Spenker Winery Estate Bottled Zinfancel Lodi 2010
【スペンカー】 ≪Spenker Winery≫
■悠久の時を経て……スペンカー、ここに復活。
◎1903年創業、ジンのスペシャリストが迎えた宿命の刻。
造り手を問わず珍重される葡萄樹に "オールド・ヴァイン" があります。歳を重ねた所謂「古樹」というものは、地中深くに根を張り巡らせて大地の奥底から養分を吸い上げ、若い木では絶対に出せない魅惑の旨みを果実として実らせます。技術(人)や道具(樽など)はお金を出せば買えますが、樹齢ばかりはどうにもなりません。それを生み出すことが出来るのは唯一「時間」のみです。
ただし良いことばかりではありません。生命力あふれる若い樹とは異なり、高樹齢の葡萄樹は非常にデリケートで、丹念に手入れを行わないとたちまち駄目になってしまいます。また、その命は永遠ではありません。どんなに大切に扱っても寿命が来てしまうと満足な果実を実らせることが出来ず、植え替えを余儀なくされます。
2003年、そんな憂き目を迎えてしまった造り手がスペンカー。私イナムラ@てんちょが愛して止まぬ、素晴らしきジンファンデルの先駆者です。スペンカーが抱える葡萄樹は、最古のもので1902年植樹、つまり最高樹齢で優に100年を超えるという神秘のオールド・ヴァインでした。
もう何年前になるでしょう?確か、私イナムラ@てんちょがこのジンファンデルと初めて出会ったのは1990年代の後半だったと思います。飲んだ瞬間に恍惚感におそわれ、あまりのショッキングな美味しさから当時のNo.1お勧めジンファンデル…としてご紹介をスタートしました。今も残っている私イナムラの当時のご案内文章には、「これはロダイ地区から躍り出たスーパースターの卵です」と記してありました。
それから毎年ご案内を続け、累計販売本数は700本を突破。そして迎えた2003年ヴィンテージ…ワイン到着と同時に、残念な告知もが付随することとなりました。
今回スペンカーが誇るジンの100年古樹は、遂にその寿命を迎えてしまい、ワイナリーが満足行く果実を実らすこと事が出来なくなり、結果、植え替えを行うことが決定してしまったのです。2003年を最後に引き抜かれてしまったスペンカーの古木たち。ワインとしても'04年から'06年ヴィンテージは存在せず、'07年ヴィンテージより新しい葡萄樹から造られたスペンカーがリリースされました。ところが・・・(後半へ)
▼スペンカー・ワイナリー(Spenker Winery)
ロダイで3代にわたってジンファンデルだけを栽培している夫婦二人三脚の、まじめで、まじめな、偉大なるグロウワー 『スペンカー』。1902年に設立者のフリッツ・スペンカー氏がロダイにジンの葡萄樹を植えたところからスタートします。1990年代まで、実に約90年間はワイナリーではなくグロウワー…ブドウ栽培一筋でした。一流は一流を呼び込むものです。彼らの素晴らしい果実は、ご存知【★★★★★】生産者 『ターリー』、パーカー曰く「恐るべきジンの道標」なる 『ロバート・ビアレ』、当店でもシリーズ1200本完売の 『ジェシーズ・グローヴ』 といったジンの達人達がこぞって買い付けに来るほどでした。1995年より満を持して自からの名でワインリリースを開始。デヴュー・ヴィンテージでいきなり【WS90点】を獲得し、グロウワーのみならずワイナリーとしてもスペンカーは一躍陽の目を浴びることとなります。
カリフォルニアの歴史的傑出年となった'97年ヴィンテージでは、「まるでターリーの双子の様相を呈している。」という当時のジン生産者としては最高のホメコトバにて賞賛され、価格はターリーの半分以下とあって大いにジン・ファンを喜ばせ、高品質のブティック・ワイナリーとして知られるようになりました。
