読み聞かせ日記@矢野学習教室(千葉県山武市)

矢野学習教室で読んだ本をご紹介。塾の日記も。

『親愛なるあなたへ』(中学生から紹介されて中学生に紹介した本)

2023年12月23日 | 中高生におすすめの本
12月第2週の中学生国語クラスでは、読書好きの生徒さんから紹介していただいた本を、クラスでも紹介しました。
 この本に登場するのは、中3で小説家「ハル」としてデビューした柿沼春樹。
そして、義理の母と姉と暮らす小倉雪。
二人は同じ藍浜高校に通っています。

同じ高校という接点がある二人なのですが、読み進めていくうちに、読者は驚きの事実を知ることになります。

「親愛なるあなたへ」という言葉は、ハルがファンレターへの返事の書き出しとして使っていた言葉です。
この言葉が、物語の中で色々な意味を持つようになっていきます。

物語は衝撃の展開を迎えますので、人間の闇の部分をあまり見たくない方にはおすすめできないのですが……
「本当に好きなことをしよう!」「気持ちを素直に伝えよう!」と思わされるお話です。

こちらの本を紹介したところ、「塾に紹介したい本を持ってこようかな~」という生徒さんもチラホラ。持ってきてくれるのかな??
今までも私に本を紹介してくれる生徒さんがいましたが、生徒さんが選ぶ本は私自身では選ばないものが多いので、こちらも視野が広がって嬉しいです!

ちなみに、こちらの小説の作者のカンザキイオリさんは、「命に嫌われている。」を作詞・作曲した方です。

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『ラブカは静かに弓を持つ』(中学生に紹介した本)

2023年10月14日 | 中高生におすすめの本
中学生国語クラスでは、月に1、2回本を紹介しています。

昨日は、こちらの本をご紹介しました。
 以前、生徒さんが「この本、気になっているんですよ!!」とおっしゃっていたので、一足お先に読んでみました。

全日本音楽著作権連盟に勤める青年・橘は、上司の命令でミカサ音楽教室のクラスに一般の生徒として潜入調査をすることになります。
そして、その調査命令がきっかけで、ある事件のためにやめてしまったチェロを再び弾くことになるのですが……

少年時代にある事件に遭遇して以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。

人と人との信頼関係。
自分らしい生き方。
幸せってなんなのだろう。

言葉にしてしまうと陳腐になってしまいますが、そんなことを考えさせられて、泣きました。

クラスでは、
・本のあらすじ(ネタバレにならないように、そして、生徒さんたちが「読みたい!」と思ってもらえるくらいは詳しく(?))
・このお話を書くきっかけになったであろう2019年のニュース
・「ラブカ」という生き物について
お話ししました。

生徒さんは興味津々で聞いてくれて、みんなで思うところを話し非常に盛り上がりました!

次回、塾で紹介したいと思える本を教えてくれた生徒さんもいて(←とても気になっている本があるそうなのですが、まだ読んでいないようで)、嬉しかったです。

本は、読む前と読んだ後で、世界が変わって見えるのが魅力です。
塾での本の紹介を通して、生徒さんたちがたくさんの本に出合ってくだされば、本望です!
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『かがみの孤城』(中学生に紹介した本)

2023年04月19日 | 中高生におすすめの本
先週の中学生国語道場クラスでは、こちらの本を紹介しました。
 ある事件をきっかけに、学校へ行けなくなってしまった中1のこころ。
その日も学校に行かずに家にいたら、部屋の鏡が光っていることに気づきます。
こころが手を伸ばすと、こころは鏡の中に吸い込まれていきました…。

鏡の中には大きなお城がありました。
そこに集められたのは、こころと同じ中学生。7人。
オオカミのお面をつけた少女が、7人に伝えます。
「この城の奥には、誰も入れない願いの部屋がある。願いの部屋に入る鍵は、この城に隠されている。そして、鍵を見つけた一人だけが、願いを叶える権利がある。」
鍵を探せる期間は、およそ1年。

鏡の中の世界と現実の世界を行き来する展開によって、7人それぞれが抱える苦悩が見えてきます。
また、この7人の関係性は謎に満ちているのですが、その謎も、読んでいくうちに少しずつ解けていきます。
そして、最後の怒涛の展開、すべてがつながる瞬間!
暗闇に光が差し込むような読後感でした。

苦しいことがあっても、生き続けてほしい。
そして、その苦しみを乗り越えた先には新しい世界が広がっていて、苦しんでいる人を救える側に、自分がなれることもあるのだということを知ってほしい。

中高生にも、もちろんおすすめですが、子どもと関わるすべての大人に読んでいただきたい作品です。特に、教育に携わる大人にとっては、必読の書だと思います!!

