十一月歌舞伎座:夜の部
昨日、大阪松竹座猿★征手配のため、東京駅に出たついでに(?)
(JR東海ツアーズの「いざ出張大阪」←(笑)プラン利用)
有楽町へ出て、そのまま東銀座へ。連獅子まで幕見してきました。
【日向嶋景清(ひにむかうしまのかげきよ)】
吉キチ(笑)ファンの友人も、ちょっと辛口の感想だったので
逆に、どんなお芝居だろう~と興味が沸いておりました。
吉右衛門さんの書き下ろしということも。
確かに、私にとっても感情移入し難いお芝居でした。
景清が、戦に破れ主君を失い自ら盲となって孤高に?or孤独に?
暮らしているのだけれど、彼のその孤高(もしくは孤独)
に至るまでの悲運、非業も前提、
娘の糸滝が二歳で父と別れ、この度再会に至るまでの来し方や
身を売る決意に至るまでの(←父に金を工面するために)
心の葛藤も前提、いきなり「感動の再会」から始められても…
と言ったあたりで。
なにがどうしてこうなった、が、全部台詞で説明されても
ドラマは生まれ難いかな~と。
やっぱりある程度いきさつの部分のお芝居があって、
その後の「感動の対面」でないとキツイ…
もちろん、歌舞伎には、前段や前提はお約束の上ね、
ということで上演される「見取り」形態もあるけれど
それとはちょっと違いますよね~。作品の意味が。
新作、書き下ろし「小品」であっても、
起承転結や陰影を作って欲しかったかな。起伏に欠ける。
というか、起だけを繋いだら平坦になってしまった?
(え~っと↑景清さんの心持はず~っと“起”っぽいので(~_~;))
(しかし、文章力ないなぁ>自分)
吉右衛門さん演じる景清は、拵えは俊寛テイストで
(ラスト大船では、綺麗になりますが)
(元)武将としての矜持、父親としての苦悩を見せる
って感じで熱演なのですが、
たぶん、脚本を書いた当人だから、文字として書き表してない部分も
(役柄という意味ではなく、単に物語の骨格として)
ご自身の中では、観客が見るもの以上に高い完成度の世界にいる、と
想像するのですが、
そちら側だけで、完結してしまっている?という感じが無きにしも非ずで、
共有感みたいなものが、正直味わえなかった。
他の何かの作品の感想でも書いた言葉なのだけど、
(猿之助さんの出演作品だったかな~?)「父性」って
私は訓練で備わると思っているので、
唐突に「父性」出されてもあまり共感できないかなぁ。。。
役者さんを見る、という部分では、吉右衛門さんも
芝雀さんもニンには合っていて、個々のピースは良かったけれど
全体図は、いまひとつと言ったところでした。
(でも、絵の好みは色々ですからね。
私の並びのおば様は涙ぐみながら、ご覧になっておられました。)
【鞍馬山誉鷹(くらまやまほまれのわかたか)】
中村大改め初代中村鷹之資披露狂言
いや~華やかな一幕でした。
よく、こんなぴったりな狂言があったな~と思ったら、こちらも
大ちゃん改め鷹之資くんのための書き下ろしなのですね~。
だって「鞍馬山」なんていかにもありそうでしょう?
『家庭画報』で感心な記事を読んだばかりだったので
(富十郎さんが富樫で出られた勧進帳のとき、富十郎さんや福助さんに
毎日、黒衣姿でお薄を点て、お菓子も選んで差し上げていたとのこと。)
とっても楽しみにしておりました。
舞台は元気いっぱい、口上でもお行儀よく平伏していて良かったです。
(結構モゾモゾしちゃう子もいるからね・・・年齢にもよるでしょうけれど)
いろいろな場面で、後見の信二郎さんのサポートも素晴らしかったです。
ご自身のお子さんと、先輩俳優のお子さんと、
どちらの舞台の方が緊張するのかな~、なんて余計なことを
チラっと考えてしまいましたけど(笑)
微笑ましく、ほっこりと、幸せな気分なれる一幕です。
【連獅子】
父子で踊られると、より一段と興味倍加の演目ですよね。
猿之助さん×亀ちゃんは父子ではないけど、
舞台に対峙する気迫の質が似ているので、
この伯父甥コンビも大好きなのですが。
高麗屋さんの父子連獅子♪は、初めて拝見したのですが、
意外とあっさりした(まあ、こってりとも予想はしていませんでしたが)
というか、前シテは、なにか劇中劇の中で踊っているような錯覚を覚えました。
(仲蔵の刷り込みか)
後シテはさすが、キャリアの大きな差が露呈した感じで
幸四郎さんも、そんなに多くは廻さないのですが、形は安定。
でも、なぜかスタミナ切れが早かったような・・・?
染五郎さんは、忙しく頭動かしているワリには
毛先がきれいに決まらない場面もあって、だんだん、腰ではなく
肩が揺れてくる感じも見て取れました。
で、ちょっとこの父子のリズムは合ってなかったなぁ・・・
鞍馬山では三響会、三男、連獅子では次男が鼓打ってました~(敬称略・笑)
歌舞伎座HP:11月の演目案内
昨日、大阪松竹座猿★征手配のため、東京駅に出たついでに(?)
