読み聞かせ日記@矢野学習教室(千葉県山武市)

矢野学習教室で読んだ本をご紹介。塾の日記も。

『ゴリラは語る』(小3に紹介した本)

2022年12月21日 | 自然・宇宙・生き物・食べ物の本
昨日の小3オンライン国語クラスでは、テキストの長文読解の原典であるこちらの本を読みました。
 この本は、ゴリラ研究の第一人者である山極寿一さんが、ゴリラの群れの中に入って感じたことや考えたこと、ゴリラの研究をするようになった経緯などが書かれています。
表紙に書かれている言葉が「ゴリラの家にホームステイしてだいじなことを教わりました。」。
この一文で、筆者がどのくらい近い距離感でゴリラと過ごしてきたかが、伝わるのではないでしょうか。

小3のテキストに載っていたのは、本の初めの方に書かれていた「ゴリラの調査の仕方」についての文章ですが、実は本書は「15歳の寺子屋」というシリーズの1冊でもあり、15歳の少年少女向けに書かれたものなのです。そして、恋と友情、家族、戦争、自然などについて考えるきっかけをくれる、実に奥が深い本なのです。

印象深かったエピソードはたくさんあるのですが、私が最も心に残ったのは6歳の子どもゴリラのタイタスについての話です。
アフリカの赤道直下の地域では、突然激しい雨が降ることがよくあるそうです。ある日、突然の豪雨を避けるために、筆者は木の洞に逃げ込みました。すると、タイタスも入ってきたのです。狭い洞の中は、一人と一頭で満員状態。雨が通り過ぎるのを、ただじっと待っていた一人と一頭でしたが…

このエピソードは本当にほほえましく、筆者とゴリラとの関係性が分かります。本の最後の方には、タイタスの今までの経験についても明かされているのですが、人間からひどい仕打ちを受けたタイタスがここまで人間に心を開いてくれるということにも、驚かされます。

また、「だれかのために生きる」という章では、ゴリラの父親の偉大さが書かれています。筆者は、自分が結婚するとか、家族を作るなどということは若いころは全く想像できなかったそうなのですが、カッコいいゴリラの「大人」たちに出会って考えが変わったとのこと。確かに、ここに登場するゴリラの大人(父親)たちは、カッコいい!このゴリラのカッコよさは、若者の皆さん(特に男性陣)に是非知っていただきたい!!守るべき家族を作りたくなるかも。そして、カッコいい父親になりたくなるかも!

この本の文章は、小学生の長文読解問題だけでなく、中学生の長文読解問題でもよく取り上げられています。試験対策として一読しておくというのも、もちろん「あり」ですが、先ほども述べたように、考えるきっかけをたくさんくれる本でもありますので、小中学生の皆さんに是非読んでいただきたい1冊です。
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村  ←いつも読んでくださりありがとうございます!ランキングに参加しています。クリックしていただけると嬉しいです!

塾教育ランキング ←こちらもクリックしていただけると嬉しいです!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「クマは『クマッ』となく?!」(小3に紹介した本)

2022年12月16日 | 自然・宇宙・生き物・食べ物の本
今週の小3オンライン国語クラスでは、こちらの本をご紹介しました。
 この本では、現地に行って野生動物が残したフンや足跡、食べ物のあとなどを見つけながら、動物の行動を推理する「フィールドワーク」を20年以上続けている著者が、動物についての様々な面白い話を披露してくれます。

タイトルの「クマは『クマッ』となく?!」も、実際にあった出来事のようです。
本書には46話ものお話が載っていて、どれも「へええーーー!」と驚くような話ばかり。
小3の国語テキストに載っていたのは「ホタルはすごい!」というお話です。
こちらのお話には、ホタルがホタル自身で自分たちの身を守り、田んぼの環境も守った素敵なエピソードがつづられています。
どのお話も、2ページから4ページの短いものばかりで一話完結なので、ちょっとした短い時間に楽しむことができます。

授業では、作者についての簡単な説明と、この本の最後に載っている「おまけ」のページにある生態系ピラミッドの話をしました。このページには、著者が講演会や環境教育の授業で使っている「秘密兵器」が公開されています。仕掛けは単純なのですが、子どもたちが直感的に理解できるこの「秘密兵器」は、生態系について教えるには最適な方法だと思います。

普段自然に囲まれて過ごしている私は、虫や動物、鳥が常に周りにいるのが当たり前の感覚です。そして、草木や動物の死骸を分解者が分解してくれて、その分解したものを植物が栄養にして育ち、それを虫が食べ、その虫を小動物が食べ…という循環も常に感じながら生活しています。

ただ、都会で生活しているお子さんたちは、この感覚を持つのはなかなか難しいかもしれません。けれども、どこに住んでいようと、人々が食べている野菜や果物などの食べ物の多くは自然いっぱいの場所で育っていて、人々の生活は自然によって支えられているのです。これからの世の中を生きていくお子さんたちには、意識的に自然に触れたり、このような本を読んだりして、生態系や自然環境を考える習慣をつけていただきたいと思っています。
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村  ←いつも読んでくださりありがとうございます!ランキングに参加しています。クリックしていただけると嬉しいです!

