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読み聞かせ日記@矢野学習教室(千葉県山武市)

矢野学習教室で読んだ本をご紹介。塾の日記も。

『ツナグ』(中学生に紹介した本)

2023年12月05日 | 命・人生について考える本
11月最終週の中学生国語クラスでは、こちらの本を紹介しました。
 
一生に一度だけ死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。
そして、死者は一度依頼を受けたら、その人以外の誰か別の人から依頼があっても、もう会うことはできません。
「使者(ツナグ)」は、かっこいい部類に入る高校生のような男の子。
彼が、生きる者と死者との再会を叶えていくのですが……

こちらの本は、5つの章から成り立っています。
それぞれ1話ずつ完結するお話なのですが、全ての話が最後につながっていきます。

死者に会いたい依頼主は、突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に本音を話せなかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……そして最後の章で全てのお話が「使者(ツナグ)」を通してつながります。

死とは何なのか、生きるとはどういうことなのか、考えさせられる作品です。

人生で決まっていることは、「生まれて死ぬこと」しかありません。
その間、どう生きていくかはそれぞれの自由であり、毎日の選択がそれぞれの人生を少しずつ、しかし確実に作り上げていっているのだと感じます。
「死」を見つめると、「生」についても考えざるを得なくなります。
読む世代によって感じ方が変わる本だと思いますが、若いうちに一度読んでいただきたい1冊です。

クラスにはこの本を読んだ生徒さんがいましたので、その生徒さんを中心に、内容や続編についてひとしきりみんなで盛り上がりました。

ちなみに、映画化もされています。
 
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『もぐらのほったふかい井戸』(小4に読んだ本)

2023年06月29日 | 命・人生について考える本
6月第2週、第3週の小学生国語クラスでは、こちらの本を読みました。
 もう読み尽くしてしまったと思っていた「大人になっても忘れたくないいもとようこ名作絵本」シリーズ。まだ、ありました!

主人公は、モグ吉というもぐらです。
ほんの子どもでしたが、とてもかしこいもぐらでした。
ある日、畑の小道でお金を見つけたモグ吉。
そして、そのお金で土地を買うのです。
モグ吉は、その土地に井戸を掘り…

絵本ですが、大人が読んでも深いです!
いや、むしろ大人向けの絵本かもしれません。

自分の所有物って、何なのだろう。
幸せって何なのだろう…。

そんなことを考えさせられるお話です。

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『羊と鋼の森』(中学生に紹介した本)

2022年11月26日 | 命・人生について考える本
先月まで、中学生クラスでは「ブックトーク」として1テーマで2冊ずつご紹介していました。ただ、5分という時間の中では1冊じっくり語った方が良いかもしれない…と思うようになり、昨日の授業では1冊だけご紹介しました。

取り上げたのはこちらの本です。
 こちらは、中3国語の教科書(光村図書)の「『私の一冊』を探しにいこう」という単元で、冒頭が紹介されています。
教科書では、この作品のあらすじも紹介されています。
簡単に書くと、「ピアノの音に魅了された青年が、個性豊かな先輩たちやお客さんとの出会いで、調律師として成長していく物語」ということなのですが…この本を読むと、「小説の魅力はあらすじでは全く伝えられない!」と思います。

時間を持て余していて、なんとか就職口を見つけて、生きていければいいと思っていた主人公、外村。
高2の2学期、17歳だった彼が案内を頼まれたのは、調律師の板鳥。
彼の調律に魅了された外村は、調律師を目指すことを決めます。

板鳥さんと同じ会社に入社した外村は、試行錯誤しながら調律師としての道を歩んでいきます。会社には、7年先輩にあたる比喩が独特な柳さん、昔、ピアニストを目指していたけれど調律師になった40代前半の秋野さんなど、個性的なメンバーが。皆、個性は様々ですが、「いい音」を目指して真摯に仕事に取り組んでいる点は同じです。
また、調律先で出会うお客さんも個性豊かで、ピアノの調律を通してそれぞれの人生が垣間見られます。

