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がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

当サイトの掲載写真・イラスト等の無断転載/無断使用を禁じます

歴史文化施設あまわりパーク

2022年03月26日 | ・琉球歴史/文化風景

(数か月前に途中まで準備して放置だった記事を仕上げていまアップします…)

 

うるま市の勝連グスクの前にできた
歴史文化施設・あまわりパーク(名称は公募により決定…)

みなさまはもう行かれたでしょうか?

コロナ禍で夏のオープン予定が伸びに伸びて秋にオープン。
今年のお正月(三が日)までは入場無料だったので
その期間に行ったという人も多いかもしれませんね。

 

私も2度ほど行ったのですが
あまわりパークの見どころなどをまとめてみたいと思います。

 

 

入口を入るとこのようなでっかい
肝高の阿麻和利の幕がお出迎え。

エントランスはとても広くて開放的。
団体が入れるだけの余裕もしっかりあります。

 

展示室は2つ。

いわゆる常設展と、企画展示室。

 

企画展はその時々で変わるので
常設展の様子を。

 

まず、暗い通路が常設展へのアプローチ。
プロジェクターで壁に勝連にまつわるおもろが映し出されています。

音は無し。

雰囲気はいい…けど、
これが何なのか一般に人には分かりにくいので
スルーされてしまいがちかも?
それともここはあくまで「通路」として、
雰囲気が出せればOKなコンセプトなのかな?

 

 

常設展示室は1つのホール。

中央に大きなスクリーンと模型があって
それを囲むように観客席。

土日祝はここで肝高の阿麻和利によるライブシアターも開催中!
(現在はコロナの影響で休止中?それとも再開されたかな?)

実は…ワタシ、
これまだ見れてないんです。

あると思った日に行ったらその日は無くて(涙)、
時間とか整理券配布だとかいろいろ決まりがあるので
事前に確認してから行くことをおすすめします!

 

肝高の阿麻和利出演
あまわりパークオリジナル脚本
『勝連の鳴響みてだ 十代目按司「肝高の王」あまわり誕生』

ライブステージ(25分)/土日祝のみ

11:00
13:00
15:00

3回公演。

※事前に整理券配布の可能性あり。

くわしくは→

 

 

肝高の阿麻和利のアトラクションがない日でも
映像コンテンツは定期的に上映中。

 

くぅぅ~~~~っ!!!

 

勝連グスクの空撮はやっぱり萌える!!

わたし、グスクを真上から撮ってるアングルが好きみたいです。
(↑の映像を見て自覚した(笑))

 

大スクリーンと音響で圧倒的臨場感があるので
是非直接味わってほしいです。

 

 

スクリーンエリアを囲むようにぐるっと展示物。

 

なんというか、一言でいうと、

ラグジュアリー

この列なんか、高級感があって宝石屋さんみたいだよね。

 

例のローマコインの展示もここに。

 

ところで、ワタシは遺物展示キャプションには
いつの時代のものか書いてほしい派。

できれば世紀で。

その方が、実際の人物とリンクさせて楽しめるのですよ…。

 

 

世界遺産についてや勝連グスクについてなど、
解説パネルもばっちり。

しっかり基礎知識を学べます。

世界遺産認定証を展示しているのもいいな~、と。

パネルは英語表記もあり。

 

 

グスクだけではなく、
うるま市の他の文化についてなども紹介。

造船については海中道路にある「海の文化資料館」
も併せて見学することをおすすめします♪

 

 

もちろん、肝高の阿麻和利コーナーは一面でがっつり。

舞台映像やパンフレットなども。

 

ただ、このパネルの護佐丸は、JCCの写しじゃなくて
ちゃんと現代版組踊の護佐丸をもってきてほしかった!

確かに護佐丸は肝高の阿麻和利には登場しないけど、
他の現代版組踊作品には出てるのに~!!!

こういう所、肝高の阿麻和利関係者とかが
事前に意見とかチェックできなかったのかな…。

肝高の阿麻和利ファン、現代版組踊ファンとしては
これは異議ありなのです

 

 

このパネルの阿麻和利イラストもJCCの写し
(左手とか色とか一部改変してますが…)

 

メインの、阿麻和利についてのコーナー。
正史やおもろそうしなどから
二分している阿麻和利の評価について紹介。

このアプローチはとてもいい!

と思ってるんです、が。

 

 

正直に言うと、ここの阿麻和利ビジュアルは
組踊衣装(つまりフィクション)の阿麻和利ではなくて
しっかり時代考証した服装の阿麻和利にしてほしかった…。

 

せっかくすぐ隣に鎧兜の出土品を展示しているのに!

鎧などのパーツが展示されているだけは分かりにくい全体像を、
ここでフル装備させたビジュアルで見せることで
遺物展示との相互作用も生まれるし、

まだまだ古琉球の武将は日本式甲冑ってイメージは低いから
見学者に「へぇ!」って意外性を与えることもできるし、

甲冑姿の展示はまだまだ少ないから護佐丸歴史資料図書館のみ?
他館との差別化も図れるし、

なにより!「肝高の阿麻和利(組踊衣装)」と違いを出すことで
このコーナーで言っている阿麻和利の歴史的評価の二面性にもリンクして
より意味を持たせることができたはずなのに…!!!!

つまり、「肝高の阿麻和利」的にもメリットがあるはずなのに…!

 

 

阿麻和利=組踊衣装

ありきっていうのが、
「歴史展示」的にはとても残念でした…。

 

わかる、わかるよ。
阿麻和利は組踊衣装のイメージが強いことも。

 

組踊衣装全てがNOと言っているわけではなくて
博物館という教育施設で紹介するからには(←ここ大事)
歴史学・考古学的に時代考証された阿麻和利像と、
舞台の阿麻和利像、
両方大切にする必要があるのではないかい?

