「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「季節の味」

2018年12月09日 | 晴耕雨読

           

12月に入って夏日がおとずれた。着るものは半そで。日差しの下で食べるのはアイスクリーム。子どもは裸足で水遊び。134年ぶりとかの師走の暑さがニュースになった。
こちらは、そういった特異な話ではない。ごくごく平凡な、季節に似合った定番の味わいをひとくさり。

あの師走の夏日から1週間もたったろうか、今度は肌を刺す冷たい風に乗って白いものが舞い降りる。
季節通りの初雪である。初雪とくれば、垣根の曲がり角のたき火であり、腹の底から温まるぜんざい、お汁粉が定番である。粒の大き目な小豆。孫君が神社の相撲大会でゲットした優勝賞品のお餅入り。

問題はこの「大き目の小豆」の話である。
毎年暮れになると、娘の嫁ぎ先から大量の小豆と黒大豆を頂く。ぜんざいはもとより、正月餅のあんこになったり、おせち料理に欠かせない煮豆として重宝している。実に有り難い。こんな感謝の気持ちが「この手で一度、小豆と黒大豆作りに挑戦してみよう」と思い立ったのが今年の6月。狭い畑の一角にタネを撒いた。

それはそれは見事に、小豆も黒大豆も畑一面に芽を出した。「割と簡単じゃ!」と考えたのがウンの尽き。
日照りの多すぎた今年は水やりにへとへと。それでも、初挑戦だけに枯らさぬように大切に、と思ってがんばった。秋口に入って段々勢いが弱って来た。但し、かなりの実が付いている安心感はあった。が、さすがに「赤いダイヤ」と呼ばれる小豆が、そう簡単に素人の手に入るわけがない。やはり現実は厳しい。弱った木には虫が付く。

直接食べる小豆だけに消毒も気が引けて。結局時季が来て収穫して見たら、なんと種まきに使った量の3倍程度。1合にも満たないささやかな収穫。小豆のままでは写真撮るのも気が引けるほど。
でも、粉雪舞飛ぶこの寒さ。ありったけの小豆で、熱いあついぜんざいを頂いた。お椀にして3杯半から4杯分。それでも大粒の小豆の食感は紛れもなく小豆である。カボチャの味はしなかった。

果たして来年も挑戦するか。畑に撒くタネの量の10倍。つまり1合くらいの出来高を目標にやってみるか。無難に「タネとして撒く分を食料にするか」。思案に迷うほどのことでもないが、改めて、毎年送って頂く娘の嫁ぎ先の老夫婦に、深い感謝と敬意を表明する次第である。

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