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ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

車二題、ナンバープレート封印不正と74歳の暴走

2025年05月27日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

ナンバープレートの封印不正

 

この件は昨年公表されましたが、一部メディアしか記事が載っていなかったようで、あまり大きく取り上げられていませんでした。この「封印」とは、ナンバープレート(ほとんどの車は後部の方)を止めているボルトをアルミ製の部材で覆っているものです。この不正は、多くのトヨタの販社で行われていました。トヨタの業績は好調ですが、販売店では正規の手続を逸脱したことが行われていたようです。

 

概要を「Car Watch」から引用します。

     +++   +++   +++   +++

国土交通省は2024年8月9日、自動車ディーラーなどで行なわれている封印取付け業務について、使用済み封印の再利用など不適切な取扱いがあったとして、4者に封印取付け業務の委託解除(解除後2年間は委託不可)、24者に委託停止をする対応を行なうと発表した。(以下略)

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これは、修理や整備でナンバープレートを取り外した際、再び取り付ける時の封印が規定通り行われていなかったという不正です。不正をした会社名が載っていますが、長くなるので会社名は省略します。

「委託解除」(解除後2年間は委託不可)の4社は

トヨタ系販売会社:4社

「委託停止」(6カ月間)の24社は

トヨタ系販売会社:20社

ダイハツ系販売会社:3社

日産系販売会社:1社

 

不正が起きた販売会社は、圧倒的にトヨタ系が多い。ダイハツもトヨタ系とすると、96%がトヨタ系になる。原因は、能力を超えて修理や整備を受注していたのか、コストダウンや手間が掛かるという理由で、以前から手を抜いていたのか? トヨタ系販売会社の不正は、これ以外にも続いていて、これが昨年最後に公表された不祥事でした。メディアがあまり取り上げていなかったので、取り上げてみました。

 

名古屋の74歳の暴走

 

この事故は名古屋の繁華街で起きました。高齢者が操作を誤って暴走したのに、自分を守るハンドル操作だけは出来た。その代わりに乳児を含む数人の歩行者を轢いたり、ぶつけたりした。こういう事件を聞くと、運転者に歩行者を保護する義務を負わせてほしいと思う。

 

事件の概要は次の通り。先ず、地下駐車場から出ようとした高齢者が運転する車が暴走して、前の道路を横断し、向いのビルに衝突しそうになったら、直前にハンドルを左に切り、ぎりぎりでビルに激突するのを回避している。そして、その先の歩道にいた歩行者7人(乳児を含む)と衝突して歩道脇の杭に乗り上げて止まった。運転していた74歳の女性は「アクセルをいつも以上に強く踏んでしまった」との趣旨の供述をしている。

車が暴走したルート

アクセルを強く踏んだのなら、足を離せばいいじゃないか。ハンドルを切らずにそのままビルに激突していたら、自動車が大破して、自分も大けがしていたかもしれないが、数人の歩行者を轢くことは無かった。運転者が自分を守るために、歩行者に危害を加えるのは、歩行者からすると理不尽だよね。

 

この高齢者は、ブレーキとアクセルの操作は出来なくても、ハンドル操作はちゃんと出来るんだ。そして、自分を守る動作もとっさに出来るんだ。自分を守るために、他人を轢いても、自分を守るんだ。

 

こういう事故は、より重くしてほしい。そうでないと、これからも自分を傷つけずに、歩道の歩行者を轢くことを選択する高齢ドライバーが増えることになる。ハッキリ言って、運転者自身が傷ついて欲しい。自衛隊のジェット機が墜落する時でも、パイロットは人がいないところに墜落するよう最後まで操縦するだろう。

 

2025年5月27日

 


蒲蒲線のムダ 続きその1 「駅の整備」とは? 多摩川駅と下丸子駅はどうなる

2025年05月14日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

「多摩川駅と下丸子駅の整備」とは?