しかしワイン造りが大きく取り上げられても、そのひたむきさや真面目さは全く変わりません。手掛けるジンは 『エステート・ボトルド』 これただ1銘柄だけ。その生産量もわずか≪1000ケース台≫のみという少なさ。造れば造っただけ売れるほどのワインです。ですが夫妻は自らの生産はこれだけに抑え、あとは変わらず周囲のワイナリーのために、その声に耳を傾けて葡萄を育て、出荷を続けてきました。彼らのワインがどれだけ有名になっても、スペンカー・ファミリーはあくまで "栽培家" を自負しています。
'07年に復活したスペンカーでしたが、この年は日本への輸入は無し。待望の国内復活は'08年ヴィンテージからでした。輸入再開報を受けた私共は、飛びつくように試飲させて頂きました。が……残念ながらその味わいに、スペンカーの面影は残されていませんでした。
スペンカー自らもそれを判っていたのでしょうか?ワイン名称もラベルも変えてリリースされ(詳細後述)、全くの別物となってしまった'08年スペンカー。私共はこれを "スペンカーの復活" とはとても申し上げることができず、ただただ残念な想いに苛まれました。「もうあの味わいが帰ってくることは無いのだろか…」と寂しさに包まれながらも迎えた最新2009年ヴィンテージ。
スペンカーは、やってくれました。
◎スペンカー、「真の」復活。
凝縮感や嘗てのマロ味などはまだまだこれから…(或いは意図的なスタイルの変遷)と見え、全体的にスリムかつ軽快にはなってはいます。しかし小慣れたきめ細やかなタンニン、それ自体が持つ果実味の旨味などは確かにスペンカーのもの。そして味わいの差分はきっちり価格にも反映されています。定価ベースで旧4,700円より1,500円の値下げと、加えて当店特価により約四割ものプライス・カットが実現しております。
これならば単純にこの価格帯のジンファンデルとして確実にオススメできるものであり、またこの味わいの "舞い戻り" を自ら実感してのことか、「スペンカー・ラベル」もまた帰ってきました。更なる樹齢の積み重ねを経て、スペンカーは益々スペンカーらしさを取り戻していくものと思いますが、、、
●当店はこの「2009年を以って」スペンカーの復活とさせて頂きます。
●スペンカー ジンファンデル "エステート・ボトルド" ロダイ [2010]
●ここに迎えたスペンカー「真の」復活。
'03年を以って葡萄樹の植え替えを行い、'04年~'06年までは生産の無かったスペンカー・ジンファンデル。悠久の時を経て、'09年に「真の」復活を迎えました。真の…と申し上げるには理由があり、正確には'09年がスペンカーの復活ヴィンテージというわけではありません。
▼ラスティック・レッド?(Rustic Red Estate)
実はスペンカーの本国での生産復活は'07年ヴィンテージから。日本への輸入も、'08年から再開しておりました。
待ち望んだスペンカーの再来となった'08年。はやる気持ちを抑え、私どもは早速1本取り寄せて試飲に臨みました。…ところがその味わいは私どもが描くスペンカーのイメージとはかけ離れ、抜栓当日、そして数日後まで経過を見るも、残念ながらそこに面影や美味しさを汲み取ることはできませんでした。スペンカー自らもそれを察していたのでしょうか?名称には「ラスティック・レッド」(Rustic:ひなびた、純朴な、飾り気の無い、粗野な…などの意)とのサブ・タイトルが付けられ、ラベル・デザインにしても一新(左画像)。実際手にしてお飲みになり、嘗てのスペンカーとは全くの別物になっていた'08年に肩を落とされた方も少なくないはずです。私共もジンファンデル好きとして、カリフォルニア専門店として、そして何よりスペンカー愛好家として、このワインで「スペンカーの復活」を謳うこと、皆様に販売すること、ましてや推奨することはどうしても憚られ、弊社での取り扱いは見合わせ…とさせて頂きました。
