がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

当サイトの掲載写真・イラスト等の無断転載/無断使用を禁じます

涙石、リベンジ

2017年10月27日 | ・琉球史散策/第二尚氏

2度目の久米島旅行関連記事。

書く書く詐欺で3週間近くたってしまいました…

(やっぱり状況が落ち着くのにはまだまだかかりそうです…)

 

というわけで、

前回の旅ではいけなかったけど
今回は行けた史跡、その1!

 

「涙石(なみだいし)」

 

 

google先生と、
前回にはなかった(と思う)
標識も建っていたおかげで
無事にたどり着くことができました!

(結構分かりにくい場所にあります。
墓地エリアに車は止め、徒歩で行きます)

 

涙石とは、
現代版組踊で主人公になった
笠末若茶良(ガサシワカチャラ)関連史跡。

粟国島に追放された母を想い、
この丘から粟国島を眺め
流した涙がこの岩の穴に溜まり
枯れることがかった…

と言う伝説の岩。

 

 

この細長い穴。

奥にすこーしだけ水が残っていました。

舞台でもこの岩が登場していましたね。

粟国島が見えるかな?と思ったけど、
残念ながら見えませんでした。

 


↑クリックで拡大

 

岩の下に蛇の抜け殻があって
うひょっ!となったら、
すぐそばの藪にガサガサと蛇が入っていくのを
目撃してしまいました…。
(ハブかどうかは不明ですが)

 

公演に合わせてか、
前の畑はきれいに草刈りがされていて
ありがたかったのですが、
いつもそうだとは限らないと思うので
コンディションが悪い時は
どうぞお気を付けください。


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最近ヒットだった沖縄そば

2017年10月17日 | ・沖縄のcafe、お食事処

 

今日は沖縄そばの日!

What's 沖縄そばの日?→ 

 

一言で沖縄そばといっても、
お店によってそのバリエーションは様々。

ワタシは

 

・細麺

・あっさり鰹ベース出汁

・コーレーグース派

・生姜あり

・ソーキだったら軟骨派

・器はやっぱりやちむんで♪


です。

(↑の写真は紅生姜は自分で入れるタイプだったので
載せる前に写真撮ってしまいましたが…(^^;))

 

 

というわけで、

最近ヒットだった沖縄そばをご紹介!

沖縄市の美里工業高校近くにある、
「米八そば」

1年ぶり?くらいに行ったら
店内拡張されていました。

大人気ですね~

 

前は確かソーキそばで、

今回は普通の三枚肉そばを頼んだら

酢につけたコーレーグース
(酢につけた唐辛子?
酢と混ぜたコーレーグース?)

という小皿がついていて、
三枚肉をつけて食べてください、と。

これがさっぱりしていて
薄めに切った三枚肉とも相性抜群でした

新しい感じでおいしかった!

また行こう♪

 

 

そして、

沖縄そばのあとのデザートと言えば、

ぜんざい。
(もちろんぜんざい=氷ぜんざい)

コレも沖縄のソウルフードに認定したい。

 

米八そばは実はぜんざいの方が有名で、
(マツコの知らない世界でも紹介されたってホント?)

 

何が有名かって…

 

 

その造形美。

 

 

 

 

 

 

シャキーン!!

 

もちろん見た目だけでなく
ぜんざい部分も美味!

量は多くないですが、
麦も入ってて
もちは柔らかくて
食後にちょうどいいサイズ感!

 

ちなみに去年行った時は、

 

 

シャキン シャキーーーン!!

 

たまたま私はどちらも鳥でしたが、

他にも花や怪獣やヘリコプター(のようなもの)など
様々な造形があって楽しめますよ♪

 

ちなみにこのぜんざいを作るお兄さんが
まさにこのぜんざいの様です(笑)

 

気になるかたは
是非店舗へ♪

 

 

はあ、お腹すいた……

 

 

+ + +

 

*米八そば*

開店11:00-17:00閉店(売切次第終了) 

木曜的定休日(祝日は営業)

沖縄県沖縄市泡瀬5丁目29−6


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4年ぶりの北山の風(※長文)

2017年10月15日 | ・現代版組踊レポ

北山の風~今帰仁城風雲録~

2017年10月14日(土)

今帰仁城址

 

久さびに観に行ってきました、北山の風!

