紘一郎雑記帳

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アメリカの柔道の歴史  紘一郎雑記張

2012-03-31 03:23:40 | Weblog

アメリカの柔道の歴史 第2部
  紘一郎雑記張

2月の終わり、その片渕氏に同行して、私も海軍士官学校での稽古に参加した。30人ほどの屈強な学生が整列して、4年生のマット・ステルマク主将が「先生に礼!」と日本語で号令をかけ、練習を始める。 ここまで昨日・・続く・・

 この日はワシントンに短期留学している桐蔭横浜大学の黒瀬遼選手も片渕氏の助手役で加わった。黒瀬選手は60キロ級の全国級選手で、この4月から警視庁勤務が決まっている。

 片渕コーチが基本の投げ技を反復して説明し、学生たちに繰り返させる。黒瀬選手が得意技の背負い投げを解説する。そして自由に攻撃しあう乱取りとなる。熱のこもった練習が一時間半、続いた。学生たちは明らかに強くなっていた。

 同校にもう2年ほど海上自衛隊からの交換士官として勤務する筒井大介3等海佐(B42)も「日本人コーチの指導が始まって以来、学生たちの柔道が目にみえて積極果敢になりました」と語る。

 週5日、練習する部員たちのいまの目標は3月中旬の全米大学選手権大会で優勝することだという。カリフォルニアでの同大会には片渕コーチが同行し、密着指導をするというから東海大学との柔道交流もすっかり軌道に乗ったといえる。

 米海軍士官学校といえば学生数4600人の大学で卒業生の大多数はもちろん海軍や海兵隊の将校となるが、その後に政界や財界で活躍する人も多い。アナポリス出身の大統領や上院議員も珍しくない。そうした役割の大きい教育機関との柔道交流は日米友好の模範だろう。まして他の多くの交流分野と異なり、日本が完全に導き、与える側なのだ。この交流を最初に主導した東海大柔道部の山下泰裕師範が「東日本大震災の際のトモダチ作戦へのお礼をもこめて」と述べているように、日米同盟への寄与といっても、誇張とはならないだろう。
桜祭りの派手な行事の陰でこんな地道な日米交流が進んでいることもぜひ伝えたかった。 この項終わり