しかしそこはジンのスペシャリスト、スペンカーです。そんな "ラスティック" を間に経て到着した'09年にて、早くも軌道修正を行い、見事な復活劇を見せ付けてくれました。そしてこの度のご案内は、復活二年目の'10年となります。
確かに嘗ての凝縮した過熟一歩手前のような、あの濃厚なエキスが噴出するような妖艶な姿ではありません。高い糖度やアルコールを保ちながらも、美しい酸味、朗らかな爽やかさを打ち出しており、量感の中にむしろ洗練性や繊細さを表現するスタイルになっています。しかしこの変化はトレンドを含めたスペンカーの "意図的なもの" と言えるかもしれません。実際スペンカーでは以前よりも収穫タイミングを早め、樽を変更(後述)するなどの改良を加えており、良い意味でスリムになったこの綺麗な酒質や滑らかさは、彼らの「狙い」ともとれます。一方で溶け込みを感じるキメの細やかなタンニン、それ自体に果実甘味を含む旨味の個性的表現、小慣れた複雑味などはまさしくスペンカー。品質に関しては完全に蘇ったと言えます。この味わいの舞い戻りがまるでリンクしているかのように、'09年からのスペンカーは、名称から「ラスティック」の副題が取り除かれ、ラベル・デザインも旧型に近い、復刻版のようなデザインになりました。これをスペンカー自らの自信の回復…と見るのは邪推でしょうか。
それでももし嘗ての味わいとの差分を指摘する場合、できれば、この価格改定も考慮頂けると有難いです。定価ベースで旧4,700円から3,200円へと1,500円もの値下げ、加えて当店特価が加わることで、実質 "四割近く" ものプライス・カットが実現しています。4,700円からの一挙2,000円台への突入は、隔たりを補って余りある十分すぎるほどのもの。単純に2,000円台のジンとして見て頂ければ、充実感足る内容ではないかと思います。
◎ヴィンテージが2009年になりました。【2013.7.27更新】
(→'09年のお客様試飲では、その支持率にてメデューサ('06年)&リッジ・イースト・ベンチ('09年)にも勝利)。
'10年のスペンカーも、豊富なアロマを漂わせ、舌触りに粘性と密度のある甘みを感じさせます。ただ、寒冷の年だったせいか(あくまでZin.にしては)ロースト味を伴ったオーク・ヴァニラの中に、どこか青みある香味を感じさせます。プラムやブラック・チェリー、バタースカッチやエスプレッソなどで構成され、柔らかなタンニンと乳酸系の酸味が溶け込みます。'09年ほどの大きさは無く、逆にまとまりある印象。いい労作です。
ここまでクオリティーを戻すための努力は相当のものであったと思います。植え替えを行う際も、嘗ての枝を残しておき、新たな台木への接ぎ木を試みたり、樽にしてもこれまでアメリカン・オークを使っていたものを、フレンチ・アメリカン(フランスの樽メーカーによって、独自のトースト技術を用いて造られたアメリカン・オーク。純アメリカン・オークよりコストが高いが、フレンチ・オークほどではなく、樽香の影響も純アメリカンほど強く出ないと言われており、近年流行の兆しを見せているそうです)に移行するなど、相変わらずの真面目な取り組みが見られます。
●覚えておいて下さい。スペンカー「真の復活」は'09年から。
(YANAGIYAより)
スペンカー・ジンファンデル・エステート '10
Spenker Zinfandel Estate '10
産地 アメリカ
カリフォルニア州 / ロダイ
このワインのワイナリー情報
容量 750ml 希望小売価格(税別) ¥3,200-
分類 果実酒 タイプ 赤/辛口/重
アルコール度 15.5%
年間生産量 235ダース 栽培面積
ヘクタール当り収量
土壌
ぶどう品種 ジンファンデル89%/シラー8%/プティ・シラー3%
ヴィンテージ特徴 記録的な冷涼な年となり、ロダイでは長い栽培シーズンにより、バランスの良いブドウが実った。