 

2025年5月8日の「蒲蒲線のムダ」に書いたように、4月4日付の国土交通省関東整備局の書類には「多摩川駅と下丸子駅の整備」と書かれています。先ず、「多摩川駅の整備」から。ネットに書かれている様に、「多摩川駅の整備」が多摩川駅に8・10両編成の電車が止まれるようにするという意味なら、かなりの改造が必要です。

 

東急多摩川線・多摩川駅の現状

 

下の写真は、中央が多摩川駅です。左下から多摩川を渡ってきた高架の東横線と目黒線、右下に地上を走る多摩川線が見えます。線路を上の方にいくと田園調布駅です。田園調布駅方面は高台になっています。

多摩川駅

 

次の写真は、南側の踏切から多摩川駅を見たところ。

多摩川駅を南側の踏切から見る

 

多摩川線は地上から多摩川駅地下ホームに入って行く。地上2階ホームには、左から東横線と目黒線が急カーブで入ってくる。これを見ると、多摩川線多摩川駅ホームを手前側に延伸する余地は無い。

 

東急多摩川線の多摩川駅は地下駅で、一つのプラットホーム(長さは電車4両分程度)の両脇に線路がある。この線路は隣駅の田園調布駅との間で、地上を走る東急目黒線と合流するが、目黒線と直通していない。現在は3両連結の電車(18m車です)がラッシュ時は10本/時、その他の多くの時間帯は9本/時で、蒲田駅との間を折り返している。

多摩川駅と田園調布駅の間で、上に行くと田園調布駅

両脇の線路は東横線、真ん中の2線が目黒線。地下から地上に出て来る多摩川線の延長線が見える。

 

上に書いたように、東急多摩川線・多摩川駅のプラットホームは4両分程度しかないので、乗り入れが想定されている東横線の8両又は10両の電車は、今のままでは多摩川駅には止まれない。

 

多摩川駅の構成変更

 

蒲蒲線のムダ」に書いたように、国土交通省関東整備局の4月4日付の「都市鉄道等利便増進法に基づく整備構想・営業構想の認定について」によると、「多摩川駅の整備」が挙げられている。詳しい内容は書かれていないが、ネットによるとホームを延伸して、東横線の10両または8両編成が停車できるようにするという記事が載っている。

 

下の2枚の写真は、多摩川線・多摩川駅のホームから田園調布方面を見たところ。ホームは地下なので、合流する地上の目黒線へはかなりの勾配がついている。8・10両編成に対応する多摩川駅ホームの延伸工事は、トンネル方向に延ばすことになり、かなりの大工事になる。

多摩川線の多摩川駅のプラットホーム端から田園調布駅方面を見る。地上の目黒線と合流するために、線路はかなりの傾斜がついている。

 

多摩川線の3両の電車と、東横線からの8・10両の電車が走るダイヤは大変そう

 

蒲蒲線が出来た後も、多摩川線の3両の電車は多摩川駅と京急蒲田駅近くに出来る地下新駅で折り返すと想定される(私の推測です)。それに、前掲の国土交通省関東整備局の資料によると、ラッシュアワー時は20本/時の電車が予定されている。これは現在の2倍になる。多摩川駅で折り返す多摩川線の3両の電車と、東横線から乗り入れて来る8・10両の電車を走らせるダイヤになると、多摩川駅に多摩川線用の折り返しホームが必要になる。

 

このように、地下ホームの延伸と同時に、折り返し線増設のための拡張も必要。そうなると、電車を止めずに工事するので、「多摩川駅の整備」は大工事になる。

 

「下丸子駅の整備」とは?

 

下の写真は、下丸子駅を南側の踏切から見たところ。現在のホームは4両まで対応する短いホーム。8・10両の電車を止めるには、ホームを延伸が必要。踏切と反対方向に延伸することは可能ですが、このままではホームの幅は狭くなりそう。安全を考えれば、線路脇の用地の買収が必要です。

下丸子駅

 

開かぬ踏切になりそう

 

上に書いたように、蒲蒲線が出来るとラッシュアワー時は電車が20本/時と書かれている。20本が片方向か両方向か分からない書き方だけど、片方向とすると3分おきに電車が通る。(現在は片方向で10本/時)そうすると、逆方向も3分おきに電車が通るので、踏切の閉まる時間が増えて、周囲の交通環境が悪くなる。

 

2025年5月14日

 


蒲蒲線のムダ

2025年05月08日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

蒲蒲線について

 

蒲蒲線は、本来「東急空港線(「京急空港線」は既にある)」というべきで、東急蒲田駅(JR蒲田駅が隣接)と京急蒲田駅を結ぶことが目的では無く、羽田空港と結ぶのが目的です。

 

京急蒲田駅周辺には、「大田区産業プラザ」以外にこれといった施設は無く、両蒲田駅を結ぶための工事費に約1250億円をかけるメリットは無い。また、JR京浜東北線から京急に乗り換えたい人(多くは羽田空港に向かう人)は、横浜駅か品川駅で乗り換えられるので、JRと京急の駅が離れている蒲田駅でわざわざ乗り換える必要は無い。

