漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 第6章 その10

2009年02月20日 03時24分39秒 | 漫画家
( この写真は、リョウさんが80年代を過ごした椎名町の商店街風景です。昔と変わらぬ賑わい
  のある駅前から少し離れると・・・シャッター商店街が・・・少し寂しい今日この頃です。
  《 2008年12月、撮影 》 )
 
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
              その10
 
 
外見上、まったく変わったところは見られませんでした・・・・。
 
前回、私はリョウさん( 仮名:内海遼一、岡山県出身、74年当時19歳 )
の事をそう書きました。1988年( 昭和63年 )の夏までは、確かに何も
変わったところはありませんでした。
 
しかし、1988年9月に同じ龍馬ファン( 坂本龍馬に関する会報などを出
版 )の仲間たちと京都へ旅行するのですが、この時からリョウさんにあ
る変化が見られる様になります。 それはまさに・・・・
 
 「 あの時に幕末の志士の亡霊に取りつかれたんだ・・・ 」
 
・・・・と後に噂されるほどの変化でした。
 
この京都旅行の直前に、私とリョウさんは、豊島区要町の隣町、千川に
住む女流漫画家Y先生( 東京出身、88年当時、34~5歳。お互いにデビ
ュー前からの知り合いで、アシスタントを2~3人使いながら主にレディ
スコミックに連載していました。 )の所へ遊びに行きました。 Y先生
は、幕末や坂本龍馬が大好きなリョウさんを見て・・・
 
 「 歩く幕末ね・・・ 」( Y先生が命名! )
 
と、大変興味深そうにリョウさんを見ながら微笑んでいました。
 
その後、リョウさんについての印象を聞いた時に・・・
 
 「 何だか、とても面白そうな人ね・・・ 」
 
と、人間として、物書きの端くれとして・・・とても良い印象を持たれ
たのでした。(プロから見ても興味深い人物・・・!)
 
ところで、この時の記念写真には・・・Y先生と並ぶ私たちの背後にあ
る窓から・・・武士の様な男が部屋の中をのぞき込んでいる姿が写り込
んでいました。
 
しかし、もちろん、ただ窓に映る光の反射と窓の錠前部分が影響して、
そう見えるだけの錯視にすぎないと気にもしませんでした。
 
しかし・・・1ヶ月ほどしてから考えると・・・とても単なる偶然とは
思えず・・・・・。( ちなみに、この時の写真は、後にネガと一緒に処
分してしまいました。私は霊の存在を信じるものではありませんが、い
たって小心者なのです。 )
 
 
さて、リョウさんが京都へ出発したのが1988年9月10日・・・( なぜ、
こんなに詳しいかというと、この日時は全てリョウさんの書いた日記が
元になっているからです! )
 
龍馬ファンの仲間は20人近く、老若男女バラバラですが、皆、龍馬への
熱い思いを一つにして新幹線に乗り込みます。旅行と言っても一泊する
だけの限られた小旅行ですので、スケジュールはいっぱいです。
 
まず、霊山寺( 龍馬のお墓がある )へ・・・。 一番目にやはり龍馬の
墓前へ向かう辺りが、いかにも彼等らしいところです。
 
霊山墓地は幕末の志士が多く眠る山なのです。その中には、沢山の墓が
あり山の頂上には桂小五郎( 長州藩士、後の木戸孝允 )の墓もありま
す。
 
坂本龍馬の墓もその多くの墓の中にあるのです( 山の中腹 )。墓の右
隣には龍馬と一緒に襲われた中岡慎太郎の墓。そして、龍馬のすぐ左脇
にも小さな墓があるのですが・・・これは龍馬が暗殺される時に、龍馬
を救おうとして切り殺された下僕、藤吉のお墓です。
 
リョウさんたち一行は、ここで花束を捧げ、線香をたいて全員で合掌・・
・・・。
 
つづいて近江屋( 醤油問屋、京都市中京区河原町 )跡。上にも書きま
したが・・・ここは、慶応3年( 1867年 )11月15日。坂本龍馬と中岡
慎太郎が暗殺集団に襲われ、頭部を割られた龍馬は絶命、そして中岡慎
太郎も重傷を負い2日後に・・・
 
 「 焼メシが食いたい・・・ 」
 
と、最後の言葉を残して死亡した有名な場所です・・・・・今では「 近
江屋跡 」と書かれた小さな石柱があるだけで、通行人は誰一人顧みる人
もありません。
 
次に寺田屋( 龍馬が泊まり込んでいた旅籠。現、京都市伏見区南浜町 )。
慶応2年( 1861年 )1月23日。ここは、龍馬が近江屋で殺害される6年
前に暗殺集団に襲われた所です。
 
この時は、恋人のおりょうが風呂から素っ裸で飛び出して危急を告げた
事で龍馬は難を逃れました。
 
龍馬ファンの一行はここで一泊します( 今でも泊まれます! )。
 
 
 
 
            「 漫画家アシスタント 第6章 その11 」 へつづく・・・



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