 

北山の風は、
おそらく、私が最初に
「歴史の見方の面白さ」
を実感した舞台だと思います。

北山の風がスタートする前に
既に尚巴志の舞台はあったのですが、
同じ出来事、同じ人物でも見方を変えればこうも違う、
という面白さ。

同じ現代版組踊というシリーズの中で(ここがポイント)
相反するこのような舞台があることはとても貴重だと思います。

それが歴史の楽しむということに繋がっていると
ワタシは思います。

(だから個人的には鬼鷲では北山組をヒーローにする必要はないと思ってます。
鬼鷲でのヒーロー(正義)はあくまでも尚巴志であってほしい!)

 

前のワカチャラ観劇の時もそうでしたが、

見終わった後、

ああ、ワタシ、今、すっごく歴史を楽しんでるな、
沖縄に生まれてよかったな…

という思いをひしひしと噛み締めています。

 

なので片道1時間半以上の道のりも
ラジオもつけず、音楽もかけず、
まったくの無音で余韻に浸って帰りましたよ。

 

そんな、久しぶりの北山の風、
いったいいつぶりだろう?

とブログを振り返ってみたら
なんと4年前(!)
この時以来

いつの間にこんなに月日が流れていたのか…。

 

4年もたてば変化も大きいだろう
ということで、
今回はその変化を中心に
書いていこうと思います。

 

 

 +

 

 

まず、第一印象。

男の子、増えた!!

一時期、人数も減って
ある意味存続が危機と聞いていた時期もあったのですが
見事に復活!!な印象。

メインキャストの
攀安知、本部、謝名、紀秀先生、
そして尚巴志なども男の子!

男の子たちは背も高くて声もしぶかった。

いつだったか見た、
あの時小学生だった男の子たちが
そのまま高校生になっているんだろうか?

そうだとしたらこれほど頼もしいことはありません

 

 

+

 

 

冒頭の総演舞、
「出発の朝~北山の風バージョン~」
で華やかに始まったとたん、


ああ、そうだったそうだった、懐かしい~!

と、かつての記憶が一気にフラッシュバック。

オープニングと同時に雨が降り出したのには
マジかー!?

と思いましたが、
幸い、このひと時だけですみました(安堵)。

 

 

+

 

 

門番のうしーとうまー。

コミカルなキャラ設定で
舞台の中で笑いを取る部分でもあったのですが、
だいぶあっさりになってました。

本部に
「門番の、うしーと、」「うまーです」
と自己紹介するシーンもなかったので
笑えるシーンは舞台を通してなかったかな。

そういえば後に再登場して
逃れた千代松を探しに来た時に
謝名に殺されるシーンもなかったです。
刀を全く扱えてない感じがかわいかったのですが。
(これはホール公演オンリーの場面かな?)

うしーとうまーと言えば、
パンフレットの人物相関図、

「門番たち:うし、うま、やぎ」

 

…やぎ!?Σ(゚Д゚ )

 

今回はやぎはいなかったんですが、

いやん、やぎ見たかったー(笑)

なんかもう、笑えるのが目に浮かぶ(笑)

公演によっていたりいなかったりするみたいです。

 

 

+

 

 

女性アンサンブルさんは
初めての演舞&衣装が見れました。

千代松の生年祝いの時の舞。

これまでは地元の青年会とかのエイサーだったんだけど
今回は女性アンサンブルで1曲分。

続く中山攻め入りのシーンもかっこよかった!

旗デザイン、変わった?

