毎週欠かさずといっていいほど観て来た、NHK大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」がついに完結。
武家の政権から王政復古という一大歴史の転換期。幕末から明治維新を生きた、日本を代表する男たちの舞台を描いた、壮絶な人間ドラマであり、歴史ドラマであった。個人的には大いに見応えを感じてきた。
幕末から明治維新を語る上では、誰よりも坂本龍馬を推薦する龍馬ファンである小生にとっては、西郷も大久保も一大英雄であることに異論はないが、日本国の未来像、世界の中の日本、といった世界観から言うなら、やはり龍馬の存在は大きかったな、と思ってしまう。龍馬暗殺がなければ、西郷・大久保・岩倉具視などの生き方考え方も、少し違ったものになってはいなかったろうか。などと勝手なことを思っている。
あれほど盟友で、日本の将来を考えるという共通の目標の西郷と大久保の中で、なんであのような結末に至ったのか。男の生きざまとは難しいものである、とつくづく思う。たら・ればの話ではあるが、西郷と大久保の中間に、坂本龍馬という飄々とした世界観の持ち主が介在していたら、西郷のあの非業な最後も、大久保の暗殺も避けられるほどの、穏やかな日本の夜明けがあったのではなかろうか、などと思いをめぐらす。
男という者、志・心意気・メンツのためなら死もいとわないという頑固さは、美学ではあっても時に愚行に変わる危険もある、もろ刃の剣みたいなものか。
そんなこんなを考えながら、テレビのボリュームを上げて、ひんしゅくを買いながらも観続けた今年の大河ドラマが完結した。ということは、紛れもなく年の瀬も押し詰まっているということだ。
この季節にやらなきゃならんこともそれなりにある。
気持ちも身の回りも整理して、佳き新年を迎える準備開始のシグナルを、大河ドラマ完結が投げかけてくれる。