クラスの生徒さんたちも、こちらの本の紹介を熱心に聞いてくれました。

2018年、本屋大賞受賞作です。
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『スマホ脳』(中1・中2生に紹介した本)

2023年02月03日 | 中高生におすすめの本
「子どもがずっとスマホを見ていて勉強しない、寝ない」というご相談を、保護者様から時々受けることがあります。
今は、ほとんどの中学生がスマホを持っている時代です。
けれども、大人になってからスマホを持った私から見ると、子ども時代(中高生を含みます)のスマホ利用には、かなり気を付ける必要があると思っています。
そこで、先週の中2英語クラスと中学生国語クラスでは、こちらの本を紹介しました。
 この本を読むと、スマホの使い過ぎが私たちの健康をいかに蝕んでいるかがよくわかります。
全部で10の章で構成されているこちらの本。

・スマホは私たちの最新のドラッグである
・スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響
など、各章のタイトルを見るだけでも衝撃的な内容であることが想像できます。

授業中、私が本の紹介にかける時間は5分なので、今回は、第7章の内容を中心にご紹介しました。
その名も「バカになっていく子供たち」
かなりインパクトがあったようで、お子さんたちは真剣に聞いてくれました。
スマホには、人間の報酬系を活性化させて注目を引くという力があります(詳しくは、本書の第3章「スマホは私たちの最新のドラッグである」をお読みください)。けれども、人間の脳には、衝動に歯止めをかけ報酬を先延ばしにする力もあります。ただ、それを担う前頭葉が成熟するのは一番遅く、25~30歳なのだそうです。ですから、子どもは簡単にスマホ中毒になってしまうのですね…。

ただ、現代社会において、スマホやデジタル機器を使わないで過ごすのは難しいですよね。メリットもたくさんあります。特に、英語学習などにおいては、ネイティブの音声を聞けるスマホは不可欠だと思います。要は、うまく付き合うことが大切なのです。
この本の最後には、「デジタル時代のアドバイス」が載っています。授業では、それについてもいくつかご紹介しました。

私自身、ネットニュースやSNSを見始めてしまうとあっという間に時間がたってしまい、ふと我に返って自己嫌悪に陥るということがありましたので、今は、見る前にタイマーを5分にセットして、タイマーがなったら見るのをやめるということを習慣化しました。以前には、1カ月間SNSを一切見ないということにも挑戦したことがあります。SNSを見ないのが当たり前になると、5分見られるだけでもかなりの満足感です。これを習慣化してから、かなり気持ちがすっきりするようになりました。

こちらの本、スマホを持つお子様と保護者の皆様に、強くお勧めします!
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『毎月新聞』(中学生に紹介した本)

2023年01月13日 | 中高生におすすめの本
今日の中学国語道場クラスでは、中1の教科書に載っているこちらの本を紹介しました。
 筆者の佐藤雅彦さんは、「ピタゴラスイッチ」の監修でご存じの方も多いのではないでしょうか。
保護者世代の皆様には、CMプランナーとしての仕事である、湖池屋の『スコーン』やNECの『バザールでござーる』が記憶に残っている方もいらっしゃるのでは?

こちらは、そんな佐藤雅彦さんが1998年から2002年にかけて、毎日新聞紙上で毎月連載していたエッセイをまとめたものです。
どれも、日常の出来事を独自の視点で展開していて、非常に面白い!

教科書に載っていたのは「たのしい制約」という話で、ちょうどいい制約によって、知性という翼を自由にはばたかせることができるのではないかという内容です。中学生でも読みやすい文章で、さらに考察を深められるせいか、私の記憶にある限りでも、この本からは、高校の入試問題や国語の長文読解演習の文章として少なくとも3話以上取り上げられています。

クラスでは、教科書の内容に加えて、「かもしれないグッズ」というお話も紹介しました。ひとりで読んでいたときに、思わず声を出して笑ってしまったエピソード。人によって、「かもしれないグッズ」は大きく違うのだなぁと考えさせられました。

こちらの本には、先程のような新しい視点から考察を深めるタイプのエッセイの他にも、故人に対する思いが胸に迫ってくる「真夏の葬儀」、青春時代の濃密な時間を思い出す「隣の校庭」など、大人の心に深くしみるお話も載っています。
1話1話の密度が濃く、贅沢な1冊でした。

ちなみに、こちらの連載が始まってから、筆者の佐藤さんは慶応大学に教授としていくことになり、半年後にはだんご3兄弟のブーム、初めての外国の長期滞在など、「社会にとってはさざ波のようなものかもしれないが、個人にとっては激流の如く感じられた4年間」(「あとがき」より)だったそうです。
そして、「毎月、点を打ち、それを線にしていく作業は、自分にとって今何に感じているかということを確認していくということでとても意味があった」と述べられています。

ちなみに、1998年から2002年は、私個人にとっても、大学卒業、結婚、長男出産など激流の如く感じられた4年間でした。この本を読んでいると、「iモード」や「携帯電話」(スマホではない)など、当時の空気を感じます。
皆さんにとって、1998年から2002年はどんな時代でしたか?

こちらの本は、時代を感じる部分がありつつも(そこも面白い)、底流に流れている筆者独自の考え方は2023年の今読んでも新しく、ハッとさせられることも多いです。ひとつのお話は短いので、隙間時間に読むのもおすすめです。考え方の幅が広がるエッセイ集です。

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