闇夜に駆け巡る炎の感じが良く出てて
攀安知を囲むところなんかもう、
火攻め感抜群でしたね。

音のアレンジがもうちょっと
重く厚くなるともっと好み

 

 

+

 

 

攀安知が死ぬシーンは
いつ見ても最高。

ガサシワカチャラのレビューで
好きな死にざまベスト3を描きましたが、
北山の風での攀安知も最高だわ。

「三国一の果報者よ」

などの口上といい、
BGMといい、
刀を掲げたポーズと言い、
ゆっくりと退場していく演出と言い、
とても印象的な死にざまです。

攀安知、惚れるわ。

 

 

ただね、
BGMの録音の音がね、
いきなり大音量で入ったり
ぶつっと切れたりするのは
やっぱり余韻を崩すのでちょっともったいない。

生じゃないから細かな調整は厳しいかもしれませんが
フェードイン、フェードアウトなどで
ちょっと調整できたらいいなーと思います。

 

 

 

 

 

千代松は幼少期と元服後のWキャスト!

生長し元服したって時の
くるっと演出が良かったな(^^)

演者が変わって声も変わるから
より成長した感が伝わりますね。

(演者さん自身は幼少期を演じた子のほうが年上のようですが。
ごめんなさい、すごい小柄だったので
遠目に小学生か中学生1・2年生?
って思ってら高3でした。
どうりで上手いはずだ(笑))


以前から好きなシーンは
謝名からすべてを明かされて
決意をするシーン。

前までの無邪気で芸事が好きな彼の姿はどこへやら、
一気に一人前の、北山王の世子の顔になる。

敵討ちを思いとどまらせようとする乙樽に、

「分かってください!
君主と生死を共にすることもできず、
一身に私を育ててくれた謝名の想いもむげにはできぬ」

もうね、武士だよね。

千代松のキャラクターは
この一言に集約されているといっても
過言ではないくらい。

そのあとの乙樽の間は…
やっぱりもっと…もっと……とってほしい…。
(音楽との尺の問題で間がとれないのかなー?うーん?
本部と真鶴の「気の回しすぎでした、すみません」の前の間はたっぷりあってグっ!☆)

 

幼少期の千代松に話を戻すと、

素性を隠して再開する本部と千代松のシーン。

別れる時に本部が千代松に扇子をプレゼントする。

千代松は感じ取ったことをかみしめて
去り際、本部を呼び止めて、


「これ、宝物にするね」
「死んだ父ちゃんに会えたようで嬉しかったよ」

と走り去るのですが。

 

扇子!!

宝物の扇子!!

再登場、求む!!!

 

え、した!?しなかったよね??

あれだけのエピソードとモノがあったら
絶対布石だと思うのに
最後の最後までなかったのはもったいなかったー!

え、あった?気づかなかっただけ????

例えば、懐からだして本部の骸に添えるとか、
二人の正体が分かりあうときに扇子が証拠になるとか、
色々おいしく使えるアイテムだと思うけど。

だって宝物にすると敢えて言ったからには
絶対持ってるでしょ。
あんな人生で重要な日ならなおさら。

個人的には、
千代松にそれを使って追悼の舞をするとかして
(これも本部に舞のコツを習ったという前シーンとのリンク)
本部の骸に供えてほしい。

 

 

本部が死んだあとの演出も少し変わってました。

ここは中央の真鶴や本部もいいけど、
個人的には謝名と千代松をガン見。

今まで色々なパターンがあったけど。

千代松は本部を刺した時ショックで刀を落とすんですが、
(その時の本部の咳こみと瀕死な感じグッ!)
謝名がその刀を取って鞘に納め、
再び千代松に渡す。

動揺が隠せない千代松ではあったが
どうにか落ち着きを取り戻し、

丸鶴が去ったあと、
骸に手を合わせる、というもの。

千代松のセリフはなし

でした。

 

 

+

 

 

そしてクライマックスの演舞とダイナミック琉球。

テーマソング、めっちゃ素敵なんですよね。

CD化求む!
(毎回言ってる気がする…)

聴きたいときは以前購入したDVDの
チャプター画面で流れるのを聴いてます(笑)

扇子の舞も健在!相変わらずお見事です!

