ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

松竹座ヤマトタケル千秋楽2

2005-06-01 23:52:49 | ヤマトタケル
前楽の25日は、午前中で仕事を切り上げ、
12時台の新幹線で大阪へ向かいました。
ビジネス客、旅行客共に、移動に利用するには中途半端な時間帯なせいか、
車内はかなり空いており、ふだんなら働いている時刻に、
車窓の景色を眺めている・・・というのは、
ささやかな幸福~♪と言ってよいものでした。

目の端を過ぎる街々が、横浜座やグランシップ、中日劇場、御園座、春秋座と
(巡業で訪れた街も含めたら、もっともっとですが!)
様々な舞台の想い出や、その時々の高揚感を呼び覚まし、
懐かしかったり、切なかったり・・・。いつか、いろんなすべての事が
「想い出」になってしまうのかな~なんて、感傷的な気分も。
早朝の新幹線だと眠ってしまうことも多いですが、
自分的にも珍しい時間帯での車中のせいか、ふっといろんな事を考えました。

そんな気持ちも、新大阪で地下鉄に乗り換え、難波の出口に到達する頃には
すっかり、ワクワク感に染まっていきましたが・・・
松竹座の三階袖席に座ったのは初めて(←のはず)です。
一階の左の1番というのは、過去ありましたが。
こちらは、花道の役者さんと視点が同じような感じで
(実際は、もちろん花道上の役者さんの方が視点は高いでしょうけれど)
なかなか面白い、観劇ポジションです。

そして、この三階の左袖!
かねてより、「そこまで乗り出さんでも・・・」と、落下するのではないか?
と心配になる程半身乗り出して舞台を観ている観客を目撃していましたが
実際座ってみて納得!きちんと、座席に背をつけ着席していたら
舞台の下手が多少見切れる、というレベルではなく、
舞台の中央から下手が完全に見切れます。もちろん花道は全く見えません。
う~ん、いくらなんでも舞台の<半分>見えないのはキビシイ・・・
“浅く腰掛けて”でも無理なんですね。
手すりに身体を傾ける―でやっと舞台の下手が、完全ではないけど見え、
傍からは“乗り出している”と見える状態で、
花道を歩く役者さんの頭上(~o~)が見えるのです。
この日、私も含め、両隣の皆様は、殆ど「半身乗り出し観劇」でした。
なかなか、この姿勢苦しいのですよ。
何かのトレーニングをしているかのようでした^^;

段治郎さんは声がかなり辛そうでしたが、このひと月も、
タケルの人生を日々生きた達成感からか、
演技はなんの衒いもない清々しいものでした。
そして、今日も樽落下・・・(段ちゃんが落としたものではないですが(^_^.))
大碓のトーンは更に低く、女形の声はちょっと使えない感じでハスキー
「弟姫ー!」など絶叫系は、声が使い難いのを逆手にとり、
あえて音声に出さず、口だけをその言葉の形に動かすということで
声に出せない叫びという印象で、演劇的効果を上げていました。

ビッグバードお出迎え席は、ホント迫力でしたー!!
この場だけが、”乗り出す”こともなく、
一等席以上な気分(?)を味わいながら、
手を伸ばせば届きそうな距離に舞う『天翔るタケル』を堪能致しました。
鳥屋に入るとき、小さく羽を畳む感じがキュート

先にカーテンコールについて書きましたが、
やはり、段治郎タケル楽、を踏まえている観客が多かった為か
エピローグの後に、もう一度幕が上がることは折込ずみで?
拍手がずっと鳴り続け、カーテンコールに至った次第です。
平日にも関わらず補助席も出ていました。

翌日、千秋楽もほぼ満場の中、開幕致しました。
東京楽と同様、梅原先生のお姿もロビー、そして客席でお見掛けしました。
猿之助さんのメッセージボードが出た、と連絡を貰ったあたりから、
今回、松竹座の楽に猿之助さんのご出演はないのだろうな~とは
予見しておりましたが、梅原先生が来場して下さり嬉しかったです。

お芝居的には、楽だからといって何か大振りな演技になるとか
特別なノリみたいなものはなく、きっちりと、常の右近さんタケルの舞台同様
細かく組み立てられたものでした。着席した瞬間は、“ひとつの終わり”的な
感傷的な気持ちにも多少なりましたが、いざ観終わってみると、
「ああ、終わった。。。」という淋しさよりは、
「―名古屋へ続く―」との期待感の方が勝りました。
しかし、何度も書いてますが、右近さんのタケルは演舞場開幕頃と
まったくと言って良い程芝居が異なりますね~。
台詞の緩急や、所作(特に走水)、ひとつひとつ場面に合せ論理立てて
動いている感じ。段治郎さんタケルが、感情に肉体が付いてくる、
といった趣きなのとは対象的です。

1ヶ月近く我慢!のハズだった舞台との再会は、いつの間にやら?短縮されました

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3 コメント

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いいなぁ~!「ビッグバードお出迎え席」 (たまち)
2005-06-03 23:18:05
左袖席ってこの時ばかりは「特等席」ですよね!

yayaさんご堪能できて良かったですね!



しかしあそこの3階席はそんなに体力が必要とは・・・!しかも舞台半分見切れちゃうとは(涙)



新橋演舞場の2階左袖も花道がアウトですが、

旦那はフルーツ娘のダンスのことを「頭頂部ダンサーズ」と呼び、飛んできた右近さんに向って

手を振って喜んでおりました。

おっさんに手を振られてもねぇ



明日から名古屋ですねぇ~。

いざ中日劇場へ!!
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前言撤回(^^ゞ (yaya)
2005-06-04 22:36:17
>いざ中日劇場へ!!



はい、出陣致しますです。

6月は猿★征は一度!と固く誓った決意がもろくも崩れ・・・

明日、日帰り猿★征してきます~。。。

でも、大阪楽以降、夜も週末も働いたもん・・・って自分で自分に言い訳け^^;
返信する
左袖の席は (紅娘)
2005-06-05 21:44:15
私も一度座ったことがありますが、宙乗りの時はそれまでのすべての苦労を忘れて目の前に猿之助さん(その時は)がおいでになる幸福感で一杯になった経験がありました。



お芝居全体を見るには右袖の席の方がいいので、以後は中央にあまり良い席が残っていない時は右袖を取ることもあります。
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