ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

劇団☆新感線「メタルマクベス」2

2006-06-10 14:21:55 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
面白い芝居を観ると、書きたいことが怒涛のように湧いてきて
(頭が“沸いて”る、との説もあり
―いや、単に要点まとめる文章力がないだけなのですが―
無駄に長いです。ご理解のほど

【主な配役】2206年・80年代・(原作の登場人物)←を加えてみました。
          ~チラシのクレジット順~

◆ランダムスター・マクベス内野・(マクベス):内野聖陽
◆ランダムスター夫人・ローズ・林B・(マクベス夫人):松たか子
◆レスポールjr・元きよし・(マルカム):森山未來
◆グレコ・マクダフ北村・(マクダフ):北村有起哉
◆エクスプローラー・バンクォー橋本・(バンクォー):橋本じゅん
◆グレコ夫人・シマコ・(マクダフ夫人):高田聖子
◆パール王・ナンプラー・(イングランド王?原作でマルカムが身を寄せる先。
 もしくはその将軍のシーワード、ノーサンバランド伯?か
 小シーワード←マクベスに打たる、の見立て?):栗根まこと
◆レスポール王・元社長・(ダンカン):上条恒彦

え~あらすじ・概要はシアターガイドに掲載されている、
SHINKANSEN☆RS『メタル マクベス』製作発表でご確認ください(笑)

e+ theatrix いのうえひでのりインタビュー
こちらも、インタビューの後に、ストーリーが簡潔に記載されてます。

↑というワケなのですが、
私は、2206年と1980年代の二重構造というより
下記に書いたように、シェークスピアの原作の世界観があり、
翻訳者の松岡さんの言語・原文に対する概念によって選ばれた
日本語による言葉の意味、響きが付加され、
「松岡版」を読んだクドカンさん、演出家のいのうえさん、
そして、それらを自分の肉体で咀嚼していく役者・表現者の理解など、
もっと多重な構造を感じる。

そういう言語間の齟齬、というのは
どの翻訳劇にも大なり少なりあるのだろうけど、
特に、シェークスピアの戯曲は
「言葉」そのものの力が強いと感じるので。
(↑物語り自体はシンプルかつ普遍的な人間の感情―嫉妬や欲望や
猜疑心など―を扱っているけれど、それらを、たくさんの言葉で飾り立て、
そして暴き立てている。)

シェークスピア劇というより、
シェークスピア・クドカン・いのうえのコラボレーションですね。

もう、「字幕」には、一本取られました!!(笑)
そう、楽曲の歌詞が、舞台に掲げられた巨大スクリーンに映し出されるのです。
(電光掲示板と表記されてる記事も目にしますが、電光掲示板?)
そう来たか!と、どウケ(^◇^)GJ
もちろん、役者の科白にも、松岡版そのものの言葉も散りばめられてますが
歌詞にもいろいろ組み込まれていて、ヘヴィメタなヴォーカル&大音響では
ヒアリング出来ないだろう~と思っていたのだけど、
究極の手段(笑)に出ましたね。目から鱗。
日本の某政治家が海外で英語でスピーチした際、
現地のテレビに「英語で」字幕スーパー出ていたの想い出しました(爆)

初新感線@阿修羅城の瞳(←こちらの方が、いのうえ“歌舞伎”なので
自分の嗜好に近そうなハズでしたが)では、
音楽の使い方に、どん引きしてしまったのだけど、
今回は、観終わった今も、芝居以上に音楽が記憶に残っています。

「魔女の予言」という曲では

>万歳!マクベス!おめでとう メイプルの領主
>万歳!マクベス!おめでとう マホガニーの領主
>万歳!マクベス!いずれは王になるお方

(注:マホガニーが原作のコーダーに相当)

りゅーとぴあマクベスの魔女さんたちの声も
脳内に甦り、ひとりで大変なことになってました。
急にあの静謐で美しく残忍な歌声に包まれて…

「炎の報告」も大好きなのですが、これは
曲そのものと、振り付け(のフォーメイション)との
視覚的効果も含めて、面白カッコイイ!
おちゃらけた歌詞とヘヴィメタシャウトに
レスポール王(上条恒彦さん)の、どっしりと太い艶のある声で
真面目に合いの手(なのか?・笑)が入るのが面白すぎて、ツボりました。