ダイナミック琉球への流れも余韻が途切れず
スムーズで綺麗だったな。

 

 

そしてそして、
挨拶や出演者紹介があって
メンバーさんがはける最後の最後のシーン。

 

今回の観劇で一番心にぐっと来たのは
実は、この最後の最後のシーンでした。

 

キャストがペアで次々と退場していくなか、
最後に残ったのは
攀安知でもなく、
本部でもなく、
ストーリーテーラーの新城紀秀先生ひとりだった!
(これまでは最後ではなかった)

そして、その直前に舞台を下りていた
攀安知・本部・謝名が
紀秀先生を振り返って深々と礼をする。

 

くぅ~!

って内心唸ると同時に、

そっか、そうなんだ……

って涙が出そうになりました。
(今でも思い出したらうるっとくる)

 

これは北山の風という舞台の立ち上げに
大きく関係してくるんだけど。

ストーリーテーラーの紀秀先生は
この物語の原作者であるお方。

パンフレットにも説明書きがあり、
劇中でも語られるのですが、
戦後間もない、すさんだ時代に、
子供たちに勇気と希望を持ってもらうために
当時教頭だった紀秀先生が制作したのがこの物語。

数十年を経て、
かつての教え子たちが舞台の復活を望んで
平田さんに相談した。

そして立ち上がったのがこの北山の風なのです。

今は亡き紀秀先生がこの物語や舞台に込めた想いや願い、
それを引き継ぐ今の子どもたちの決意と敬意、
そんなことを感じました。

ご存命だったときの紀秀先生の姿や
挨拶が思い出されて
すごく敬虔…というのかな、
そんな気持ちにもなりました。

 

北山の風の舞台、
これからも大切にしていきたいですね。

 

 いちファンとしてこれからも応援しています!

 

 

+

 

 

 

最後に、

4年ぶりにも関わらず、
ワタシのことを覚えてくださっていた
北山てぃーだの会の皆様、
卒業生のみなさん、
色々お話することができて嬉しかったです!
(お声かけ、感謝です!)

あの頃の高校生がもう社会人になり
OB・OGとして後輩の指導にあたったり
それぞれの道で頑張っていることが知れて
頼もしく、とても嬉しかったです!

 

裏でのサポートお疲れ様でした!

そしてありがとうございました!!

 

 

 

 

・・

 

 

・・・

 

 

・・・・

 

 

「首里のへろへろむし(武士)め!」
が健在だったのは
密かに嬉しかったデス(笑)


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久米島グスクパノラマ+α

2017年10月09日 | ・琉球歴史/文化風景

今回は久米島フォト!

でも各史跡は前回の旅でがっつり紹介しているので
今回はパノラマ写真を中心に簡単に。

過去記事のリンクも合わせて載せておきますので
一緒に見ていただけたら幸いです★

(パノラマ写真はクリックで拡大します)

 

 

 

まずは
具志川グスク。

過去記事→ 

 

 

裏側(海側)の崖下から臨む。

 

案内板に書かれていた
通用門や、
落城の際、母子が布を垂らして脱出したという崖は
あの辺だろうか…

と妄想が膨らみます。

 

 

※案内板の縄張り図を見ての予想です。

 

 

 

 

具志川グスクのそばにある
ミーフガー

過去記事→ 

あれっ?
ミーフガー単独記事書いてないっぽい💧

 

 

 

 

登武那覇グスク

過去記事→ 

 

とりあえず、
今回の旅は同行者がいたので
お決まりのこれを
撮ってもらっておきましょう。

 

 

 

 

宇江城グスク

過去記事→ 

 

今回、ニライカナイ橋みたいな
高架橋をぐーっと登って行ったのですが、
上りきって視界が開けると
目の前に宇江城グスクがドーン!!
と見えてものすごくテンションが上がりました。

なので、引き返して
その景色を動画に撮ったのですが(笑)
その様子がこちら→ 

 

 

 

 

伊敷索グスク

過去記事→ 

 

 

 

同行者の澪之助が
伊敷索グスクから宇江城グスクが見える
ということに気づきました。

おおっ!

