ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

芸術祭十月大歌舞伎:歌舞伎座【昼の部】

2005-10-10 23:13:44 | 歌舞伎
天井桟敷にて観劇。

『廓三番叟』

舞台も客席も明るく、長唄雛壇の緋色や衣装の色合いも綺麗で、
この総あかりでパーッとした場内は、朝イチ、
つくづく歌舞伎座にいるな~と目の覚める感じ。
(予定がズレ、昨日観劇のハズだった三階席手放したら、
10日は三階完売と言われ・・・
今後の予定を鑑みると贅沢も出来ず、幕見並びのため6時半起床

三番叟をもじって・・・と言われても、長唄の歌詞ってかなり好きで
何度も聴いているとか、よほど印象に残る曲でないと
なんとなく雰囲気のみって感じで、あまり意味や文言も理解してないので
帰宅後、『翁千歳三番叟』と『廓三番叟』の歌詞を比べてみました。

う~ん、まさしく本歌取り(爆)
※本歌取り(by goo辞書=(和歌で、古歌の)
「語句・発想・趣向などを取り入れて新しく作歌する手法」

簡単にまとまめると五穀豊穣・国の栄えを祝うという主題は
√廓の豊かぞ祝しける、に趣意がえ←簡単すぎ。

―【追記】―

『加賀見山旧錦絵』

パスを続けた結果、記憶が薄れてきた~

私は、尾上よりお初にかなり感情移入。
あまり、尾上の心の推移が響いてこなかった。ほとんど花道が見えない
という悪条件と、舞台が「遠い」ということのせいもあるかもしれないけど
彼女の心は自己完結しているので、入り込む隙がないというか・・・

草履打ちのあと、長局での尾上はすでに死んでいる人のようだった。
(顔色の消えた表情から、ふと、暗闇の丑松のときの、障子の陰から丑松を
見つめるお米を想い出した。あの時も、すでに死者のような、あるいは生霊
のような、精気の失せた存在だけが、そこにあった。)

尾上は、すでに死んでいる、けれど、物理的な死への過程を
私たちに見せるためにそこにいる、みたいな・・・

だから、彼女が内包しているであろう多様な想い
(プライドや何やかやを含め)よりも、
使いに行かせる初を呼び止めて、最期の名残を求める
といったあたりの単純な場面の方が、ぐっときたりもした。

尾上に文を届けるように言われ、彼女を一人にしてはいけないという
胸騒ぎ、否、ある種の確信から、初はそれを拒むも
主人の命と言われれば逆らえず、
どうしても使いに出なければならなくなった時、
「南無観音様、鬼子母神様」と必死に祈る姿に、ど泣き

はっきりと分かり易いお初の心情と行動は
もしかしたら、観ている私(たち)の代償行為かもしれない。
なので、共感しやすいのかな~。

しかし、菊ちゃん、ちょっと前までは、「綺麗な女形」のヒトだな~
と思っていたけど、ここのところ、「男」っぽくなってしまったよねぇ。
なんか、凛々しい。ま、お初は決して女々しい子ではないけれど、
もっと娘らしくあっていいかな~と思う。単に見かけの問題なのですが。
ふっとした瞬間、男の表情になっていると感じた。
それでも、今回、尾上や岩藤より、私的には親しい存在でした。

おもだかチームから唯一のご出演(ですよね?プログラム未購入のため不明)
猿四郎さん。岩藤チームの奥女中と聞いていたから、コワモテだろうとは
思っていたけれど(まあ、愛嬌のあるチームでもありますが)
怖いだけでなく、老けてる?って作り。せっかく?呼ばれているのだから
お初と込み入った立廻りでもあるのかな~?と期待したけど、すぐ
やっつけられてしまいます(笑)

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