昨日の「TVタックル」は、介護と医療を取り上げていました。
現在、高齢者の介護・医療は厳しい状況です。
国の政策としては、なるべく在宅医療でということのようなのですが、これは現実的にかなり無理があります。
本当は介護は家族がすべきことと思います。
そうでなければいけないのです。
でも、今の日本ではそれが無理になっているのですね。
在宅医療に賛成の出演者たちは、「家族で看る」とやたら言っていましたが、実際は家族がいても、介護をしている人は1人か2人です。
家族が協力して介護をするなんて、ただの理想です。
しかも介護をしている人が高齢であったり、自分も病気であるという状況が現実です。
いつまで続くかわからない介護に絶望的な日々を送っている人たちが多いのです。
病院には90日しか入院させてもらえないと言っていましたが、高齢者の場合、長くて1か月しか入院できません。
出演者のみなさんは、自分たちが介護される立場になったとき、奥さんや子供たちが家で介護し看取ってくれると思っているのでしょうか。
思っていませんよね。病院でと考えていますよね。
あの人たちは、やはり病院で看取られるのでしょう。
先日、糖尿病と胃ガンを患っている旦那さんを介護している知り合いと電話で話したのですが、腸閉塞で入院した旦那さんを「もう介護したくない。私はもう生きていたくないの」と泣きながら言いました。
2週間の予定で入院しているのですが、家に戻ってきたとき、「もう介護できる自信がない」と言っていました。
自分も胃潰瘍で、食欲もなく、夕食を作る気力もないので、「今夜はおむすびを買ってすませるわ」と言うので、大根とカボチャを煮て持っていきました。
元気のない顔を見て、何と言ったらよいのかわかりませんでした。
これが現実です。
ただ、彼女は「もし主人が『ありがとう』と一言、言ってくれたら、私はどんなに救われるか」と言うのです。
つまり、介護されている旦那さんが、感謝の気持ちをまったく示さないことにも、介護が嫌になる原因があるようです。
介護されているかたたちに言いたいです。
どうか、介護してくれている家族のかたに、「ありがとう」と言い、気遣ってあげてください。
昨日の「イ・サン」には泣けました。泣きました。
王様は、無実の息子を罪人にし処刑してしまったことを、ずっと悔やんでいたのですね。
それが王様を一時的に認知症にしたのでしょう。
病気で倒れた王様は、自分の死期を悟り、数人のお供だけを連れて宮殿をこっそり出ます。
そしてソンヨンを呼び、息子の肖像画を描かせるのですね。
「息子は鼻筋がとおり、世孫(イ・サン)に似た素直な目をして…」と、息子の顔をソンヨンに教える場面は涙が出ました。
動物が死期が迫ると、1人になって誰にも知られずに死ぬのと同じように、人間にも自分で死期を知る能力があるのだそうです。
医療に関わらなければ、本当はその死期を自然に知り、眠るように死ねるのだと。
何かの本で読みました。
「イ・サン」の王様の死は、まさに理想的な死であったと言えますね。