 

それで、このブログでは「東急空港線」を「蒲蒲線」にしておきます。なぜなら、東急空港線が京急空港線に乗り入れて、東急空港線の電車が羽田空港に到達する目途(一応二期工事になっています)はついていないので。

 

このブログの主張

 

このブログは、東急蒲田駅・JR蒲田駅と京急蒲田駅付近の0.8キロメートルに1250億円をかけるのは、ムダと言う立場です。蒲蒲線が京急空港線に乗り入れる目途は経っていないし、京急蒲田駅付近にできる蒲蒲線の駅から京急空港線への乗り換えに5~10分はかかりそう。それに、いずれJR羽田空港アクセス線の西山手ルートが完成すると、利便性で負けてしまう。

 

蒲蒲線の営業構想を申請

 

2025年2月6日のブログ「蒲蒲線の現在」に、「東急の『営業構想』を読んでみると、今まで公開されている情報以上のことは書かれていません」と書いたように、東急の簡単なプレスリリースには新しい内容は書かれていませんでした。しかし、国土交通省関東整備局の4月4日付の「都市鉄道等利便増進法に基づく整備構想・営業構想の認定について」には新しい内容が書かれていたので、その内容について書きます。

 

蒲蒲線の営業構想の新しい内容

 

(1)蒲蒲線は複線

 従来の大田区の資料では「単線」となっており、両駅間の狭い道路の地下を通るような設定(私の推測です)になっていたが、今回の発表では複線になっている。両駅間に複線のトンネルを掘れる広い道路は無いので、家屋の地下を通ることになり、用地買収が必要と思われる。

 

「単線」については、2024年9月15日のブログ「蒲蒲線のいろいろ」参照

 

(2)蒲田駅付近における池上線と多摩川線の接続線の整備

 現在、池上線と多摩川線は蒲田駅のすぐ手前で、相互に乗り入れられるように線が繋がっています。池上線は、ここ以外ではどの線とも接続していないので、多摩川線を地下化し地上線を廃止すると、池上線と繋がらなくなるので、多摩川線の地上線は残すようです。これは従来から言われていましたが。

 

(3)車両留置施設の整備

 場所が書かれていないので、詳細不明。後述のように、電車本数が増える?し、乗り入れる電車があるので必要になるはずです。

 

(4)多摩川線多摩川駅と下丸子駅の整備

 整備の詳細は不明。

 

ネットでは、多摩川駅と下丸子駅のホームを延伸して、東横線の10両または8両編成が停車できるようにすると書かれている。しかし、多摩川線多摩川駅は地下駅なので、大幅に改良しないとホームの延伸はきびしい。下丸子駅は、南側に踏切があるが、北側は踏切が無いので延伸は可能だけど、線路脇のスペースが狭い。安全なホームを作るには、用地の買収が必要。

 

(5)鉄道電気施設の整備

 詳細不明。今より多くの電車が走るので、電気施設も必要でしょう。

 

(6)線路の付け替え

 「東横線・目黒線田園調布駅付近において、目黒線から多摩川線に繋がる線路を東横線から多摩川線に繋がる線路に変更する」

 

多摩川線と目黒線(目黒-多摩川駅間)は、元々「目蒲線」という一つの線だったが、メトロ南北線と都営三田線の電車が目黒線に乗り入れる時に、目蒲線を目黒線と多摩川線に分割した。目黒線は、6~8両編成の電車が入線できるように駅や線路を改良したが、多摩川線は旧態依然のまま現在に至っている。

 

現在でも多摩川駅-田園調布駅間で、多摩川線と目黒線の線路は繋がっている。しかし、メトロ副都心線に乗り入れる東武東上線や西武池袋線の電車を東横線・多摩川線を経由して蒲蒲線に入線できるようにするために、多摩川線を東横線に接続するのでしょう。

 

(7)運行頻度

朝最混雑時間帯:20本/時 程度

その他の時間帯:10本/時 程度

 

現在、朝の8時、9時台は、多摩川駅と蒲田駅の間を3両編成の電車が1時間当たり10本(片道)走っている。他の多くの時間帯は9本/時。発表の20本/時というのは、多摩川線の3両編成の電車を倍に増やすのでしょうか。あるいは、東横線からの電車が1時間当たり10本程度入線してくるのでしょうか? しかし、これは多すぎる。この20本/時という記述は往復の本数かな?

