「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「万国公法」

2010年07月29日 | 趣味・・エッセイ
NHK大河ドラマ「龍馬伝」いよいよ佳境に入ってきた。
そんな折りタイミングよく、龍馬が立ち上げた日本最初の商社「亀山社中」、後の「海援隊」でフル回転していた蒸気船「いろは丸」を描いたと見られる絵が、長崎市歴史民族資料館で展示中の冊子に残されており、このたび新聞に掲載された。

実際の「いろは丸」は現在も、広島県福山市鞆の浦沖合に沈んだままとされている。

その日、龍馬以下海援隊員の乗った蒸気船「いろは丸」は、銃器弾薬の運搬と海援隊員の操船訓練という目的で、長崎を出港、大阪湾に向かっていた。
夕方から濃い霧に見舞われ、舷灯の確認や見張りを強化して、夜11時頃瀬戸内海鞆の浦沖にさしかかった。

折悪しく、天下の御三家紀州藩船「明光丸」887トンと遭遇した。
いろは丸は160トン。双方がぶつかれば結果は歴然。そこでいろは丸は衝突を避ける最大限努力したが、明光丸の衝突回避義務違反によって、大型船が小型船の側面に乗り上げるように衝突。
いろは丸の乗組員は全員、明光丸に乗り移って救助はされたものの、積み荷の「武器3万5630両や金塊など4万7896両」が海底に沈んだ。と、龍馬は主張する。

かたや紀州藩といえば地位も財力も最大の雄藩。龍馬の主張には耳を貸そうともしない。それどころか、脅しとつまみ銭で強引な解決を図ろうとする。

そこで登場するのが、坂本龍馬お得意の「万国公法」という国際法をちらつかせる交渉術。
それでも正式な交渉に応じなければ最後の手段は、北辰一刀流の腕前の披露も辞さない大芝居。
ついに天下の紀州藩から8万両の保証金をせしめ、日本中に喝采を起こさせた。

・・・と、まあこんな話だが実は、坂本龍馬という男、単なる権力嫌いでも幕府嫌いでもない。
飽くまでも法治国家樹立を念頭に、早くから国際的感覚の中で、人間は平等、武士も町人もない国造り、その上で日本の地位を守ろうとした、偉大な人物である、と惚れ直している。
日本国が、真の実力を備えることで、外国からの侮りや植民地化を避けるという先見の明や実際の行動は、戦後65年経た今でも大いに参考とするところはあると思う。

いつまでも一本立ちしない我が国の現状を見たら、いったい何と言って嘆くのだろう。

コメント (4)
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