どちらか一方のみではなく。

阿麻和利の人物評価についてもそれと同じで。

そこに教育施設としての意義もあるんではないかい?

 

ということが言いたいのです。

 

いやいやいや、鎧兜とか琉球にそんなイメージないっしょ!
阿麻和利といえばやっぱこの姿っしょ!
と言われても、博物館展示は一般的なイメージで作るものではないですし。


まぁ、あまわりパークは「博物館」ではなくて

博物館相当施設か、それでもない可能性もありますけど、
博物館的役割の施設であることは間違いないわけで。

 

 

「え?」と思った方のために補足すると
組踊でよく見るあの頭巾は
「兜」を模した舞台衣装
で、近世にできたものです。

阿麻和利の時代(15世紀)に彼らがあのような頭巾を
かぶっていたわけではありません。

組踊衣装のあの姿を当時のリアルな姿でえがくとすると、
あの頭巾の「元」となっている、
ガチの中世日本の鎧兜ということになります。

(『新装改訂版 琉球戦国列伝』では組踊衣装を一掃し、
阿麻和利も鎧兜姿で描いています)

実際、鎧兜のパーツが勝連グスクからは出土していますし、
展示もされています。

 

 

あまわりパークの1番の推しである
勝連グスク模型。

そこにいる阿麻和利と百十踏揚も
肝高の阿麻和利仕様。

う~ん、やっぱりそこは混同せず、
区別してほしかったなぁ…。

(模型の他部分がしっかり考証されているだけに…)

 

 

色々書きましたが、
この勝連模型は本当に見ごたえある!

この模型だけで1時間は見れる!
(スクリーンの前にあるから映像始まっちゃったら見れないんだけど)

 

この模型は勝連グスクの最新の発掘成果が
しっかり詰め込まれています!

(長年勝連グスクの発掘を担当してきた専門員の方のお話も伺えました)

 

 

グスクだけでなく、
配置されている人々にもご注目。

警備している兵がいたり。

 

 

祭祀を行っているノロたち、
武器の手入れをしてる人たちなどなど。

 

 

当時の琉球では極めて稀な例だった瓦ぶきの建物。
(王都である浦添、首里、その関連に限られる。あの護佐丸の中城でさえNO瓦ぶき)

城壁を挟むような櫓があったのも
模型を見るまで気づかなかったな。

 

建造物に関してはまだまだ分からないことも多いので
現時点での想定復元だと思いますが、
それでもやはり上物があるとリアリティが出てきますね♪

 

 

一番のポイントは東の郭部分!

堀切が見つかったという最新成果をしっかり反映。

だけど堀切の規模や全体像はまだ不明ということで
作っている途中という設定にしたという話を聞いて
なるほど~~となりました。

 

 

城壁工事もしてる。

 

 

あまわりパークはまだまだオープンしたて。

色々これからアップデートしていくことでしょう。

 

私が実際に見た時から数か月たってるので
もしかしたら現在は少し変わっているところも
あるかもしれません。

 

是非、直接行って、楽しんで、考えていただければと思います!

 

 

あまわりパークオープンに伴い
勝連グスク見学も有料になっています。

くわしくは公式サイトをチェック。

 

 

 

ところで余談ですが、
あまわりパークの廊下とトイレに惚れました。

黒をベースにした壁。
スイッチやロッカーも!

ピクトグラムも黒ベースを邪魔しないデザインで
シックでおっしゃれ~~


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もうひとつの城 中城村の新垣グスク展

2021年05月09日 | ・琉球歴史/文化風景

 

中城村の護佐丸歴史資料図書館で開催中の
「もうひとつの城 中城村の新垣グスク」展
に行ってきました!

新垣グスクに焦点を当てた展示会は…初!?

 

新垣グスクは何度か訪れたことがありますが、
今は木々が生い茂っていて、
今、見学できるのは拝所のある広場と、
運よく入れてもかなり手前の方だけ。

 

↑数年前に訪れた時の新垣グスク

 

なのでグスクとしての全体像は
イマイチ捉えられぬまま。

グスク講座などで発掘成果などを
断片的に聞いたことはあるけれど
新垣グスクの全体を学べる機会はこれが初めて!

わっくわく~♪

 

1階は常設展示。

企画展は3階へ!

 

 

規模はミニ展示、という感じ。

内容は
新垣グスクの概要
発掘の様子やその成果
出土遺物
新垣集落について
新垣の祭祀についてなど。

コンパクトにまとめられています。

 

撮影OK、ネット掲載OKでした!

 

 

展示で一番萌えたのはこれ。

新垣グスクとその周辺の地形図模型!

先に書いたように
新垣グスクは今は木々に覆われていて
全体がわかりにくいので
こうやって模型で立体的に見ると
「こんなんだったのかー!?(゚д゚)!」
とびっくり。

壁際にセットされているのでちょっと見にくいですが、
是非裏側の地形もチェックしてほしいです。

 

また、発掘で判明した堀切などの防御機能にも萌。

これは…ぜひ想定復元図を作ってほしいものです…。

 

 

関連イベントとして『新垣グスク探訪』が
5月30日(ごさまるの日)に行われますよ!

”あれども見えず”な新垣グスク一帯を
解説とともに実感できるチャンス!


