日

 


日本のロシア専門家はなぜ間違えたか?

2022年10月17日 | 国際・政治(欧米)

日本のロシア擁護派はウクライナ侵攻を強く否定していた

 

今年2月に起きたロシアによるウクライナ侵攻の直前でも、ロシアに関係する日本の人たちの多くが、「ロシアの侵攻はあり得ない」と強く否定していた。この辺りは、下記の私のブログにも書いていた。

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・2022年2月20日の私のブログ「ニュースの重箱の隅をつつく その7 ロシアはロシアと自動車運搬船の炎上

・2022年02月23日の私のブログ「ニュースの重箱の隅をつつく その8 本庶氏の事故と賽銭泥棒のロシアと小学生のトランプ

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これらのブログでは、著者が同じ下記2件の記事を取り上げ、批判していた。

・JB pressの1月26日の記事「ロシアのウクライナ侵攻はあり得ない」

・JB press の2月9日の記事「ウクライナ侵攻で得するのは、ロシアではなく米国だ 日本の大手メディアはなぜ誤報を垂れ流し続けるのか」

この2件の著者は同じで、ロシアと関わりのある人です。

 

これら2件の記事では、日本メディアの報道の仕方などを一つ一つ批判しているが、私はこの記事の著者が「木を見て森を見ていない」と思った。ロシアがウクライナ国境に多数の軍隊を集結させていることやロシアの過去の所業を無視していた。

 

ロシア軍のキエフ侵攻はありえない

 

これら日本のロシア擁護派の人たちは、例えば上の二つの記事のように、「ロシア軍のウクライナ東部への侵攻はありうる」けど、「ロシア軍のキエフ侵攻はありえない」と書いていた。ロシア軍がいきなりキーウ(キエフ)やハリキウ(ハリコフ)に侵攻するのはあり得ないと強く否定していたが、ロシア軍はあり得ないことをやってしまった。

 

ただし、「ウクライナ侵攻で得するのは、ロシアではなく米国だ」という主張は正しかった。しかし、ウクライナ侵攻はアメリカが仕掛けたものでは無い。

 

日本のロシア擁護派は直前までウクライナ侵攻が無いと誤解していた

 

ロシアがウクライナを併合した場合のメリット・デメリットを合理的に考えると、デメリットの方が多いと考えるのが普通。それとも、よく言われるように、クリミアを併合した時のように無血であっさりと占領できると考えていたのかもしれない。ロシアに関わりが深くてウクライナへの侵攻を見誤った人たちは、プーチンは合理主義者なのでウクライナ侵攻というアホなことはしないだろうと考えていたと思われる。ところがプーチンはそうでは無かった。

 

ウクライナもロシアの侵攻は無いと誤解していた

 

報道によると、ロシアの侵攻前、米国はウクライナにロシアが侵攻してくると伝えていたが、ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアのウクライナ侵攻を信じていなかったらしい。

 

ウクライナ大統領が信じない情報を日本人のロシア通が信じなくても仕方が無いと言えば仕方ないかなあ?

 

アメリカは侵攻があると伝えていた

 

アメリカは、偵察衛星でロシア軍の動きをとらえ、クレムリン内部からの情報でロシアによるウクライナ侵攻を掴んでいたと見るべきです。開戦前の会議でFSB長官は侵攻に乗り気では無かったので、プーチンから責められていた。クレムリンの中にも反対論があったはずで、アメリカの情報源はプーチン大統領にかなり近い人たちのはず。

 

公開情報だけでは見誤る

 

公開情報でもかなりの情報が入手できるが、決定的な情報は人の繋がりで得ることが出来る。しかし、人の繋がりにも注意が必要で、よほど中心に近い人でないと、ウソ情報を掴まされることになる。

 

見誤ったのは佐藤優氏も

 

2022年06月08日のブログ「ニュースの重箱の隅をつつく その16 韓国メディアと岸田君とアメリカは非人道国家」には

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週刊東洋経済の5月30日号で、佐藤優氏が「マリウポリ陥落によって戦局が変わりつつある」と嬉しそうに記事を書いていた。

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と、佐藤優氏を批判していた。佐藤優氏はロシア側からしか見ないため、間違った情報でこのような記事を書いたのだと思う。マリウポリは陥落したけど、ウクライナが劣勢になることも無く、現状ではロシア軍に奪われた土地を回復しつつある。

 

2022年10月17日

 


プーチンよ、あれはどうした

2022年05月29日 | 国際・政治(欧米)

最近のウクライナ情勢

 

ウクライナは、首都キーウ周辺の戦闘でロシア軍を押し返した。しかし、東部は隠れるものが少ない平原であり、東部や南部はロシアやクリミアと地続きなのでロシア軍への補給もうまくいっているのか、ウクライナが劣勢のようです。

 

もともとロシアはこの地域を攻める程度の能力しかなかったことをロシア自身が認識したので、ロシア軍の主力をとりあえず東部や南部に集中しているのだと思われる。

 

21日の安全保障会議でSVR長官がシドロモドロ

 

ロシア軍のウクライナ侵攻開始は2月24日。その3日前の21日に行われたロシア安全保障会議の映像が公開されている。これを見ると、丸屋根の広い部屋にプーチン大統領と側近が一堂に会しており、その映像が公開されている。

 

この会議で面白いのは、プーチン大統領が対外情報局(SVR)長官セルゲイ・ナルイシキンを質問でシドロモドロに追い込んだことと、この画像が公開されていること。プーチン大統領が公開の席でSVR長官に恥をかかせたのは、なぜ?