この本の魅力は、なんと言っても言葉だと思います。
物語は淡々と進んでいくのですが、言葉選びが美しい。
そして、悩みながらも、自分を成長させていこうとする主人公の真っすぐさに胸を打たれます。

私は40代半ばなので、同じく40代の登場人物である秋野さんの気持ちがよく分かります。
一見シニカルな秋野さんの、表には出さない熱い気持ちも。

けれども、できればこの本は、是非若いうちに読んでいただきたいです。
なぜなら、主人公の真っすぐさと苦しみに一番共感できるのは、若いころだと思うからです。
そして、時間を経て読み返すたびに、きっと新たな発見がある本なのだとも思います。

人生を応援してくれるような言葉がたくさんあるこちらの本ですが、クラスでは以下の部分をご紹介しました。
生徒さんたちが、このように気持ちや力を傾けられる何かを見つけられるといいなぁと願いつつ…。

「和音が何かを我慢してピアノを弾くのではなく、努力をしているとも思わずに努力をしていることに意味があると思った。努力していると思ってする努力は、元を取ろうとするから小さく収まってしまう。自分の頭で考えられる範囲内で回収しようとするから、努力は努力のままなのだ。それを努力と思わずにできるから、想像を超えて可能性が広がっていくんだと思う。」

ちなみに、こちらの作品は映画化もされています。
 
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『夏の庭』(中学生向けブックトーク・テーマ「夏」)

2022年07月31日 | 命・人生について考える本
7月第4週の中学生国語クラスでは、ブックトークを行いました。
紹介した本は、こちらです。
 小学6年生の男子3人組は、その中の1人の祖母が亡くなったことをきっかけに、「人の死」について興味を持ち始めます。
そんなとき、近所にもうじき死にそうなおじいさんがいることを知り、その人が死ぬところを見ようと、その家を3人で観察することにします。

夏休みを迎え、3人は塾の夏期講習に毎日通いながら、おじいさんの家の観察をし続けます。そのうち、3人はおじいさんに気づかれてしまうのですが…

おじいさんと3人の距離は少しずつ縮まり、3人の存在によって元気になっていくおじいさん。そして、3人の少年たちはおじいさんから大切なことを教わっていきます。

3人の家庭は、それぞれ事情を抱えています。そんな少年たちは、おじいさんとの交流によって成長していくのです。

「死」を通して、生きることについて考えさせられる作品です。

クラスでは、「人が死ぬところを見たい」という好奇心で、おじいさんを観察し始めたという設定に、多くの生徒さんが驚いていました。そして、先月のブックトークで『西の魔女が死んだ』を読んでいた生徒さんは、こちらの本も読んでいることが判明!今回も「このお話もいいですよね!!」と熱く盛り上がってしまいました。
こちらの本は塾に置いてあります。貸し出しもしていますので、興味のある方は是非読んでみてくださいね!

ちなみに、このお話は映画化もされています。
 
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『さくら子のたんじょう日』(小2に読んだ本)

2021年10月15日 | 命・人生について考える本
宮川ひろさんの作品を気に入った生徒さんからのリクエストで、先週の小2国語クラスではこちらの本を読みました。
 こちらは、内容的には高学年向けのお話なので、小2生には早いかなと思いつつ読みました。

以前、高学年クラスでも読んだことのあるこちらの本。
みごも栗のエピソードや、若くして亡くなったさくら子のおばちゃんとさくら子との関係、さくら子を取り巻く大人たちの愛情…。
家族の形について考えさせられる絵本です。

この絵本を強くリクエストしていた生徒さんでしたが、やはりまだ理解するのは難しかったかもしれません…。
ただ、絵の美しさは印象に残ったようでした。
もう少し大きくなったら、改めて読んでみてもらいたいと思います。
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