申し込みは明日から!
詳しくは護佐丸歴史資料図書館ブログへ。

(なお、個人的には、前日までに展示を見ておくのをおすすめします)

 

 

*おまけ*

 

 

祭祀の紹介コーナーにて。
神酒の代わりにヤクルトを供える。

ふふっ。

ヨーゴとかにしている地域もあるらしいので
これも時代に移り変わりですねぇ(*'▽')


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円覚寺、2021春

2021年03月21日 | ・琉球歴史/文化風景

 

首里城そばの、円覚寺。

尚真王が第二尚氏の菩提寺として建てた、
琉球を代表するお寺でした。

 

 

沖縄戦で焼失し、
総門、石垣、右脇門、放生池などが復元。

 

 

放生橋を渡って階段を登った先の「山門」が
2018年には復元・完成予定と新聞報道…
されていたはずですが、ずっと音沙汰なく。

 

2021年になって
ようやく目に見える動きが出てきたらしい…
ということで、
先月、首里城に行った際に行ってきました。

 

 

楽しみですね。

 

 

なお、この放生橋は尚真時代のもので
国指定の重要文化財です。

 

総門は閉じられており、
中に入ってこの橋を渡ったり
近くに行くことはできないので、
石垣の外からカメラのズーム機能を使って
鑑賞するのがポイン
です。


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首里城レポート(追加施設と、制限過多?)

2021年02月28日 | ・琉球歴史/文化風景

 

先日、「手わざ」展を見るために訪れた首里城。

約5か月前の前回よりも変わった所&思う所があったので
レポートします。

 

まず、有料エリアゲートをくぐったところの風景。

パッと見は大きく変わりませんが、
色々と変化している点が。

 

 

まずは御庭の一角に欄干やその土台(?)が並べられていて
見ることができます。

 

そして、大龍柱がなくなりました。

大龍柱は現在、下之御庭に建てられた小屋に異動→補修を終え、
そのまま寝かされた状態で展示されています、

 

 

(↑窓越しに見学することができます)

 

 

 

女官居室は売店兼休憩所になっていました。
(なお、この女官居室も一部被災しています。
訪れた時はこの建物の外壁にも注目してみましょう)

 

 

中の休憩スペースはこんな感じ。

映像コンテンツなども見ることができます。

 

 

そして右手に見えるのが、新しくできた建物。

 

 

首里城復興展示室。

残存物や火災後の取り組みを紹介する映像展示など。
トイレもこちらに。

展示はこれから更に充実していくことを期待。

 

 

東のアザナからの風景。

被災していた奉神門の修理が進んでいます。
3月末には終了する見込みのようです

(修復している様子、間近から写真撮ってたのに
SDカードの不具合でこの時のデータが壊れていました

 

 

ところで、今の首里城は
これまでにないくらい「工事中状態」でした。

まず、瑞泉門↓

 

 

なお、「琉球の華みぐい(華巡り)」というイベントが開催中でしたが、
生花の展示演出は瑞泉門下のこのスペースだけの様子…。

う~ん…。

 

 

そして右掖門。

漆が削り取られて白木の状態が垣間見れたのは良かったです。

 

瑞泉門と右掖門も漆の塗り直し作業で、
3月末に終了予定とのこと。

 

 

そしてずっと気になっているのが、
変わらずネットだけかけて放置状態の
継世門に、

 

 

鉄パイプにネットの龍樋…。

 

そして今回気づいたのですが、
万国津梁の鐘(レプリカ)がかけられている供屋に、
立ち入り禁止ポールが…。
(こちらも写真データが壊れてしまい写真なし)

え~……。

 

 

守礼門のそばの
国王頌徳碑や、

 

 

真珠湊碑文にも、
ここに移設されてから
立ち入り禁止ポールがついたのも
前々から不満だったのですが、

供屋までもか!
と。

この2つの碑文も
万国津梁の鐘の銘文も
以前のように近づいて文字や文章を
まじまじと見る(読む)ことができなくなってしまって
甚だ不満…。

子供たちにガイドするときは
たいてい碑文から「〇〇を探せ」ってやってただけに。


首里城、何かと制限多くなってない?(;´・ω・)

 

メイン施設が復興工事中だからこそ、
それ以外のスポットはなるべく
ネットやポールや三角コーンのない、
そのものの状態で見学できるようにしれくれたらいいのにな。

 

京の内とかも、
芝生や藪などに入らないように制限するのは分かるけど
あちこちに三角コーンやポールが目に入るのはとにかく興ざめ。
理由があって立ち入り禁止にせざるを得ないにしても、
ちょっとやり方を考えてほしいよ…。


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琉球・沖縄の牛肉食文化

2021年01月02日 | ・琉球歴史/文化風景


(↑無料素材からお借りしました)

 

今年は丑年、ということで
琉球・沖縄と牛のお話でも。

(既にどこかで話されてる気もしないでもないけど…下書きしてたんでアップします)

 

沖縄料理といえば豚肉!

俗に「鳴き声以外は全部食べる」と言われるくらい
内臓はもちろん耳から血まで
全部食べることは全国的にもよく知られています。

しかし、現在の沖縄では
実は豚肉の消費量は全国平均以下。
参/総務省統計局品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング
(2017年(平成29年)~2019年(令和元年)平均)

 

意外ですね~!

 

最近では沖縄はチキン文化!と、
もてはやされりしてますが、
なんと鶏肉にいたっては下から2番目。


となると…、
そうです、
現在の沖縄では食肉は牛肉の消費量が1番多いのです。


なるほど確かに
戦後のアメリカ文化!
お酒の〆はステーキ!
沖縄に観光に来たらステーキ!
なんてことも言われたりしますものね。

とはいえ、
それでも平均をちょっと上回るくらいなので
観光客によるステーキ消費量を差し引くと
沖縄県は全国的に見ると
そんなに肉食県ではないのかもしれません。

 

 

沖縄の豚肉料理は琉球王国時代、
近世になって冊封使をもてなすための料理に
豚肉を多用したことから
各村で豚を飼い増やすことが命じられ、
そこから豚肉が一般的になっていったと言われています。

 

では、それまで琉球の人は
何の肉を食べていたかというと…、
実は「牛肉」らしいのです。

 

グスク時代の遺跡からは牛骨も出土しており
朝鮮王朝実録には牛のについての記述もあることから
古くから食べられていたことが伺えます。

 

アメリカ文化に関係なく
古くから琉球人は牛肉を食べていたのですね~。

 

ただ、与那国島では食べていなかった模様。
漂流した朝鮮人の記録によると
与那国島では牛・鶏の肉を食べず、死んだらすぐに土に埋めていたので
「もったいない!埋めないで食べろよ!」とツッコんだところ
島人に爆笑(=唾して之を哂う)されたとのこと。

 

 

しかし、牛は農耕に必要な動力源。

近世になると

牛を食べてはいかん!

