いつ頃からだったろうか、助手席に陣取る山の神カーナビの威力が少しずつ衰えを見せ始めた。
確かな視力で道路標示を正確に捉え、クルマにセットしたカーナビに負けない道案内を、ハンドルを握るオトーサンドライバーに指示を出していた。それがこの頃は「あの字が読みにくくなった」「道路標示の字が最近小さくなった気がする」などと云い始めた。
しまいには「あの字がちゃんと読めるとは、あなたの目はまだまだ元気じゃねー」と。それも、片方の目は特に見えにくく、もう片方はなんとなく見えるようだという。ついに来る時が来たのかな、と少し覚悟する。これまで白内障手術をした人から色んな情報も入っている。そんな人の症状に近い話しをする。そうなると一日も早く視力回復して普通に見える快適な生活を取り戻させたい。
そう願っているうちに診察を受け、両眼を手術した方が良いとの結論で、今日片方の白内障手術を受けて来た。当然ながらオトーサンドライバーがアッシー君で送迎完備である。
白内障の手術については今さら申し上げるまでもなく、先刻ご承知ではあると思いつつ、極簡単なご紹介を。
カメラで例えるとレンズ交換をすることに当るということ。つまりカメラにとってレンズが全てといっても過言ではないほど、最重要なパーツである。人間様の目も、カメラにとってのレンズみたいな重要な存在。濁った水晶体を取り除き、代わりに「眼内レンズ」を眼の中に挿入する。いわゆるレンズ交換を施す手術だということ。
先ずは良くなかった方から。1週間後にもう片方を。問題は術後の生活の制約である。特に女性にとっては入浴・洗顔・洗髪・お化粧などなどかなり厳しい項目が設定されている。
幸いにして老老介護ではあり、頼りのなさは自他共に認めながら、多少の手助けもアッシー君も出来る男手が付いている。安心して術後の養生に努めてくれりゃいい。と思うのはこちらだけで、本人は術後の不自由さを抱えながら、扶養老人の面倒を見なきゃならないのは大変だね~。せめてこの2週間は、あまり手をかけさせないよう気を付けよう。来たるべきその時のための、予行演習の2週間になりそうな予感。これぞまさしく、年を重ねるということなんだよねー。