栽培
醸造
熟成 培養酵母使用/ステンレスタンク発酵/アメリカンオーク樽熟成(仏セガン・モロー社、新樽比率40%)
瓶詰日/販売日 /
ワイン味わい 記録的な冷夏となった2010年は、長い栽培シーズンにより、酸と糖度のバランスのよいブドウが実った。ブラックチェリーとプラムの果実味を、バニラと杉の風味が覆い、充実した果実の味わいを提供。わずかにシラー、プティ・シラーがブレンドされ、滑らかなテクスチャーとスパイシーさを補っている。
(ヴィレッジ・セラーズより)
(*)YANAGIYAより購入。3,219円。
抜栓日:2014年4月14日
インポーター:ヴィレッジ・セラーズ
コルク:ワイナリー名とホームページアドレス、電話番号が刻印されています。45mm。
液漏れ:なし
グラス:リーデルのオーヴァチュアを使用しました。
色:濃い目のパープルルビー。イメージとしてダークカラーという感じ。
エッジ:
脚:なかなかの粘調度。たらり~っと落ちてきます。
香り:のっけに樽香というか杉の木香、バニラ香がどーんと来て、そのなかにアメリカンチェリー、ブラックペッパー、プラムの香り。スワリングでややとんがったイメージの香り。ママちゃんも開口一番「バニラ!」と言っていました。徐々にロースト香が出てきました。
タンニン:歯茎には渋みとしてあまり来ませんが、しっかりとしたタンニン。全然ギスギスしていませんがフレッシュなタンニンです。
味:ものすごい濃厚な味わい。酸もほどよくあります。とにかく濃い。果実甘味が半端なく、口の中から液体が消えた後に、ミント系のハーブが残っているかのような後口。ぶどうの完熟感が半端ないワインです。ものすごい濃い紫の果実をギューッと絞ってどろどろにしたようなイメージ。肉付きがとても良いワインです。
これは、なんかTボーンステーキと一緒!って感じ。
そうそう、さっきサイトを色々見ていてでてきたのが、「アマローネににている」の文字。そう確かにそんな感じ。
【スペンカー】 ≪Spenker Winery≫
■悠久の時を経て……スペンカー、ここに復活。
◎1903年創業、ジンのスペシャリストが迎えた宿命の刻。
造り手を問わず珍重される葡萄樹に "オールド・ヴァイン" があります。歳を重ねた所謂「古樹」というものは、地中深くに根を張り巡らせて大地の奥底から養分を吸い上げ、若い木では絶対に出せない魅惑の旨みを果実として実らせます。技術(人)や道具(樽など)はお金を出せば買えますが、樹齢ばかりはどうにもなりません。それを生み出すことが出来るのは唯一「時間」のみです。
ただし良いことばかりではありません。生命力あふれる若い樹とは異なり、高樹齢の葡萄樹は非常にデリケートで、丹念に手入れを行わないとたちまち駄目になってしまいます。また、その命は永遠ではありません。どんなに大切に扱っても寿命が来てしまうと満足な果実を実らせることが出来ず、植え替えを余儀なくされます。
2003年、そんな憂き目を迎えてしまった造り手がスペンカー。私イナムラ@てんちょが愛して止まぬ、素晴らしきジンファンデルの先駆者です。スペンカーが抱える葡萄樹は、最古のもので1902年植樹、つまり最高樹齢で優に100年を超えるという神秘のオールド・ヴァインでした。
もう何年前になるでしょう?確か、私イナムラ@てんちょがこのジンファンデルと初めて出会ったのは1990年代の後半だったと思います。飲んだ瞬間に恍惚感におそわれ、あまりのショッキングな美味しさから当時のNo.1お勧めジンファンデル…としてご紹介をスタートしました。今も残っている私イナムラの当時のご案内文章には、「これはロダイ地区から躍り出たスーパースターの卵です」と記してありました。
それから毎年ご案内を続け、累計販売本数は700本を突破。そして迎えた2003年ヴィンテージ…ワイン到着と同時に、残念な告知もが付随することとなりました。