 

私の推測は、ロシア軍の侵攻の前に連邦保安局(FSB)はプーチン大統領にとって心地よい(ということは実態とは異なった)情報を上げたのに対し、対外情報局(SVR)はプーチン大統領にとって面白くない情報(正しい情報)を上げたから、対外情報局(SVR)を懲らしめようとした?

 

プーチン大統領はキーウ周辺のロシア軍の苦戦で、間違ったウクライナ情勢を報告したとして、連邦保安局(FSB)を粛清したと報道(事実かどうかわからないけど)されているので、あながち外れた話ではないと思う。

 

ショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長との会談

 

開戦3日目の2月27日、長い机の端にプーチン大統領、そこから10mほど離れた席にショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長が並んで座っていた。ウクライナ侵攻に手間取っているのをプーチン大統領から追及されていたのか? この画像を見ると、ショイグ国防相はイヤそうな顔をしていたがゲラシモフ総参謀長は淡々としていたように見えた。

 

ショイグ国防相は準備が整わないうちのウクライナとの開戦で、ロシアが苦境になることを知っていたのかもしれない。

 

アゾフ製鉄所のプーチンの指示はどうなった?

 

4月24日に公開された動画(何日に行われた会談かは不明)では、プーチン大統領とショイグ国防相(なぜかスーツ姿)が対面で座って、ショイグ国防相から報告を聞いている。

(「様子のおかしいプーチン」でも書いたように、この動画ではプーチン大統領の右手はずっと机の端を握っていた)

 

ショイグ国防相の報告の後、プーチン大統領は「アゾフスタリ製鉄所攻撃を中止し、代わりに封鎖するよう指示した」と報道されている。

 

しかし、その後の報道を見ると、製鉄所への攻撃は続いていた。ということは、プーチン大統領の指示を軍は無視したのか、それともウクライナを騙す発言だったのか、どうも合点がいかない。

 

2022年5月29日

 


ロシア要人はロシア民族とは限らない

2022年04月27日 | 国際・政治(欧米)

ロシア革命の頃の人

 

旧ソ連(実質、ロシアとほぼ同じ)は現在よりもいろいろな国や地域を抱えていたので、いろいろな民族がいた。

 

これは有名な話ですが、ロシア革命を主導したレーニンはトルコ系だし、第二次大戦の頃のロシアの冷酷な独裁者スターリンはジョージア出身と必ずしもロシア民族ではない。

 

CIGSの「語られないロシアの歴史とアメリカとの深い関係」から引用すると、

 

レーニン(本名はウリヤノフ)

父はカスピ海沿岸のアストラハン出身の物理学者で、モンゴル系のカルムイク人とトルコ系のチュバシ人の混血。母はドイツ人、スウェーデン人、ユダヤ人の混血。

 

カルムイク人は現在でもカスピ海の西北岸に自治共和国を作っていて、人口は約30万人。かつては現在のモンゴル西部に住んでいたのですが、チンギス・ハーンに追われて西に移動してきた。現在でもチベット仏教を信仰している。

 

スターリン(本名はジュガシビリ)

ジョージア人

べリヤ(悪名高い秘密警察の長官、後に粛清された)

ジョージアの中の少数民族であるミングレル人

トロツキー(スターリンと対立、メキシコに逃れるが暗殺される)

ウクライナ生まれのユダヤ人

 

映画 「戦艦ポチョムキン」

 

そういえば、昔読んだ本の中に、映画「戦艦ポチョムキン」は名画だという紹介があった。これは白黒でサイレント映画。舞台はウクライナの港町オデッサ。ロシア革命中の1905年(日露戦争の日本海海戦の直後)、ロシア帝国の黒海艦隊新鋭の戦艦ポチョムキンで起きた水兵による反乱事件を描いている。ただし史実と異なる場面が多いらしい。

 

現代のロシアの人も?

 

ラブロフ(現外務大臣)

ジョージア生まれで、父がアルメニア人、母がロシア人

ナビユーリナ(中央銀行総裁、ナビウリナとも書かれる)

タタール人

ショイグ(国防大臣)

モンゴル共和国に接する中央アジアのツバ共和国出身で父がツバ人、母がロシア人

 

新司令官は?

 

なぜこのような話を書くかというと、プーチンが旧ソビエト連邦(略称ソ連)の再興のようなことを言っているから。上に書いたように、ロシア革命の頃、革命の重要な部分を担った人たちは、必ずしもロシア民族ではなかったし、それは現代でもそう。

 

理由がもう一つ。ウクライナとの戦争の司令官に任命されたドヴォルニコフは、どこかアジア系のような顔つき(目は青いけど)が気になったから。ネットによると、1961年沿海州南部のウスリースクの生まれとなっているが、わかったのはこれだけで彼の出自は見つけられなかった。

 

2022年4月27日