塾教育ランキング ←こちらもクリックしていただけると嬉しいです!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『子どもに語るイタリアの昔話』(小3に紹介した本)

2022年12月14日 | 童話・昔話・名作
先週の小3国語オンラインクラスでは、テキストに載っていた文章が収録されているこちらの本をご紹介しました。
 この本には、イタリアの昔話が15話載っています。
テキストに載っていたお話は、「やせたメンドリ」です。

貧乏なおばあさんに飼われていて、あまりえさがもらえなかったメンドリがいました。メンドリは太ることができず、たまごを生むこともできません。そこで、メンドリは山へ行って太ってくることにしました。
すると、山のふもとで、キツネが一匹しげみから出てきて、メンドリに飛びかかろうとしました。メンドリはキツネに「こんなにやせていては、おなかの足しにもならないでしょう。これから山へ太りに行くところです。夏の間にたまごを生んで、生まれた子どもたちも、大勢連れて帰ってきます。それまで待っていてくださいな。」と約束します。
メンドリは山につくと、草や木の実をいっぱい食べて太り、そしてたまごも12個生み、ひながかえりました。

やがて、秋になったので、メンドリはおばあさんの家に帰ることにするのですが…。

メンドリの知恵に感心させられるお話です。

他にも、「赤ずきん」に似た話があったり、幽霊や骸骨が出てくる少し怖い話があったり、様々なタイプのお話を楽しめます。

訳・再話を担当された剣持弘子さんによる「あとがき」も読みごたえがあります。子育てと並行してイタリア語を学ばれ、留学までされた剣持さんの生き方にも感銘を受けました。私も、年齢にとらわれず、いつまでも挑戦する気持ちを持ち続けていきたいです。

また、再話協力を担当された「語り手」の平田美恵子さんによる、「お話について 語る人のために」も、とても勉強になりました。読み聞かせの参考になると思います。
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村  ←いつも読んでくださりありがとうございます!ランキングに参加しています。クリックしていただけると嬉しいです!

塾教育ランキング ←こちらもクリックしていただけると嬉しいです!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリスマスの絵本④・自分のための絵本

2022年12月12日 | 行事関係の本
先週火曜日から、全4回でご紹介してきましたクリスマス本。
今回は、④です。

④ 現在私が趣味で読んでいるクリスマス本←今回はココ

「ざっくり」という言葉には、「本の対象年齢なんて、個人の成長や趣味で全然違うでしょうに!」という私の気持ちが込められております。

お子様へのプレゼントや読み聞かせなどのご参考になれば、幸いです!
今回は2冊です。(絵本のタイトルをクリックすると、その本のブログ記事に行けます。お話のあらすじやお子様の反応などを書いております。)

まず、1冊目はこちら。
ターシャ・テューダーのクリスマス
 ターシャ・テューダーというアメリカの絵本作家をご存じでしょうか。
彼女は92歳で亡くなるまで、バーモント州の30万坪の広大な土地で、自然に囲まれた暮らしを営んでいた方です。
この本では、12月6日のセント・ニコラスの誕生日から始まるアドヴェント(降臨節)の過ごし方、クリスマスツリー、クリスマスディナーなど、ターシャのクリスマスがたくさんの文章や写真とともに紹介されています。
自然のもので作られた手作りのクリスマス。
どのページを読んでも、本当に素敵です。

2冊目は、そんなクリスマスをターシャが描いたこちらの本。
 
私が今の自然豊かな場所に移り住んだのは、ターシャの影響も多分にあります。また、私の母の実家は、山々や水田、きれいな川に囲まれた場所にあり、幼い頃は毎年のように、夏に帰省していました。そこが大好きだったことも、影響しているのかもしれません。

自然の中で過ごすと、季節の移ろいを、植物の芽生えや虫の音、鳥の声で感じたり、花や果物、野菜など、自然の恵みを楽しめたりなど、毎日生活しているだけで面白いのです。

それでは、皆さま、楽しいクリスマスをお過ごしください!

次回のブログからは、授業で紹介した本や読んだ本について書いていきます。
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村  ←いつも読んでくださりありがとうございます!ランキングに参加しています。クリックしていただけると嬉しいです!

塾教育ランキング ←こちらもクリックしていただけると嬉しいです!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリスマスの絵本③・英語絵本

2022年12月10日 | 行事関係の本
今週火曜日から、全4回でご紹介しようと思っているクリスマス本。
今回は、③です。

③ 英語絵本←今回はココ
④ 現在私が趣味で読んでいるクリスマス本(←「いや、それはいらんだろ」という話もあるかもしれませんが…)

「ざっくり」という言葉には、「本の対象年齢なんて、個人の成長や趣味で全然違うでしょうに!」という私の気持ちが込められております。

お子様へのプレゼントや読み聞かせなどのご参考になれば、幸いです!
今回は3冊です。以前、小学生英語クラスで読んだものを集めました。
では、参りましょう!(絵本のタイトルをクリックすると、その本のブログ記事に行けます。お話のあらすじやお子様の反応などを書いております。)

 
 

ご家庭でのパーティーのBGMには、こちらもおすすめです。
 

次回は、私が今、自分のために(←完全に自分の趣味ですね…)読んでいるクリスマスの本をご紹介します。保護者の方の「癒し時間」に役立ちましたら幸いです。

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村  ←いつも読んでくださりありがとうございます!ランキングに参加しています。クリックしていただけると嬉しいです!

塾教育ランキング ←こちらもクリックしていただけると嬉しいです!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする