ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

坂東玉三郎舞踊公演@八千代座報告1

2005-11-13 21:44:10 | 歌舞伎
たまちさんの八千代座報告1

―待ってました!!(^o^)/―

【船辨慶】

能仕立てとは聞いていましたが、予想以上に「お能」でした。
船頭さんなんて狂言師そのもの!
静御前の台詞は謡っているし、まるで面をかけているかのような見た目
(感情で変化しない)なのに、
静御前の心情がストレートに伝わってくるって、す・スゴイ!

知盛の亡霊は花道の出の時から妖気というか凄味が放たれてて
マジで怖かったのですが、じっと眺めているうちに
「あんな美しい亡霊だったら祟られても悪くないかな・・・」
なんて不謹慎な事を思ってしまいました。

弁慶のお数珠を鳴らしての応戦には場内から少し笑いが起こります。
舞台上ではず~っと流れるような動作が多いですから
パッパッという弁慶の早い動作におかしみを覚えるのですね。
私は祈りで退散させたというより「眼力」で退散させた・・・と感じましたが。
猿四郎さんの山伏の姿、とってもキリッとしてて素敵!
弁慶が、見得とか切るし、一番歌舞伎っぽい感じのするお役でした。

笑三郎さんの義経は、花道の出から本当に気品たっぷりの貴公子で、
まるで雛人形のお内裏様のよう!
これからの運命を暗示させる憂い・哀愁が終始漂い、本当に美しかったです。
私の「義経ランキング」では今回の義経がぶっちぎりのNO.1です。


八千代座公式ホームページ

坂東玉三郎舞踊公演@八千代座報告2

2005-11-13 21:39:26 | 歌舞伎
たまちさんの八千代座報告2

【阿国歌舞伎夢華】

舞台上は桜満開で1部とは違い華やか。
で・そこへ阿国一行が花道より登場し、場内はより一層華やかになります。
揚幕が上がり先頭の笑三郎さんのお顔が見えた時点でどよめきと拍手喝采!
玉三郎さんのお顔が現れると「こんな拍手聞いた事ない!」
というくらいヒート・アップ。
(なんせ前の幕は「亡霊」姿で引っ込みましたしね)

花外へのサービスもてんこもりで、本当に至福の一時です。
(1日目は花外スッポン近くだったのですが、
すごく得した気分になりました)

今度は女形で、吉弥さんと二人踊る笑三郎さんのお姿は、
まるで水を得た魚!綺麗きれい!!

念仏踊りで阿国が舞い念じると、山三が登場。
ご両人の舞いは本当に綺麗でした。
特に阿国の表情!美しくて可愛くて、幸せをかみしめてる・・・って感じですか。
(↑だからより一層哀れ感が増すのよねぇ、夢から覚めた後)
段治郎さんの山三も綺麗でした。
スッポンからの登場時には近くのご年配の男性から
「こりゃよか男やね~!」と感嘆の声が。(でしょ!と私の内心の声)

幽霊だから始終はかなげな表情ではあるのですが、
阿国と見つめ合う一瞬は少しだけ笑みも浮かびます。
最後はスッポンで回転しながらの引っ込みなのですが、
この時の哀しい眼差しが心に突き刺さって・・・く・く・くるしい。
(で・この後の阿国のシーンで涙・なみだです)
いま思い出しても切ないなぁ。

花道スッポン手前で倒れこんだ阿国を、
舞台上から駆け寄ったお菊が起こすのですが、
この時のお国の表情とお菊の様子。
吉弥さんのお菊、優しさがじわ~っと心に染みます。拍手拍手!
幕切れは皆と一生懸命に踊る阿国(途中倒れそうになるのを堪える)なのですが、
舞い落ちる桜の花びらが
より一層華やかさと儚さを表しているのではないでしょうか?

そう言えば、山三に見せる舞の途中
(だったか一緒に舞ってる最中だったか・・・すみません記憶が既に曖昧)
阿国は扇に舞い降りた1弁の花びらを取り払う仕草をします。
「儚い」ものの象徴。それをはらってまた舞いを続ける・・・
そういう意味合いだったのかなぁ…なんてね。

玉さまのカーテン・コール初体験だったのですが、
とってもにこやかでした!
上演順が変更になって本当に良かったです。

実は千穐楽くらいははカーテン・コールがあるはずだ!
と観劇日を選択したのでした。
歌舞伎ではなく舞踏公演だから、実際は毎日カーテン・コールがありました。
千穐楽は通常+1回(舞台上に座ったままでご挨拶)
とにかく拍手が凄かったんです。歓声に笑顔に手を振る姿。
小屋が狭いというのもあるとは思いますが、こんなすごい拍手を
・・・って感じで、帰りは「ライブ耳」になりましたよ(笑)

八千代座という独特の雰囲気のある小屋で観れて、本当に幸せでした。
特に「阿国」はこういう小屋にぴったりですね。
来月は歌舞伎座で船辨慶ですが、
この「船辨慶」は能楽堂でも是非観てみたいと思いました。

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