との「牛馬の禁止」令が出されます。

 

1697年には、
「牛は農耕の助けになるものゆえ
これをして祝儀に用いることは今後禁止する」
(『法式』)
との通達があったようで、
担当役人をおいて監視がはかられたようですが、
牛をして祝儀に用いたり、
売買する者は後を絶たなかった
とのこと。


それほど牛肉が当時の琉球の人たちにとって
なくてはならないものだったことが伺えます。

古琉球、どんな牛肉料理があったのか気になる~。

シンプルに塩漬けや干し肉?
焼き肉や牛汁?

 

なお、年老いて農耕に役に立たなくなった牛は
手続きをしたうえでが許可されたようです。

 


『おきなわが食べてきたもの』(上里隆史著/ボーダーインク)
『朝鮮王朝実録 琉球史料集成』
『沖縄大百科事典』


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年末詣のススメ。由緒ある&沖縄ならではの神社紹介

2020年12月27日 | ・琉球歴史/文化風景

クリスマスも2日も過ぎると
いよいよ年末カウントダウンとなりました。

今年は新型コロナの影響で
初詣なども自粛や分散実施が呼びかけられていますね。

私はここ数年は
初詣ではなく、年末詣にしています。
(年末・年始両方行った時もあるけれど)

例えば、

去年は真壁宮、
一昨年は金武観音寺、
先一昨年は久志の観音堂。

 

人混みを避けて余裕をもってお参りできるので
おすすめですよ。

 

沖縄で年末詣・初詣といえば
色々スポットがありますが、
どうせなら琉球王国時代からの由緒ある場所や
沖縄ならではの神社を訪れてみるのはいかがでしょう。

波上宮や沖宮、普天間宮などはお馴染みですが、
他にもありますよ!

ということで、
過去にブログで取り上げた
「神社」についてまとめてみました。

 

※琉球史にゆかりがあり初詣スポットでもある「お寺」は
他にもいろいろありますが(首里観音堂など)
今回は「神社」に絞ります。

 

 

琉球八社と神宮寺

沖縄神社の今

世持神社

懐機の浮島神社

長寿宮・長寿寺跡

 

※コロナの影響で境内入場に制限がかかっている可能性もあります。
各自でお確かめください。


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貝の魔よけ

2020年10月14日 | ・琉球歴史/文化風景

現在まで続いている琉球・沖縄の民俗信仰として
「貝の魔よけ」があります。

古来より貝には霊力があると考えられており、
今でも海部や離島の集落を巡ると
拝所の中に祀られていたり、
石敢當やシーサーと同じように
貝が置かれていたりします。


用いられるのは主にシャコ貝だったりするのですが、
民家の軒先などにつりさげる魔よけとして
もう一つメジャーなのが、
トゲトゲの出たこちらの貝。

 

 

左がスイジガイで右がクモガイ。

大きさは様々です。

飛び出た突起が
「水」の字に見えることから
「スイジガイ(水字貝)」いいます。

水の貝ということで火災除けとも、
突起が魔物を突いて退治することで
魔除けともされてきました。

 

大河ドラマ「西郷どん」奄美編でも
愛加那がスイジガイを吊るすシーンが。

 

 

去年、渡名喜島に行ったとき
どの家先にも立派なスイジガイが置かれていて、
私も浜辺で探してみたのですが
先が折れたものや割れたものしかなくて。
(それでも本島では見かけないくらいゴロゴロしてしたのですが!)

いつかちゃんとした形のものがほしいな~と思っていたら
中部の某ジャンクショップで売っているのを発見(!)

お土産品やさんだったら2・3000円ほどする大きさの立派なスイジガイを、
数百円でゲット♡

 

同じく魔よけに用いられている
クモガイも一緒に。

 

わーい(∩´∀`)∩

 

沖縄県立埋蔵文化財センター徽章・スイジガイ

 

ちなみに、スイジガイは
沖縄県埋蔵文化センターのマークでもあります。


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世界遺産、入場者数比較一覧

2020年10月02日 | ・琉球歴史/文化風景

 

「世界遺産出土品巡回展~未来に継ぐ琉球の宝~」
のパンフレットに載っていた
琉球王国のグスク及び関連遺産群9つの史跡の入場者数グラフを、
比較一覧にまとめてみました。
(※園比屋武御嶽石門のみ、計測不可能の為ノーカウント)

元資料に基づいているので
ざっくり数字なのはご容赦を。

 

水色が世界遺産に登録された2000年、
オレンジが昨年の2019年。
灰色はこの19年間のピーク時です。

ピークの年は

今帰仁  2015年
座喜味  2019年
勝 連  2018年
中 城  2016年
首里城  2017年
玉 陵  2014年
識名園  2001年
斎場御嶽 2013年

です。

斎場御嶽が登録後13年で
来場者数約45倍。

 

なお、座喜味と勝連は無料なので
入場チケットなどによる
正確な人数把握はできないはず。

その点を頭において数字を見る必要があるかなと思います。

 


この比較グラフから
何をどう見るかは色々あると思います。


単に、多いとか少ないとか、
いい悪いとかではなくて。

 

あなたはこれから
何をどう見ますか?

