読み聞かせ日記@矢野学習教室(千葉県山武市)

矢野学習教室で読んだ本をご紹介。塾の日記も。

『毎月新聞』(中学生に紹介した本)

2023年01月13日 | 中高生におすすめの本
今日の中学国語道場クラスでは、中1の教科書に載っているこちらの本を紹介しました。
 筆者の佐藤雅彦さんは、「ピタゴラスイッチ」の監修でご存じの方も多いのではないでしょうか。
保護者世代の皆様には、CMプランナーとしての仕事である、湖池屋の『スコーン』やNECの『バザールでござーる』が記憶に残っている方もいらっしゃるのでは?

こちらは、そんな佐藤雅彦さんが1998年から2002年にかけて、毎日新聞紙上で毎月連載していたエッセイをまとめたものです。
どれも、日常の出来事を独自の視点で展開していて、非常に面白い!

教科書に載っていたのは「たのしい制約」という話で、ちょうどいい制約によって、知性という翼を自由にはばたかせることができるのではないかという内容です。中学生でも読みやすい文章で、さらに考察を深められるせいか、私の記憶にある限りでも、この本からは、高校の入試問題や国語の長文読解演習の文章として少なくとも3話以上取り上げられています。

クラスでは、教科書の内容に加えて、「かもしれないグッズ」というお話も紹介しました。ひとりで読んでいたときに、思わず声を出して笑ってしまったエピソード。人によって、「かもしれないグッズ」は大きく違うのだなぁと考えさせられました。

こちらの本には、先程のような新しい視点から考察を深めるタイプのエッセイの他にも、故人に対する思いが胸に迫ってくる「真夏の葬儀」、青春時代の濃密な時間を思い出す「隣の校庭」など、大人の心に深くしみるお話も載っています。
1話1話の密度が濃く、贅沢な1冊でした。

ちなみに、こちらの連載が始まってから、筆者の佐藤さんは慶応大学に教授としていくことになり、半年後にはだんご3兄弟のブーム、初めての外国の長期滞在など、「社会にとってはさざ波のようなものかもしれないが、個人にとっては激流の如く感じられた4年間」(「あとがき」より)だったそうです。
そして、「毎月、点を打ち、それを線にしていく作業は、自分にとって今何に感じているかということを確認していくということでとても意味があった」と述べられています。

ちなみに、1998年から2002年は、私個人にとっても、大学卒業、結婚、長男出産など激流の如く感じられた4年間でした。この本を読んでいると、「iモード」や「携帯電話」(スマホではない)など、当時の空気を感じます。
皆さんにとって、1998年から2002年はどんな時代でしたか?

こちらの本は、時代を感じる部分がありつつも(そこも面白い)、底流に流れている筆者独自の考え方は2023年の今読んでも新しく、ハッとさせられることも多いです。ひとつのお話は短いので、隙間時間に読むのもおすすめです。考え方の幅が広がるエッセイ集です。

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村  ←いつも読んでくださりありがとうございます!ランキングに参加しています。クリックしていただけると嬉しいです!

塾教育ランキング ←こちらもクリックしていただけると嬉しいです!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『天までひびけ!ドンドコ太... | トップ | 図書館は私の本棚 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

中高生におすすめの本」カテゴリの最新記事