(JR東海ツアーズの「いざ出張大阪」←(笑)プラン利用)
有楽町へ出て、そのまま東銀座へ。連獅子まで幕見してきました。
【日向嶋景清(ひにむかうしまのかげきよ)】
吉キチ(笑)ファンの友人も、ちょっと辛口の感想だったので
逆に、どんなお芝居だろう~と興味が沸いておりました。
吉右衛門さんの書き下ろしということも。
確かに、私にとっても感情移入し難いお芝居でした。
景清が、戦に破れ主君を失い自ら盲となって孤高に?or孤独に?
暮らしているのだけれど、彼のその孤高(もしくは孤独)
に至るまでの悲運、非業も前提、
娘の糸滝が二歳で父と別れ、この度再会に至るまでの来し方や
身を売る決意に至るまでの(←父に金を工面するために)
心の葛藤も前提、いきなり「感動の再会」から始められても…
と言ったあたりで。
なにがどうしてこうなった、が、全部台詞で説明されても
ドラマは生まれ難いかな~と。
やっぱりある程度いきさつの部分のお芝居があって、
その後の「感動の対面」でないとキツイ…
もちろん、歌舞伎には、前段や前提はお約束の上ね、
ということで上演される「見取り」形態もあるけれど
それとはちょっと違いますよね~。作品の意味が。
新作、書き下ろし「小品」であっても、
起承転結や陰影を作って欲しかったかな。起伏に欠ける。
というか、起だけを繋いだら平坦になってしまった?
(え~っと↑景清さんの心持はず~っと“起”っぽいので(~_~;))
(しかし、文章力ないなぁ>自分)
吉右衛門さん演じる景清は、拵えは俊寛テイストで
(ラスト大船では、綺麗になりますが)
(元)武将としての矜持、父親としての苦悩を見せる
って感じで熱演なのですが、
たぶん、脚本を書いた当人だから、文字として書き表してない部分も
(役柄という意味ではなく、単に物語の骨格として)
ご自身の中では、観客が見るもの以上に高い完成度の世界にいる、と
想像するのですが、
そちら側だけで、完結してしまっている?という感じが無きにしも非ずで、
共有感みたいなものが、正直味わえなかった。
他の何かの作品の感想でも書いた言葉なのだけど、
(猿之助さんの出演作品だったかな~?)「父性」って
私は訓練で備わると思っているので、
唐突に「父性」出されてもあまり共感できないかなぁ。。。
役者さんを見る、という部分では、吉右衛門さんも
芝雀さんもニンには合っていて、個々のピースは良かったけれど
全体図は、いまひとつと言ったところでした。
(でも、絵の好みは色々ですからね。
私の並びのおば様は涙ぐみながら、ご覧になっておられました。)
【鞍馬山誉鷹(くらまやまほまれのわかたか)】
中村大改め初代中村鷹之資披露狂言
いや~華やかな一幕でした。
よく、こんなぴったりな狂言があったな~と思ったら、こちらも
大ちゃん改め鷹之資くんのための書き下ろしなのですね~。
だって「鞍馬山」なんていかにもありそうでしょう?
『家庭画報』で感心な記事を読んだばかりだったので
(富十郎さんが富樫で出られた勧進帳のとき、富十郎さんや福助さんに
毎日、黒衣姿でお薄を点て、お菓子も選んで差し上げていたとのこと。)
とっても楽しみにしておりました。
舞台は元気いっぱい、口上でもお行儀よく平伏していて良かったです。
(結構モゾモゾしちゃう子もいるからね・・・年齢にもよるでしょうけれど)
いろいろな場面で、後見の信二郎さんのサポートも素晴らしかったです。
ご自身のお子さんと、先輩俳優のお子さんと、
どちらの舞台の方が緊張するのかな~、なんて余計なことを
チラっと考えてしまいましたけど(笑)
微笑ましく、ほっこりと、幸せな気分なれる一幕です。
【連獅子】
父子で踊られると、より一段と興味倍加の演目ですよね。
猿之助さん×亀ちゃんは父子ではないけど、
舞台に対峙する気迫の質が似ているので、
この伯父甥コンビも大好きなのですが。
高麗屋さんの父子連獅子♪は、初めて拝見したのですが、
意外とあっさりした(まあ、こってりとも予想はしていませんでしたが)
というか、前シテは、なにか劇中劇の中で踊っているような錯覚を覚えました。
(仲蔵の刷り込みか)
後シテはさすが、キャリアの大きな差が露呈した感じで
幸四郎さんも、そんなに多くは廻さないのですが、形は安定。
でも、なぜかスタミナ切れが早かったような・・・?
染五郎さんは、忙しく頭動かしているワリには
毛先がきれいに決まらない場面もあって、だんだん、腰ではなく
肩が揺れてくる感じも見て取れました。
で、ちょっとこの父子のリズムは合ってなかったなぁ・・・
鞍馬山では三響会、三男、連獅子では次男が鼓打ってました~(敬称略・笑)
歌舞伎座HP:11月の演目案内