ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

【補記再掲】井上ひさしを語り継ぐ 2

2010-05-28 01:19:57 | その他の演劇
2010年5月23日(日) 座・高円寺 19時より 日本劇作家協会主催

扉座の『神崎与五郎東下り』に昼公演が終わった後のステージを使用なので
舞台奥に、大道具が収められていたり、上手前方には、
劇作家の皆さんに馴染みのありすぎる場所ということで(?)、
ちょうどいい塩梅で、東下りの劇中に使われている「稽古場」の板が飾られていた。
横内さんの洒落っけかな?
扉座の座員さんも、お手伝いに入られていました。お疲れ様でした。

開場し、劇場内に入ると、何かの講演会の時のものか、井上ひさしさんが
演劇や劇作についてお話されている声が流れていました。
舞台上正面には、氏のパネル。

司会・進行は、鈴木聡さんと渡辺えりさん。
井上氏は生前、もし、ご自身が亡くなられた後、葬儀も不要だし
(参列者に迷惑をかけるから)
追悼会なども湿っぽいのはやめて欲しいと仰っておられたようで、
えりさんは、明るい花柄のワンピース(ドレスにしようかとも思われたとか?)
鈴木さんもピンクのネクタイらしかったのですが、ライトでとんで白に見えてると
えりさんに突っ込まれてました。

私も、何を着ていったら良いのか、まったく分からなかったのですが
(協会員の方はフォーマルなのかしら?と思ったり・・・。
 でも、「エンタメ」=ハレの日、黒とか紺じゃなくてもオッケーかな?とも)
先月、初めて観た井上作品から、なんとなく氏の人柄も垣間見え(たような気がする)
結構、明るめのワンピ着用。えりさんのお召し物と言葉に、これで良かった!と
勝手に励まされてました。

えりさんは、井上氏とのエピソードのひとつとして、阪神大震災のチャリティショーで
一緒に仕事をされ、その時に、次回『悪い夢』という作品をやるから出てくださいと言われ
楽しみにしていたところ、オファーされる役柄がどんどん変わり、最終的には、出演しない
ことになってしまった・・・というオチ=『悪い夢』なのですが、
緊張されていたのかオチなしでお話が終わり、
鈴木さんが、打ち合わせではこういうオチだったじゃない~と、解説(笑)されてました。

そんな、司会のお二人のやりとりのあと、別役実さんのご挨拶。
井上さんの4つの功績について、お話されました。
(沢山功績はあるけれど時間の都合上?全部は紹介しきれないので)
1)「せりふの時代」の刊行
2)会員資格の規定
 「子どものためにクリスマスの劇を書いたお父さんも入会できるように」
3)喜劇を大切にした。一段下に見られている喜劇やコント(ユーモア)を大切にした。
~最後は、これを功績とすることに反対な方もいるかもしれないけれど~
4)愛煙家であったこと。
 井上さんが行くところでは、禁煙の施設でも喫煙室を用意してくれていた。
 最近は喫煙不可な場所が多いので、愛煙家の別役さんにとっては「功績」の模様~
 もしかしたら、天国でも、井上さんのために喫煙室が設けられているかも!?
 でも、井上氏は肺がんで亡くなられたので功罪半ばかもしれませんと。
 ご本人は「喫煙と肺がんは関係ない」と仰られていたとか。

◆25人の劇作家による井上作品のリーディング。
 それぞれの方が好きな作品の好きな箇所を読まれました。
(基本あいうえお順の出演ですが、トリは野田秀樹さんでした。)