 

※追記※
数字およびグラフにミスが見つかったので修正しました
(2020.11)


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世界遺産出土品巡回展~未来に継ぐ琉球の宝~、現時点の情報まとめ&レポ

2020年09月27日 | ・琉球歴史/文化風景

 

今年(2020年)は
「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が
世界遺産に登録されて20年の節目の年。

20周年を記念して、現在
『世界遺産出土品巡回展~未来に継ぐ琉球の宝~』
開催されています。

 

…が、ポスターやチラシ、
専用のウェブページやSNSなどが無いなど、
告知があまりにもなされていない上、
コロナの影響で会期が変更になったりして
(そしてそれが各会場博物館のサイトにも載ってなかったりして)
情報が錯綜、迷走しています

 

そこで、
実際に3会場に行ってきたので、
それを踏まえつつ、
現段階での状況をまとめてみたいと思います。

 

+

 

まず、巡回展の開催一覧。

各会場でもらえるパンフレットの表紙に書かれていたもの。

配色上、情報が見にくいので、画像加工したのがこちら↓

 

 

まず、会期変更をお知らせします。

 

今帰仁村歴史文化センター 
8月11日~9月6日→ 現在開催中~10月7日ま

うるま市立与那城歴史民俗資料館 
8月17日~9月18日→ 現在開催中~10月7日まで

世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム
9月11日~10月4日→ 11月6日~11月23日 

 

那覇市立壺屋焼物博物館からは
今のところ変更の情報なしです。

 

そして各会場では、

「巡回展」としての展示と、
20周年を記念した「その会場独自の展示会」が、
別々に開催されている場合があります。

 

ユンタンザミュージアムの巡回展は
大幅に会期がずれましたが、
「20周年記念展 座喜味城跡写真パネル展」
現在開催中~11月3日

です。

 

同じ20周年を冠していることもあり、
すごくややこしいので

お間違えないようご注意ください。

 

また、読谷会場は広報誌には
巡回展の告知が
当初の予定通り9月11日~10月4日の日程で
掲載されているようですが、
実際には開催されていません。

ユンタンザミュージアムのサイトにもFBにも
巡回展の会期変更のお報せは(現時点では)載っていませんが、
実際には開催されていません。

 

現在ユンタンザミュージアムで開催されているのは
「写真パネル展」のみです

 

じゃあ、私はどこで巡回展読谷会場の
会期変更の情報を得たかというと、

この写真パネル展で配布していた
巡回展パンフレットの、中に入っていた
「変更のお知らせ」の紙です。

 

ツッコんでもいいですか。

 

っていうか、巡回展目当てで読谷まで行ったのに
怒ってもいいですか。

 

でも写真パネル展は良かったのがせめてもの救い。

 

 

そして、巡回展が現在開催中の
うるま市の与那城会場ですが、
土日祝日は休館です。

見学したい方は
平日の9時から17時までです。

ご注意ください。

 

(今帰仁会場は会期中は休館なしです)

 

 

こんな調子なので、
壺屋焼物博物館以降の日程も
果たして予定通りにいくのか
あまりあてになりません。

各会場のサイトだけではなく、
(既に述べたように情報掲載されていない例もあるので)
行こうと思っている日に合わせて
直接電話して確認するのが確実のようです。

 

コロナで予定通りにいかないのはしょうがないとしても、
世の中で明らかにそういう状況があるのに
この事業の情報をとりまとめているサイトがないのが厄介ですよね。

とりまとめは県だと思うのですが。

今からでも専用SNSでも立ち上げてほしいものです。

 

+ + +

 

というわけで、先日、
今帰仁会場、
与那城会場に行ってきましたので
少しだけレポします。

 

まず、今帰仁会場。

 

 

スペースはこじんまりしていますが、
モノは各場所の特徴的なものが揃っている感じです。

 

 

 

那覇からは
世界遺産以外の場所のものも。

これは渡地村跡の瓦。
ちょっと他では見ない珍しい感じの瓦デザイン。

巡回展のキャプションに
これがいつごろのものかっていうのも
明記してほしかったな。

(今帰仁独自の展示キャプションは明記されていました)

 

+

 

続いて与那城会場

 

 

今帰仁のトラの骨は
与那城会場に来ていました。

 

 

那覇の神応寺跡の歓喜天。

これは珍しい展示なのでは…。

 

某有名出土物のレプリカも展示されていましたが
キャプションに「複製」って書かれてなかったから
一瞬本物!?ってびっくりしたよ…。
(確認したらやっぱりレプリカって。だよね…)

ってゆーか、複製なら複製って明記しないと…。

 

 

与那城会場はうるま市なので
うるま市独自の展示である、
勝連城跡の最新の発掘速報が興味深かったです。

 

 

近年は東側のエリアを重点的に発掘した模様。

 

 

南風原御門の石畳。

 

 

その南風原御門から出た、
アユタヤ白化粧台付土器(!)

各地域の出土物を見比べることで
その地域の特色や歴史、繁栄具合、がわかるのは面白いです。

(ただ、一か所、非常にヨロシクナイ展示方法がなされていたのが残念。
シャレにならないレベルので写真は載せませんが……改善されたかな…)


 

+

 

 

読谷会場。

先述した通り、巡回展はやってなかったので、
読谷独自の「写真パネル」を。

 

 

スペースは今帰仁、与那城よりも広かったです。

写真に合わせた解説も丁寧で
座喜味城跡の整備の歴史を知ることができ、
新鮮&勉強になりました。

 

 

整備が始まる前、
1974年以前の座喜味グスクの様子。

米軍施設の建設のため破壊されていて、
後方の城壁はほとんどありません。
(ということは、今見ているのは復元されたものということになります)

 

 

今では想像もつかない座喜味グスクの姿です。

 

 

残っていたアーチ門も、
ゆがみなどが生じていたため、
一度解体して積みなおす作業が行われたようです。

 

 

二の郭は当時重機が入れず、
人力による作業がほとんどだったらしい。

 

 

 

ひええぇえぇえ……。

グスク建設当時もこのような風景だったのかもしれない。

山田グスクから石を崩して運び、
奄美諸島からも人手を集めて築城されたという
当時の様子に思いを馳せる…。

 

もりだくさんの写真展、
入場無料です。
(常設展部分は有料)

 

+

 

世界遺産登録20年の節目、
この機会に是非
お近くの会場に足を運んでみてはいかがでしょうか?