 

 

アップで。

 

 

前回の旅で見つけきれなかったけど、
今回無事に行けた史跡が二つあるのですが、

それは次の記事で。


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月光の按司ガサシワカチャラin久米島【後編】

2017年10月07日 | ・現代版組踊レポ

前記事の続き)

 

 

 

現代版組踊ガサシワカチャラ
公演レビュー、後編です。

 

 

主人公格のワカチャラとお父ちゃん以外を書くと、

キンマムン(キンマモン=君真物)託宣のあとの
正妃、長男、次男、お父ちゃんらのシーンが良かったですね。

ワカチャラが民に嬉々と迎えられ
堂々とビジョンを語るシーンなのですが、

ここで見るべきは
絶対正妃と兄貴と父ちゃんたちだ!
と背景にいる彼らを凝視してました。

嫉妬と怒りをあらわにする正妃(と兄貴)と、
実に複雑な心境を魅せるお父ちゃんが良かったですねー。

それぞれ啖呵をきって退場するも、
最後に残ったお父ちゃんの複雑な笑顔と
ワカチャラを励ます姿にキュン

兄貴たちはいい塩梅のサブキャラで、
ガンガン攻める正妃とのバランスがgoodでした。

正妃ちゃん、かわいい顔して
いいスパイスふりまいてくれてましたねー。

キツイ顔や化粧ではないのに、
声もかわいいし張ってる感じはないのに、
態度は高飛車でキツイ。

ワタシのオギヤカの理想です(笑)

そしてまぁ、カラジが似合う事!
横顔の骨格が私の好みど真ん中でほれぼれしました。
↑マニアック

終演後、退場するときに
憎んでいた真牛の自ら手をつかんで降りていくの、
(そして下でフン!って手を振り払い、
困り笑いで後をついていく真牛)
めっちゃかわいくて良かったです!

 

 

神女のオトチコバラは
久米島が誇る由緒正しきノロ・君南風じゃダメなのかな?
と思ったけど、
君南風さんは現在も実在するし、
王府のアカハチ討伐に従軍した(首里派)ということで
物語の兼ね合いから難しかったのかな?

 

 


+ + +

 

 

そして、
お父ちゃんを息子討伐に追いやった黒幕
首里王府、尚真。

実際に尚真代に行われた
久米島討伐とリンクさせて。

となると、悪役は尚真となるわけですが
一応尚真側にも彼らなりの考えがあってのこと、
というフォローはあって。

尚真がワカチャラに同情する一面も。

 

現代版組踊シリーズで複数登場してる尚真。

例えばアカハチ、
鬼鷲、
尚円王回顧譚
そして今回の舞台。

尚真という同じキャラクターが
舞台ごとに違うというのは
実はとっても面白くて深い。

 

ブログでも何度も繰り返し書いてますが

歴史の"事実(できごと)"はひとつであっても、
歴史の"真実"は解釈する人の数だけある。

同じ人物でも、見方によってはガラリと変わる。

だから、
歴史に触れるそれぞれが調べ考えて、
想像してみればいいと思うのです。

現代版組踊って
そんな楽しみ方も提供してくれているな、と。

「鬼鷲」と「北山の風」の相違もまた然り。
前回の鬼鷲は特別だったけど、今度はどうかな…)

今回演じられた尚真の姿が、すべてではない。

王府による久米島討伐は実際に行われたけど、
その背後にある思惑や考えは
想像するしかないもんね。

それが歴史を楽しむ醍醐味だと思うのです。

 

+ + +

 

ちょっとだけ、
んん?と思ったのは
舞台冒頭の登場人物紹介。

ストーリーテーラーでもある
ワカチャラの実母・真牛が
舞台に居並ぶ主要キャラたちを紹介するのですが

昼公演で初めて見た時、
紹介された時に誰も微動だにしないので

ん??今言ってるの舞台上の誰??