 

(8)蒲田地下駅は現在の蒲田駅の地下に作る

 下図のように、新しい蒲田地下駅は現東急蒲田駅付近に描かれている。この蒲田地下駅ホームは10両または8両の電車が停車できる必要がある。

 

(9)京急蒲田駅付近の新駅は大田区産業プラザ地下ではなく、京急線の手前

 2025年2月6日の「蒲蒲線の現在」では、新駅を大田区産業プラザの地下と推測で書きましたが、今回の発表では京急線の手前になっています。この新駅予定地付近は、狭い道路と家屋が密集している地域なので、地下駅でも相当な土地買収が必要でしょう。

この写真を撮った直ぐ上に京急の高架がある。この付近が新駅の先端になる。

 

京急の高架下から、蒲蒲線の地下新駅付近の地上部を見る

 

(10)用地費は約100億円

 

 用地費は約100億円、工事費は約1000億円と書かれています。0.8キロメートルの用地と新駅付近の用地買収を合わせて、100億円で足りるのかな?

 

夏頃により詳しい情報が出る?

 

今年の10月に事業を開始して、2042年完成予定です。17年先なので、生きているかどうか? 夏頃により詳しい情報が出ると書かれているので、どのような具体的な情報が出るのか、楽しみにしています。蒲蒲線は費用対効果が低いという主張に変わりありませんが。

 

まあ、大田区が税金をどう使おうと、私は横浜市民なので直接の関係はありません。しかし、東京都がカネ余りを持て余しているのなら、東京都から税金を取り上げて、日本の他の自治体に金を出すべきだと思います。

 

2025年5月8日

 


自由席の価格を指定席より高くするべき

2025年05月05日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

3号車が自由席から指定席へ

 

今年の3月から、東海道新幹線の「のぞみ」の自由席が3両から2両に減りました。時々自由席を利用するものとしては、利便性が減少するので残念です。指定を取った新幹線を待つより、丁度来た新幹線に乗ることが出来るのは便利です。しかし、現実を見ると仕方ないと思います。

 

自由席の方が空いていた

 

混雑する時期と時間を外すと、自由席は結構空いていたので、新横浜駅から乗っても席に座れた。指定席の方が混んでいたこともあった。

 

2座席を占有する人たち

 

次の写真は自由席が3両だった頃に撮影したもの。1枚目は20代と思われる人。大きい荷物をD席に置いている。どこで降りたか忘れたが多分新大阪駅。

 

次の写真は、上の写真の後ろの座席。どういう人が座っていたか分からないが、荷物が多い。

 

次の写真は、自由席が2両になった後。60歳前後の髪の薄いおっさんがしきりにパソコンを操作していた。仕事なのか、エンタメを見ていたのか? スーツでは無かったが、ビジネスかもしれない。京都駅で降りた。

 

いずれの人も、D席に名古屋駅から乗って来る人はいなかった。こういう人は、東京駅から乗って来るんだろうな。もしかしたら、品川駅かも。

 

指定席より自由席の価格を上げれば

 

こういう人は、自由席の切符の価格を指定席より上げれば良い。2座席を占領して、指定席よりも悠々としているだから。それに、ビジネスの人は、指定席で会社に申請して自由席に乗って差額を懐に入れているのだから。

 

2025年5月5日

 


桃源社は蒲蒲線に配慮したか

2025年03月24日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

蒲蒲線に関する朝日新聞の記事について調べてみました。

 

不動産会社の桃源社がJR蒲田駅横の国鉄用地を落札した後、そこにビルを建てた。しかし、その費用を払えなかったので競売になり、大田区が落札して区役所としたのは、既にブログに書いている。

2021年2月8日の「大田区役所の地下に・・・は、鉄道フェイクニュース

 

週刊東洋経済の記事について

 

2025年2月6日のブログ「蒲蒲線の現在」に引用した週刊東洋経済の記事「蒲田から蒲田へ『たった800m』の新線に集まる期待 渋谷~羽田空港『新空港線』メリットと実現への課題」に、大田区は桃源社に「『将来地下駅を作る余地を残す』と認めさせた」と朝日新聞の記事に書いてあるそうです。

 

「将来地下駅を作る余地を残す」とは?

 

「将来地下駅を作る余地を残す」とはどういうことなんでしょう? より具体的な要望を出したんでしょうか? 例えば、想定ルートにかかるビルの地下部分は作らないとか、基礎の杭の間隔をトンネルが通せるように広げるとか。そして、桃源社はその約束を実行したんでしょうか?

