漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 第6章 その9

2009年02月13日 03時40分30秒 | 漫画家
( この写真は、りょうさんが80年代に暮らした東京豊島区椎名町の住宅街です。酒屋さん(右側)
  の角を右に入るとリョウさんの下宿があります。ちなみに以前、紹介したキタさんがサラ金地
  獄を告白するためにJ先生にかけた電話は、この酒屋さんの公衆電話からでした・・・。
  《 2008年11月、撮影 》 )
 
 
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
              その9
 
 
坂本龍馬が土佐から江戸へ、たった一人で剣の修行に千葉周作道場の門を
叩いたのが19歳の時。
 
リョウさん( 仮名:内海遼一、岡山県出身、74年当時19歳 )が初めて東京へ
やって来てJ先生の所へ弟子入りしたのが19歳の時。これは単なる偶然だ
と思います。
 
そして、坂本龍馬が暗殺された33歳の時( 慶応3年《1867年》11月15日 )
と同じ年齢になったリョウさんに起こる恐ろしい出来事も、単なる偶然だ
と思います・・・・・。
 
しかし、それは・・・起こるべくして起こった宿命・・・だった様な気が
してならないのです・・・・・。
 
 
1974年にJプロに入り、ゴキブリだらけの仕事場で寝起きし、やっと捜し
たアパートでは読書三昧。
 
酒も博打も女遊びもしない、ただひたすらに坂本龍馬を描き続ける・・・
 
 『 オレも龍馬の様に世の中へ出たい・・・! 』
 
そう思いつつ・・・14年の歳月・・・密かに胸を熱くして生きた14年。あ
っという間に竜馬が暗殺された時の年齢と並んでしまっている・・・・・
 
 『 オレは龍馬が死んだ年と同じ年になってしまった・・・・ 』
 
失恋、漫画の挫折、連日の天皇重体報道、昭和の終わり・・・。
 
いくつもの思いが重なる中で、リョウさんは自分と同じ年で坂本龍馬が暗
殺された事への思いが募っていきます。
 
 『 なぜ暗殺されたのか・・・誰に暗殺されたのか・・・ 』
 
坂本龍馬は対立していた薩摩と長州を和解させ、その事で幕府を大政奉還
させる端緒を作ったという意味で、幕府にとっては憎い反体制派の一味。
充分に暗殺の動機があります。
 
ですから、一般に幕府側の京都見回り組( 新撰組とは別組織 )の隊員た
ちによって暗殺された事になっています。
 
これは、後に京都見回り組の組員が自ら龍馬暗殺を告白している事が根拠
になっています。しかし、その証言内容や共犯者の名前などに疑問もあり・・
・・・謎が残ります。
 
龍馬が幕府と戦争する事を望んではいなかった事は一般に知られています。
つまり、無血革命を望んでいたわけです。( 緊迫する世界情勢からして今、
日本人同士で争っている場合ではない・・・と )
 
しかし、薩摩の西郷たちは、すでに倒幕( 武力革命 )を策謀していました
から、龍馬の活動が疎ましかったであろう事が想像されます。
 
また、龍馬の身内にも裏切り者がいた可能性もあり・・・・と、「 龍馬暗
殺 」の謎は多くの研究者や作家にとっては興味深いテーマだったのです。
 
ですがその謎は解明されぬまま多くの諸説が入り乱れ、かつ新たに発見さ
れる事実(?)などもあり、混沌としていました。
 
疑えば幕府も薩摩も海援隊々員も、龍馬と一緒に襲われて死んだ中岡慎太
郎自身さえ黒幕ではないかと疑う説があるのです。
 
1988年( 昭和63年 )夏。この頃までは、まだリョウさんは普通の「 龍馬
ファン 」でした。外見上まったく変わった所は見られません。
 
それが、9月に京都へ旅行した時から人が変わってしまいます・・・・龍馬
が好きな人たちが集まって行った「 京都幕末名所旧跡ツアー 」に参加した
時から・・・・。
 
後に何人もの友人たちが・・・・
 
 「 リョウさんに幕末の志士の怨霊がとりついた・・・ 」
 
・・・と、言わしめた程の変化が起こります・・・・・・
 
 
 
            「 漫画家アシスタント 第6章 その10 」 へつづく・・・



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