今回スペンカーが誇るジンの100年古樹は、遂にその寿命を迎えてしまい、ワイナリーが満足行く果実を実らすこと事が出来なくなり、結果、植え替えを行うことが決定してしまったのです。2003年を最後に引き抜かれてしまったスペンカーの古木たち。ワインとしても'04年から'06年ヴィンテージは存在せず、'07年ヴィンテージより新しい葡萄樹から造られたスペンカーがリリースされました。ところが・・・(後半へ)
▼スペンカー・ワイナリー(Spenker Winery)
ロダイで3代にわたってジンファンデルだけを栽培している夫婦二人三脚の、まじめで、まじめな、偉大なるグロウワー 『スペンカー』。1902年に設立者のフリッツ・スペンカー氏がロダイにジンの葡萄樹を植えたところからスタートします。1990年代まで、実に約90年間はワイナリーではなくグロウワー…ブドウ栽培一筋でした。一流は一流を呼び込むものです。彼らの素晴らしい果実は、ご存知【★★★★★】生産者 『ターリー』、パーカー曰く「恐るべきジンの道標」なる 『ロバート・ビアレ』、当店でもシリーズ1200本完売の 『ジェシーズ・グローヴ』 といったジンの達人達がこぞって買い付けに来るほどでした。1995年より満を持して自からの名でワインリリースを開始。デヴュー・ヴィンテージでいきなり【WS90点】を獲得し、グロウワーのみならずワイナリーとしてもスペンカーは一躍陽の目を浴びることとなります。
カリフォルニアの歴史的傑出年となった'97年ヴィンテージでは、「まるでターリーの双子の様相を呈している。」という当時のジン生産者としては最高のホメコトバにて賞賛され、価格はターリーの半分以下とあって大いにジン・ファンを喜ばせ、高品質のブティック・ワイナリーとして知られるようになりました。
しかしワイン造りが大きく取り上げられても、そのひたむきさや真面目さは全く変わりません。手掛けるジンは 『エステート・ボトルド』 これただ1銘柄だけ。その生産量もわずか≪1000ケース台≫のみという少なさ。造れば造っただけ売れるほどのワインです。ですが夫妻は自らの生産はこれだけに抑え、あとは変わらず周囲のワイナリーのために、その声に耳を傾けて葡萄を育て、出荷を続けてきました。彼らのワインがどれだけ有名になっても、スペンカー・ファミリーはあくまで "栽培家" を自負しています。
'07年に復活したスペンカーでしたが、この年は日本への輸入は無し。待望の国内復活は'08年ヴィンテージからでした。輸入再開報を受けた私共は、飛びつくように試飲させて頂きました。が……残念ながらその味わいに、スペンカーの面影は残されていませんでした。
スペンカー自らもそれを判っていたのでしょうか?ワイン名称もラベルも変えてリリースされ(詳細後述)、全くの別物となってしまった'08年スペンカー。私共はこれを "スペンカーの復活" とはとても申し上げることができず、ただただ残念な想いに苛まれました。「もうあの味わいが帰ってくることは無いのだろか…」と寂しさに包まれながらも迎えた最新2009年ヴィンテージ。
スペンカーは、やってくれました。
◎スペンカー、「真の」復活。
凝縮感や嘗てのマロ味などはまだまだこれから…(或いは意図的なスタイルの変遷)と見え、全体的にスリムかつ軽快にはなってはいます。しかし小慣れたきめ細やかなタンニン、それ自体が持つ果実味の旨味などは確かにスペンカーのもの。そして味わいの差分はきっちり価格にも反映されています。定価ベースで旧4,700円より1,500円の値下げと、加えて当店特価により約四割ものプライス・カットが実現しております。
これならば単純にこの価格帯のジンファンデルとして確実にオススメできるものであり、またこの味わいの "舞い戻り" を自ら実感してのことか、「スペンカー・ラベル」もまた帰ってきました。更なる樹齢の積み重ねを経て、スペンカーは益々スペンカーらしさを取り戻していくものと思いますが、、、