10周年の時はリレー講座とか企画が盛沢山で色々はしごしたりしたな…。
現代版組踊も各グスクで野外公演したりして)


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首里城の呈茶(琉球菓子セット)サービスは、今

2020年09月22日 | ・琉球歴史/文化風景

 

かつては首里城鎖之間で食べることができた
琉球菓子とお茶のセットの呈茶サービス。

お手軽(300円)←350円に値上がりしたんだったかな?
かつ、
菓子についても学べる(スタッフさんの解説付き)ということもあり、
首里城に行くという人には
是非に、とおすすめしていたサービスでした。

 

火災を受け、
鎖之間も焼失し、
このサービス、レストランなどで再展開してくれないかな…
と思っていたのですが、
どうやら再開しているらしい、と以前小耳にはさみ、
今回は久々にこれを味わうことも目的の一つにしていました。

 

…が、その情報をちゃんとHPで確かめなかったため
とても難儀する羽目に(^^;)

 

このサービスを提供している
という張り紙などの案内が、
駐車場から出たところのエントランスにも、
案内所周辺にも、
広福門のチケット売り場にもなし。

まぁ、
レストランやフードコートのところだろう、と
全て見終わってお土産も買って、
駐車場に向かうついでに寄ってみたら、
…なし!

レストランや売店が入っている
首里杜館入口や周辺を探ってみてもなし!

 

結局、お土産買ったついでに
売店のお姉さんに聞いてみたら、
系図座・用物座で、とのこと。

 

 

……ええ、引き返しましたよ。

木曳門通ってね。

 

下之御庭にある、
系図座・用物座、よく見たら入口にちいさな案内板が。

小さすぎて気づかなかったよ(涙)!

 

ってゆーか、動線的にそのまま反対方向の有料区域に行っちゃうし、
普通の人ならそれでそのまま久慶門側から帰っちゃうだろうし、
一応私、この時京の内にも行ったんだけど、
系図座の中は華麗にスルーしてたわぁ…。


ここでこのサービスやってますって、
系図座の外にでかでかとはできないにしても(景観的にそれはイタダケナイ)
せめてチケット売り場ではポスターとか貼ってたほうが
もっとたくさんの人が気づいてくれるかもね…。

 

今の首里城の巡り方、

下之御庭、奉神門まで行ったら
まずは奉神門の脇から

番所横を通って

京の内の展望台(金城町の眺め)

京の内

西のアザナ(那覇の眺め)

京の内外側から下之御庭に戻ってきて

系図座・用物座でお茶(一休み)

チケット購入

有料エリアへ(以下略)

の流れが、
見落としなく周れるかもしれないですね。

 

せめて、チケット売り場にくらいは
ポスター、貼ろう?(2回目)

 

 

値段は500円にアップしていました。

でもまぁ、ここは復興支援だと思って。

以前の様子はこちらから

お菓子の4種盛りは

・くんぺん
・ちんすこう
・花ぼうる

・冬瓜漬 ←NEW!!

時期によっては
らくがん(こーぐゎーし)や、
きっぱんになったりもするみたいです。
(きっぱん、好き)

ちいるんこうはなくなったようです。

 

直接の解説(お話)はなく、
解説の描かれたシートが一緒についていました。

おすすめの食べ順があることに、
半分以上食べた後に気づいたよ(^^;)

 

さんぴん茶は変わらずお替り自由!

この日はとても暑かったので
さんぴん茶(冷)の清涼感がとても心地よく、
一杯お替りしました♡

 

 

ここで味わったちんすこうは、
首里城の売店でも買うことができます。

作るは、新垣カミ菓子店。

琉球王国時代に王府の包丁人だった新垣親雲上淑規を祖先に持つ、
「新垣御三家」の一つです。

① 本家新垣菓子店
② 新垣カミ菓子店
③ 新垣菓子店
  ↑工場を持ち、市場に広く出しているのがココ
③’ 新垣ちんすこう本舗
  ↑新垣菓子店の販売会社

ちんすこうは絶対新垣の!!
が私のこだわりなのですが、

新垣御三家の中でも
新垣カミ菓子店のちんすこうは
少ししっとり目。

世の中には固めのザクザクしたちんすこうもありますが
私は柔らかしっとり派です。

 

売店では14袋(1袋2本)入り400円也。

新垣カミ菓子店のお菓子は
市場にはあまり出回っていないので、
首里城に来たらぜひゲットしてくださいね♪

 

+ + +

 

首里城HP
琉球王国のお菓子「呈茶サービス」について


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沖縄県民に見てほしい、首里城の、今

2020年09月20日 | ・琉球歴史/文化風景

 

先日、久しぶりに首里城に行ってきました。


既に遺構などの一般公開が始まっていましたが
沖縄県の非常事態宣言による閉園や
個人的なスケジュールが合わず
なかなか足を運ぶことができず、

瓦の漆喰はがしボランティア参加の時以来の
訪問となりました。

 

 

日影台からの風景。

被災した建物は完全に撤去されています。

被災した建物が残る今年2月に撮った様子は
こちらの過去記事からどうぞ。

 

 

下の御庭には黄色い柵と小屋が。

 

 

どうやら、この小屋で
大龍柱の補修作業を行うようです。

作業も小屋越しに公開してくれるのですね。

 

 

琉装したスタッフさんもマスク姿。

暑いときは、マスクは余計に大変。

本当に、お疲れ様です。

(ところどころにいるスタッフさんに挨拶されるたび、
思わず「お疲れ様です」と返してしまいました^^;)

 


奉神門。

かつてはこの門の向こうに赤い正殿が見えていたのですが、
今は青空一色です。

 

 

一歩入った風景。

撤去した資材が置かれているからか、
いまだに微かに焦げ臭さを感じました。

この日はとても暑くて、
いい天気で、
すごく赤い城が映えただろうに、
と思わずにはいられませんでした。

 

 

御庭って…こんなに狭かったっけ?

