紘一郎雑記帳

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日米柔道親善の歴史 紘一郎雑記張

2012-03-30 03:34:41 | Weblog

日米柔道親善の歴史・根付く柔道 
紘一郎雑記張  第1部

産経新聞ワシントン駐在編集特別委員・古森義久

今年は首都ワシントンに日本からの桜の木が贈られてちょうど100年となる。だから3月下旬からの恒例の桜祭りは一世紀の日米友好を記念して、とくに多彩な行事を予定している。だが同じ日米友好でも柔道の交流が桜以前に公式に始まっていた歴史はあまり知られていない。

 108年前の1904年、講道館の山下義韶師範は時のセオドア・ルーズベルト大統領に招かれてホワイトハウスで大統領一家に柔道を教えるようになった。身長162センチの山下氏は190センチの巨漢の米人レスラーと試合して破り、大統領の推薦で米海軍士官学校の柔道教師をも1905年はじめから2年間も務めた。

 だからワシントン近郊のアナポリスにある海軍士官学校と日本の柔道との絆は古い歴史を刻んでいたのだが、山下氏以後、交流が途絶えた。その復活がこのコラムでも伝えたように2010年11月の五輪金メダリストの井上康生氏の訪問だった。井上氏の指導を機に同校はそれまでの柔道クラブの同好会ふうの地位を正式に部に昇格させ、同氏の母校の東海大学柔道部から定期的にコーチを招請するようになった。

 井上氏の次には昨年9月に東海大学助教の大川康隆氏が3週間近く来訪して、指導した。そして今年は1月から同大OBの片渕一真氏が3カ月近くの予定でコーチを務めている。片渕氏は東海大が3年前に全国優勝した際のメンバーで米欧での柔道体験も豊富である。

 2月の終わり、その片渕氏に同行して、私も海軍士官学校での稽古に参加した。30人ほどの屈強な学生が整列して、4年生のマット・ステルマク主将が「先生に礼!」と日本語で号令をかけ、練習を始める。 続く・・