●当店はこの「2009年を以って」スペンカーの復活とさせて頂きます。
●スペンカー ジンファンデル "エステート・ボトルド" ロダイ [2010]
●ここに迎えたスペンカー「真の」復活。
'03年を以って葡萄樹の植え替えを行い、'04年~'06年までは生産の無かったスペンカー・ジンファンデル。悠久の時を経て、'09年に「真の」復活を迎えました。真の…と申し上げるには理由があり、正確には'09年がスペンカーの復活ヴィンテージというわけではありません。
▼ラスティック・レッド?(Rustic Red Estate)
実はスペンカーの本国での生産復活は'07年ヴィンテージから。日本への輸入も、'08年から再開しておりました。
待ち望んだスペンカーの再来となった'08年。はやる気持ちを抑え、私どもは早速1本取り寄せて試飲に臨みました。…ところがその味わいは私どもが描くスペンカーのイメージとはかけ離れ、抜栓当日、そして数日後まで経過を見るも、残念ながらそこに面影や美味しさを汲み取ることはできませんでした。スペンカー自らもそれを察していたのでしょうか?名称には「ラスティック・レッド」(Rustic:ひなびた、純朴な、飾り気の無い、粗野な…などの意)とのサブ・タイトルが付けられ、ラベル・デザインにしても一新(左画像)。実際手にしてお飲みになり、嘗てのスペンカーとは全くの別物になっていた'08年に肩を落とされた方も少なくないはずです。私共もジンファンデル好きとして、カリフォルニア専門店として、そして何よりスペンカー愛好家として、このワインで「スペンカーの復活」を謳うこと、皆様に販売すること、ましてや推奨することはどうしても憚られ、弊社での取り扱いは見合わせ…とさせて頂きました。
しかしそこはジンのスペシャリスト、スペンカーです。そんな "ラスティック" を間に経て到着した'09年にて、早くも軌道修正を行い、見事な復活劇を見せ付けてくれました。そしてこの度のご案内は、復活二年目の'10年となります。
確かに嘗ての凝縮した過熟一歩手前のような、あの濃厚なエキスが噴出するような妖艶な姿ではありません。高い糖度やアルコールを保ちながらも、美しい酸味、朗らかな爽やかさを打ち出しており、量感の中にむしろ洗練性や繊細さを表現するスタイルになっています。しかしこの変化はトレンドを含めたスペンカーの "意図的なもの" と言えるかもしれません。実際スペンカーでは以前よりも収穫タイミングを早め、樽を変更(後述)するなどの改良を加えており、良い意味でスリムになったこの綺麗な酒質や滑らかさは、彼らの「狙い」ともとれます。一方で溶け込みを感じるキメの細やかなタンニン、それ自体に果実甘味を含む旨味の個性的表現、小慣れた複雑味などはまさしくスペンカー。品質に関しては完全に蘇ったと言えます。この味わいの舞い戻りがまるでリンクしているかのように、'09年からのスペンカーは、名称から「ラスティック」の副題が取り除かれ、ラベル・デザインも旧型に近い、復刻版のようなデザインになりました。これをスペンカー自らの自信の回復…と見るのは邪推でしょうか。
それでももし嘗ての味わいとの差分を指摘する場合、できれば、この価格改定も考慮頂けると有難いです。定価ベースで旧4,700円から3,200円へと1,500円もの値下げ、加えて当店特価が加わることで、実質 "四割近く" ものプライス・カットが実現しています。4,700円からの一挙2,000円台への突入は、隔たりを補って余りある十分すぎるほどのもの。単純に2,000円台のジンとして見て頂ければ、充実感足る内容ではないかと思います。
◎ヴィンテージが2009年になりました。【2013.7.27更新】