 

 

もちろん、柵で囲われてたり
様々な資材が置かれてて、
見える床面積が小さいというのはあるけれど
それを鑑みてもだいぶこじんまりとして見えました。

正殿をはじめ、周りにあった建物が、色が、装飾が、
いかに全体の空間を演出していたのかを
ひしひしと感じました。

 

 

北殿のあった風景。

 

 

南殿・番所・書院・鎖之間などがあった風景。

 

 

 

銘苅嶽。

銘苅嶽後ろの物見代の城壁は
フチが装飾されていてとても好きでした。

真ん中に残る1本の木。

 

 

大龍柱は補修作業のための移設作業中。

がっしり養生されて頭のてっぺんしか見えませんでした。

確か9月中旬には移動って
新聞で見たはずなので、
もしかしたら今はもうないのかも?

 

 

被災した装飾品や礎石なども
それとわかるように展示されています。

屋根の上にあった龍の造形の大きさに驚かされます。

この「大きさ感」や「規模感」というのは
写真ではわかりません。

生でその場で対峙しないと実感できるものではありません。

これは是非とも
沖縄の人たちは直接見てほしいと思いました。

もちろん、学校教育の一環としても。

 

今しか見れません。

今だからこそ、です。

 

 

正殿の遺構は小屋に覆われて
小屋越しに見ることができます。

これまでも正殿の床下に見ることができましたが、
照明や見せ方が変わっているので、
初見と同様の気分で見学しました。

保護のためか、下部が砂?でおおわれていて
見られるのは基壇の高さの上半分程度のみとなっています。

 

 

右側が志魯・布里の乱(1453年)で焼けたとされている(Ⅱ期)遺構で、
左側がその後の再建、
つまり尚泰久や尚徳が住んでいたころ(Ⅲ期)の首里城の遺構です。

奥の布積部分は正殿の中央階段。

他は雑積みになっていますが、
いそいで再建した故ともいわれますが、
これは裏込め石で(表面の切り石は再利用で撤去))のでは、
との見方もあります。

私のⅢ期首里城推定図はこの説を採って描きました。

 

 

埋文講座で聞いた、
発掘に携わっていた上原靜先生の話によると、
今回の被災で発掘された時よりも石の表面が変色し、
チョークのようにもろくなっている
(→白墨(白炭?)化)
とのことでした。

文責/和々

 


結構知らない人も多いのですが、
世界遺産で登録されているの「首里城跡」とは、
まさにこれらの遺構(群)のことなのです。

 

 

御内原の後之御庭からの風景。

小屋があったところが正殿です。

奥は奉神門。

 

 

東のアザナにも登りました。

 

 

鎖之間の庭園が見えます。

 

 

継世門にはネットがかぶさっていました。

補修作業に入るのかな…?


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36年前の今帰仁グスク

2020年09月14日 | ・琉球歴史/文化風景

 

古本整理の手伝いをしていたら出てきたパンフレット
「今帰仁グスク展」(沖縄県立博物館/昭和59年)より。


36年前ごろの今帰仁グスクの空撮です。

城壁の輪郭は分かるものの、
郭の境目はあいまいかつ、
木が鬱蒼としていて、
だいぶ雰囲気が違いますね。

 

 

同じく古本から、同時期の今帰仁グスク別アングル。
『城郭と城下町 南九州・沖縄』(小学館/昭和59年)より

 

入口付近にこんなに建物があったんですね。

そして、鳥居があるのにご注目。

以前も記事にした、今帰仁グスクの鳥居です。
昭和5年に建てられたものです。

今は撤去され、
足部分のみが資料館の前の庭に展示されています。

 

 

これは1枚写真。

メモ書きもなかったのでいつごろのものか不明。

志慶真門郭側から見た今帰仁グスクですね。

志慶真門郭がこんなに森だったなんて。

大隅あたりにも建物が見えます。

外郭の、さらに向こう側の風景も気になります。


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旧 具志頭村のマンホールと、首里城マンホール

2020年09月09日 | ・琉球歴史/文化風景

 

久々にマンホーラー記事。

マンホール目当てに地域を巡る…
ということまではしないけど、
出かけた先ではマンホールにもアンテナを張って
写真に撮るマンホーラーです。

このように撮ったマンホール写真ストックから、
今はなき具志頭村のマンホール。

 

中央が旧 具志頭村の村章で、
周りは牛と、無形民俗文化財の芸能「シーヤーマー」が描かれています。

 


現在は合併して「八重瀬町」になっていますが、
最近でも具志頭村の道路表記を見かけることがあります。

(写真は2019年3月撮影)

 

さて、マンホールといえば。


現在「首里城マンホールデザインコンテスト」の
一般人気投票が行われています。

 

↑クリックでジャンプ


首里城をテーマにした8つのデザインが
ノミネートしています。

 

↑クリックでジャンプ

どれも味がありますね。

お気に入りのデザインはあれば
是非投票してみては?

選ばれたデザインは実際にマンホールになるようですよ。


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中城村の景勝地、台グスク

2020年09月05日 | ・琉球歴史/文化風景

明日は台風10号真っただ中の予想。

パソコン作業はできそうもないので
今日のうちに過去の下書き編集&アップで!