 

そこで、先ず朝日新聞の元の記事を捜してみました。「桃源社 蒲蒲線」で検索すると、2件がヒットしました。蒲蒲線に関する他の記事はヒットしませんでした。

 

2004年2月13日の朝日新聞東京版の記事

「『蒲蒲線』夢へ一歩、大田区(04年度各区予算案)」

<5行省略>

東急・JRの蒲田駅と京急蒲田駅は約800メートル離れている。区の構想では、現在地上2階部分のホームで発着している東急多摩川線を地下化し、そのまま京急蒲田駅付近を通して京急空港線につなげる。線路幅が異なるので「乗り入れ」はできず、大鳥居駅などで乗り換えが必要になる。

 

区交通事業本部の担当者は「蒲田だけの話ではない。池袋と渋谷をつなぐ地下鉄13号線が2012年度には東急東横線に乗り入れる予定だから、それが多摩川線とも相互直通運転になれば、埼玉方面から羽田空港へのアクセスが飛躍的に良くなる」と意義を語る。

 

区は、15年以上前に「東西鉄道網整備調査」をして、同じような路線の検討をした。88年には東急・JR蒲田駅前の桃源社ビル(現区役所)建設にあたり、同社に「将来地下駅を作る余地を残す」と認めさせた

<3行省略>

 

1998年9月15日朝日新聞東京版の記事

「蒲田駅から1分の新庁舎 来月6日に業務開始 大田区役所」

<5行省略>

ビルは地上十一階、地下四階、延べ床面積四万一千平方メートル、桃源社が四千八百二十二平方メートルの国鉄貨物積み下ろし跡地(大田区蒲田五丁目)を六百五十六億円で落札後、さらに二百億円をかけて建設したが、工事代金が支払えずに競売になり、九十六年、入札を前に今度は同区が百七十二億円で買収した。新庁舎としての改修費は約三十億円。<数文字省略>、地下三階分を駐車場にした

<7行省略>

 

「将来地下駅を作る余地を残す」具体例は無し

 

2004年の記事には、「将来地下駅を作る余地を残す」という記述があるだけで、桃源社への具体的な要望は書いて無い。大田区は具体的にどのようなことを依頼したのか、これでは分からない。

 

桃源社は約束を守ったとは思えない

 

1998年の記事では、桃源社の作ったビルは地下四階なので、かなり深い。区役所の敷地全部が地下四階まであるのかな。それとも、東急多摩川線の延長部分が通りそうなルート部分だけはビルの地下部分が無いのかな? 私は大田区役所の地下部分の構造が分からないし、大田区役所や地下駐車場の中に入ったことが無いので、何とも言いようがない。

 

そういう前提で私の意見を言わしてもらうと、桃源社は「将来地下駅を作る余地を残す」という大田区との約束を守ったとは思えない。もっとも私の意見より、大田区の担当部署に聞いた方が結論は速い。週刊東洋経済のライターは大田区の担当部署に聞いて欲しかった。

 

大田区は得をしたけど、建て替えの時期が来る

 

桃源社は、土地を656億円で落札し、200億円でビルを建設したので、合計856億円。大田区は、この土地とビルを172億円で落札し、30億円で改修したので合計202億円。大田区は随分得をしたようです。ただし、当時はバブルの弾けた頃なので、桃源社が購入した価格は相場より高かったはずです。

 

ところで、大田区の資料によると、桃源社がビルを建てたのが1992年なので、今年で33年になる。建て替えには早いが、あと10年も経つとビルの建て替えが課題になりそう。どうするのかな? 今の場所で建て替えするのか、他の場所に新築移転するのか? 今の場所は地下駅用にして、区役所は別の場所に移るという方法もある。

 

(付録)東急発表の疑問

 

東急が2025年1月17日に発表した「新空港線整備に向けて営業構想の認定を申請」に理解し難いことが書いてありました。

それは、蒲蒲線が出来ると

中目黒―京急蒲田36分が23分に短縮

自由が丘―京急蒲田37分が15分に短縮

とある。現行の所要時間で、蒲田駅から遠い中目黒駅の方が自由が丘駅より、所要時間が1分短い。何で?

 

NAVITIMEで見ると

中目黒―京急蒲田(恵比寿、品川経由)で32分

自由が丘―京急蒲田35分(大井町、品川経由)で35分

 

若干東急発表と所要時間が異なりますが、現行の所要時間は品川あるいは大井町経由の京急線ルートのようです。JR蒲田駅前からバスで京急蒲田駅付近まで移動するルートでは無いようです。

 

2025年3月24日