(→'09年のお客様試飲では、その支持率にてメデューサ('06年)&リッジ・イースト・ベンチ('09年)にも勝利)。
'10年のスペンカーも、豊富なアロマを漂わせ、舌触りに粘性と密度のある甘みを感じさせます。ただ、寒冷の年だったせいか(あくまでZin.にしては)ロースト味を伴ったオーク・ヴァニラの中に、どこか青みある香味を感じさせます。プラムやブラック・チェリー、バタースカッチやエスプレッソなどで構成され、柔らかなタンニンと乳酸系の酸味が溶け込みます。'09年ほどの大きさは無く、逆にまとまりある印象。いい労作です。
ここまでクオリティーを戻すための努力は相当のものであったと思います。植え替えを行う際も、嘗ての枝を残しておき、新たな台木への接ぎ木を試みたり、樽にしてもこれまでアメリカン・オークを使っていたものを、フレンチ・アメリカン(フランスの樽メーカーによって、独自のトースト技術を用いて造られたアメリカン・オーク。純アメリカン・オークよりコストが高いが、フレンチ・オークほどではなく、樽香の影響も純アメリカンほど強く出ないと言われており、近年流行の兆しを見せているそうです)に移行するなど、相変わらずの真面目な取り組みが見られます。
●覚えておいて下さい。スペンカー「真の復活」は'09年から。
(YANAGIYAより)
スペンカー・ジンファンデル・エステート '10
Spenker Zinfandel Estate '10
産地 アメリカ
カリフォルニア州 / ロダイ
このワインのワイナリー情報
容量 750ml 希望小売価格(税別) ¥3,200-
分類 果実酒 タイプ 赤/辛口/重
アルコール度 15.5%
年間生産量 235ダース 栽培面積
ヘクタール当り収量
土壌
ぶどう品種 ジンファンデル89%/シラー8%/プティ・シラー3%
ヴィンテージ特徴 記録的な冷涼な年となり、ロダイでは長い栽培シーズンにより、バランスの良いブドウが実った。
栽培
醸造
熟成 培養酵母使用/ステンレスタンク発酵/アメリカンオーク樽熟成(仏セガン・モロー社、新樽比率40%)
瓶詰日/販売日 /
ワイン味わい 記録的な冷夏となった2010年は、長い栽培シーズンにより、酸と糖度のバランスのよいブドウが実った。ブラックチェリーとプラムの果実味を、バニラと杉の風味が覆い、充実した果実の味わいを提供。わずかにシラー、プティ・シラーがブレンドされ、滑らかなテクスチャーとスパイシーさを補っている。
(ヴィレッジ・セラーズより)
(*)YANAGIYAより購入。3,219円。
抜栓日:2014年4月14日
インポーター:ヴィレッジ・セラーズ
コルク:ワイナリー名とホームページアドレス、電話番号が刻印されています。45mm。
液漏れ:なし
グラス:リーデルのオーヴァチュアを使用しました。
色:濃い目のパープルルビー。イメージとしてダークカラーという感じ。
エッジ:
脚:なかなかの粘調度。たらり~っと落ちてきます。
香り:のっけに樽香というか杉の木香、バニラ香がどーんと来て、そのなかにアメリカンチェリー、ブラックペッパー、プラムの香り。スワリングでややとんがったイメージの香り。ママちゃんも開口一番「バニラ!」と言っていました。徐々にロースト香が出てきました。
タンニン:歯茎には渋みとしてあまり来ませんが、しっかりとしたタンニン。全然ギスギスしていませんがフレッシュなタンニンです。
味:ものすごい濃厚な味わい。酸もほどよくあります。とにかく濃い。果実甘味が半端なく、口の中から液体が消えた後に、ミント系のハーブが残っているかのような後口。ぶどうの完熟感が半端ないワインです。ものすごい濃い紫の果実をギューッと絞ってどろどろにしたようなイメージ。肉付きがとても良いワインです。
これは、なんかTボーンステーキと一緒!って感じ。
そうそう、さっきサイトを色々見ていてでてきたのが、「アマローネににている」の文字。そう確かにそんな感じ。