 

今日はずっと紹介しようと思いつつ
(ツイッターでは軽くアップしてましたが)
何かと後回しになっていた、
こちらです!

 

 

今年の春にオープンした、
台グスクの展望台。
(今年3月に工事終了でしたが、公園施設に不備が見つかったらしく
公の情報公開は延び延び&あいまいに…)

台グスク(デーグスク)とは、
中城グスクのそばの丘陵にあるグスクで、
伝承では護佐丸が中城に移動したときの
一時居住地だとか、
伊寿留按司の居城だったとか、
先中城按司の居城だったとか、
色々言われています。

まあ、一言でいうと
詳細は謎。

とりあえず、
中城の按司にゆかりのあるグスク
ということになります。

 

試掘調査では、土器や獣骨、貝などが出土していて
中城グスクよりも古い時代の遺跡だと
考えられています。

ということは、先の伝承でいえば
先中城按司により関係がありそうですね。

 

過去にも何度か訪問&記事にしているのですが、
→ (2015年) (2016年)

公園として整備された様子を
改めてレポートします!

 

 

まず、入口。

中城グスクの駐車場を出て、右に行くとすぐです。

入城&利用は無料ですが
管理上、オープンは9:00~18:00です。

 


駐車場は広く、ゆとりがあります。

トイレや自販機も完備。

 

 

展望台に上る階段です。

こちらも利用は9:00~18:00

 

 

ひたすら階段一本です。

ひたすらのぼって行ってください。

 

 

迷うことはありません。

 


(2016年撮影)

 

以前、
これなんだろう…って記事にしてたこの場所は、

 

 

こうなりました。

 

階段設置の工事だったのですね。

 

 

頂上に着きました。

 

トップの写真をもう一度。

 

 

絶景かな絶景かな。

是非とも晴れた日に来てほしいですね。

360度動画はこちらからどうぞ(ツイッター)→

(ツイッターに動画アップしたら画質劣化が著しいのは私だけ…?(´;ω;`))

 

ここからは
勝連グスクはもちろんのこと、
勝連半島の後ろのある
平安座島まで確認できます。

 

台グスクは戦前は松が多く茂る景勝地で
新聞社が主催する景勝地コンクールのようなもので
1位になったことがあるのだとか。
(参『中城の民話』/中城村教育委員会/H11)

 

 

南側は西原、与那原、
そして知念半島。

戦後、疎開先から帰沖した際、
与那原からこの台グスクを見て
故郷に帰ってきたことを実感した、
という人もいたそう。
(参『中城村の学童疎開』/中城村教育委員会/2020 他)


中城グスクではなく、
台グスクで、というのは興味深いですね。

 

台グスクは崖の地形が特徴的なので
より確認しやすかったのでしょうか。

台グスクが中城のランドマークだった
ということが分かります。

 

 

展望台からは中城グスクの城壁がちらり。

この距離感。

 

 

帰りのくだり階段から見える風景も
絵になりますね。

 

 

ところで、この台グスクの丘陵には
護佐丸のお墓があります。

 

 

階段の途中にある切れ目から森の中に入っていくと…

 

 

護佐丸のお墓に通じます。

 

護佐丸のお墓も訪問する予定の人は、
台グスクの階段から行くほうが近道ですよ。

 

ただ、草刈りされていない時とかは
要注意です。

ハブとかね。

(あと、道中、崖下古墓とかあります)


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【会期延長中】首里城正殿跡出土品展

2020年05月24日 | ・琉球歴史/文化風景

 

埋蔵文化財センターで開催している
『首里城正殿跡出土品展』

2月から始まっているこの企画展。

2月末にある上原静先生の文化講座の時に
行こうと計画していたら、
コロナの影響で休館に!Σ( ̄□ ̄|||)

3月に再開したと思ったら、
また休館!!Σ( ̄□ ̄|||)

そしてそのまま終了予定の5月10日を迎え……

 

こんなことなら
さっさと行っとけば良かった~~~!!!
と悲しみに暮れていたのですが、

6月28日まで会期延長とのこと!!

やったー!!(ありがとう埋文!!)

 

ということで、

今度こそは!!
さっさと見に行ってきました!!

 

明日はどうなっているかは分からない。
見たいものは、さっさと行く。

 

これ、教訓にします。

 

 

埋文ではよく「京の内」展をやっているのですが、
今回は「正殿」に限定!

平成の復元前に行われた発掘調査で出土した、
正真正銘の、ホンマモンです

 

 

陶磁器類はもちろん、

 

 

武器・武具類。

もちろん、こだわりの「あの鍬形」も!

 

 

目玉展示の一つ。

屋根の龍頭棟飾りの龍のヒゲ。

鉄製。

分かっちゃいたけど、
目の前にすると、
やっぱり大きい。

遠目に見るのとでは違います。

 

 

銭や加工品、生活用品など。

歯ブラシやガラス瓶など、
近代の遺物も。

 

 

欄干。

 

 

個人的に惚れ惚れしたのは
この雲形瓦。

正殿の屋根に使われていたもの。

色も形もレリーフも
純粋に「きれい」だと感じました。

 

そして、おいしそう…。
クッキーにしたい。←

 

 

食糧残滓。

食べかすです。

「首里城で食べられていたのも」
がわかります。

こういう生活感を感じるものはいいですね。

 

首里城で食べられていた献立、
歴食」として商品化してほしい。
(首里城のレストランか、どこかで)

 

 

吹き抜けには首里城正殿の礎石も。

これは常設かな?

展示室の外なので
忘れずにチェックしてほしいです♪

 

埋文の企画展は
図録並みに立派なパンフレットがもらえるのもいいですね♪
忘れずに一部、いただいて帰りましょう!

 

 

6月28日まで延長開催中!

入場無料です。

月曜日は休館日なのでご注意を。


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