◇青井陽治『ある八重子物語』
◇赤澤ムック『化粧』
◇石原美か子『ロマンス』
◇長田育恵『夢の泪』
◇工藤千夏『人間合格』 
◇小松幹生『うかうか三十、ちょろちょろ四十』
◇坂手洋二『日本人のへそ』
◇篠原久美子『頭痛肩こり樋口一葉』
◇佃典彦・平塚直隆『国語事件殺人辞典』
◇永井愛『しみじみ日本、乃木大将』
◇長塚圭史・丸尾聡『太鼓たたいて笛ふいて』
 ※同じ作品の同じところを選んだので半分づつ
◇長谷基弘『国語元年』
◇羊屋白玉『十一ぴきのネコ』※演劇部のとき自分で作曲した曲(歌)の披露
◇平田オリザ『イーハトーボの劇列車』
◇ふじたあさや『十一ぴきのネコ』
◇別役実『藪原検校』
◇マキノノゾミ『夢の裂け目』
◇本谷有希子『組曲虐殺』
◇横内謙介『看護婦の部屋』
↑↑↑
※本当は『雨』を読みたかったが、自宅の本棚から本が見付からなかったとのコメントあり。
◇わかぎゑふ『ある八重子物語』
◇鈴木聡『頭痛肩こり樋口一葉』
◇渡辺えり『化粧』
◇野田秀樹『小林一茶』

◆組曲虐殺から、ピアノと歌
 
作曲・ピアノ・歌:小曽根真
歌:井上芳雄、神野三鈴、渡辺えり

◇豊多摩の低い月
◇信じて走れ
◇胸の映写機

最後は、斎藤憐さんのご挨拶。
別役さんが冒頭に全部(井上氏についての事)言っちゃったからな~と、おっしゃりつつ
「むずしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」との
井上氏の言葉や、最後の17年間付き合って来た中で、 
一番感じたのはパブリック・公共、広場ということ、とのお話がありました。
(今、自分の走り書きのメモを転載しているだけで、この真意の理解が出来かねています)
戯曲の雑誌を出したいと奔走されたことや、
河竹黙阿弥も、葬式なんかして雨でも降ると着物が汚れるから皆に迷惑がかかる、
というような事を言っていたようで、井上氏もそれに倣って、お葬式も不要と・・・。

氏と交流のあった方々、氏の作品に出演された方々の
本当に手作り感満載の、シンプルだけど、暖かい、気取らない会でした。

※NHKさん入ってました。6月6日教育チャンネル「ETV特集」で
 井上ひさし氏の特集だそうです。この語り継ぐ会については、どのあたりを
 放映に使うかは未定とのことですが、芳雄くんの歌は、たぶん、放映されるでしょう。
 ブログ違いですが、ミューファンの皆さん、お楽しみに!!
 (急な変更に備え、番組表などでもご確認下さい。)
ETV特集 放映予定


※こちらのブログは画像のアップが手間なので、『神崎与五郎東下り』祭り(笑)開催中の
市川笑也ファンブログの方に、掲示されていた井上作品のポスターの画像アップしてます。
(ポスターの撮影、会の内容をブログに掲載させて頂く旨、許可を頂いてます。
が、リーディングや歌やお話を拝聴しつつ、走り書きのメモ参照なので誤謬があったらスミマセン~)

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2 コメント

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ありがとう (MIT)
2010-05-26 01:22:48
連日の高円寺通いでお疲れのところ、レポありがとう~。

25人もの劇作家でリーディングしても、
ほとんど作品かぶらないのは、すごく多作な方だったのね。
そして、自分はまだそのうち観たり読んだりした作品は、ほんのちょっぴりなので、
これから、またゆっくり井上ひさしさんの書かれたものに出会っていけたらいいなぁ、とか思ってます。

ETVの特集の情報もありがとう!録画予約しときます。
(でも井上さんの特集なんだったら、歌はあんまり放送されないんじゃないかな…?)
返信する
ご来場ありがとう(笑) (yaya)
2010-05-26 09:17:17
MITさん、こんにちは!
先日は、神崎与五郎東下りご来場ありがとう。

でも、遺作でもあるし、作曲者自らの生ピアノだし、
10秒くらいでも!?チラッとは映ると思いますよ~(笑)
返信する

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