一部の隙もなく、作りこまれている笑いなので、
ギャグもいちいち面白いし(ベタさ加減も含め)
投入される効果音が、演者とズレがなく素晴らしい!!
もしかして、スタッフの中で一番いい仕事してる!?→音効さん♪

松たか子さんも、あんなに芝居が出来る女優さんとは知りませんでした。
芝居や科白の間が、まったく崩れずにスゴイ!!歌も上手い。
そして、失礼ながら、それと相反して(ーー;)内野さん…
やること多くて大変な役なので(でも、それは松さんも同じ)
リピート観劇しているコから、内野さん後半もたず、2幕以降
松さんの安定度に比べると崩れる(ことがある)…
という話は聞いていたのですが
幕開け1曲目から、音程どハズしで、
「1発目からかよっ!!」と突っ込ませていただきました。

んで、ずーっと彼の歌を聴いているうちに、
アイドル時代のマッチ(ハイティーンブギあたりの)を想い出しました…
内野さんの歌自体が80年代(アイドル)オマージュ!?

それに引き換え(?)冠くん!(王専属シンガー)
こんなに歌上手いんだったら、役者でなく歌手でやってけるでしょ―っ!!
と思ったら、本職さん
ワタクシ、新感線に詳しくないので、劇団員の方かと思って
メチャクチャ上手すぎ!!こんな逸材がいるなんてスゴイ!!
と大感動していたのでした。
え~それは殺陣も。妙に上手い人がいるな~と
後でチラシのクレジット読んだら(プログラムは高すぎて買えず^^;)
アクションクラブ、本職さんでした(笑)
さらに、ダンサーも、いや~劇団の役者さん踊れるなぁ~!!
と、やっぱり、いちいちアレコレ感心していたのですが、
これも、本職のダンサー(←語尾上げでお願いします)

グレコの北村くん、背が高くスラリとしており
なかなかビジュアルがワタクシ好みで、素敵でした。
周囲みな上手いので、特別目だって上手い!
という印象を受けたわけではないのですが、目を引きました。
(しかし、Yahooのこのタレント名鑑の写真は好みではない^^;
舞台映えするタイプ?)

そして、レスポールjrも良かったけれど、
元きよしな森山未來くん。製作発表のスタイリッシュなイマドキの青年!
といった素の写真からはまったく想像のつかない
このキャラを、あますところなく描いてましたね―!
ぐぐってみてもプロフィール検索出来ませんが、なにかで、
1980年とか81年生まれと目撃したような記憶がありますが…?
たぶん、この舞台の80年代ネタことごとく分からないのでしょうねぇ。
しかし、このど演歌の典型泣き節の入った
「メタル演歌~親の七光り三度笠~」(歌いだしチェッカーズ入ってますが・笑)
の表現力、演技の抜けっぷり、ステキです。

観劇日に偶然会った、80年代前半生まれの女子は
「リンスはお湯に溶かして使え」(←笑)をはじめ
当然のごとく、ネタ全滅。昔、大人たちに東京オリンピックの話とか
されても、それ、分からんし…とか思っていたけど、80年代生まれ
ロスアンゼルスオリンピックが分からないんだもんなぁ…@84年。
(いや、芝居でオリンピックの話は出ていませんが、時代的に
 どこからオッケーなのかの例として)
ピンクレディもすでに解散後のお生まれなのですね…

―3に続く(らしい…)

にほんブログ村 演劇ブログへ

人気blogランキングへ



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いらっしゃいませ~ (yaya)
2006-06-16 23:31:54
midoriさん、いらっしゃいませ



コメント&TBありがとうございます。

昨年レ・ミにハマって以来、

ミュージカル関連の感想のアップされているブログも

時間があると読むようにしているのですが、

midoriさんのお家(笑)も、何度かロムらせて頂いてました。



メタマク、ホント、後引く舞台です。

返信する
トラバさせていただきます (midori)
2006-06-16 11:38:26
こんにちは!

ぴかちゅうさん宅より飛んで参りました。

“3”にも続くかもな大作レポですね♪

順番に拝見しています。

(*^^*)

年代によるネタも含めて、受けています。

松さんは、苦手ではあるのですが、上手さとしては

認めざるを得ないと感服しました。

(^^;
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。