ってなりました(^_^;)

 

人物にスポットライト当てるか、
設備上それが無理なら
言われたキャラが少し前に出るとか
胸を張るなどちょっとしたポーズをとるとか
あると分かりやすかったなーと思います。

最初はどれが誰だか分からないまま
流れていった感があるので。

もちろん物語が進んでいけば分かるし、
観劇2回目からはスッキリなんですけどねー(^_^;)

 

堂の比屋なんかもね、
歴史とは違った立ち位置だったので
(でも歴史上の寝返りエッセンスを
こういう感じで入れてくるのかーって唸ったけど)

幕開けの首里が攻めてるシーンなんかは
観劇2回目から味わえる演出かなー。

だから夜公演も見れることになってて
心底良かったと思いました。

尚真、辺土名、堂の比屋に関しては
あと数回観劇しないと本当の面白さというか
狙いと深さは分からない気がしてます。

という訳で次回はこの辺、
要チェックしたいと思います!

 

 

そうそう、人物紹介と言えば、
舞台衣装の変更、正解だと思います。
(今回から、で合ってるかな?)

最初の頃は向立てに組踊衣装で
護佐丸、阿麻和利そのまんまの衣装で
昔のちらしとか見ても思うけど
これじゃ舞台上でどれが誰だか分かりづらい。

実は初演の時からぼやてるんだけど
今回主役格が二人と知って、尚更そう感じました。

 

 

 

舞台は映像と違って
顔などをアップで見ることはないので
遠目に見た時のパッと見の印象、
つまり髪型や服飾や色って
登場人物を区別するのにかなり重要。

もちろん舞台立ち上げ最初の頃は
衣装も他チームから借りてやってただろうから、
しょうがないんだろうけどね。

主人公のワカチャラはハチマキに髭なし、
お父ちゃんはカタカシラに髭、
二人とも向立はなし。

今後も向立なし、に一票です

そのほうが本島とは違う
離島文化感も出ると思うし。

 

+ + +

 

 ところで今回からガラリと変わったビジュアル戦略!

舞台タイトルも
カタカナ表記に一新!

メンバーさんが登場するチラシももちろん素敵ですが、
(背景は宇江城グスクと登武那覇グスクかな)

町の人たちを使った
皆が英雄みたいな、
このバージョンも好き!!

 

 

すごいセンス!

ナイスアイディア!

 

 電通沖縄制作かな??

 

あれ、しかし、
だとすると向立は必要なのか…?

…あ、もしかして今回は女の子だからカタカシラ結えたけど
男の子だったらそれができないから向立必須とか…?
うーん、だとしたら向立は
ワカチャラかお父ちゃん
どちらか一人だけにする…とか。

ってゆーか、ワカチャラは若いから
(独身という所から言ってたぶん10代後半)
女の子が演じるのを定着させてもいいと思う。
お父ちゃんは男の子演者さんにするとしても。


 

のぼりがずらっと並べられた景色も
圧巻でした!

関連史跡の入り口とかに立てててもいいかも!

舞台を見て史跡巡る人も絶対いるし、
公演の前後1週間だけでも。

 

 

 + + +

 

 

というわけで、

つらつらと書いてきましたが
キリがないんで
そろそろ終わりにしようと思います。

 

12月には那覇のタイムスホールでの
公演が決定したとのこと!

前みたいに一般も観劇できるかな??

一般も可能なら
また是非見に行きたいと思います!
(今度はぎっくり腰にならないように気をつけて(笑))

 

またワカチャラやお父ちゃんに会えるのを
楽しみにしています

 

久米島メンバーの皆さん、
スタッフさん佐、保護者の皆様、

素敵な久米島歴史浪漫を
ありがとうございました!

 

 

追伸:

サントラCDも毎日聞いてます!
テーマソングサイコー


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月光の按司ガサシワカチャラin久米島【前編】

2017年10月06日 | ・現代版組踊レポ

ブログ更新、
だいぶ間が空いてしまいました

お久しぶりです

表の仕事と裏のシゴトが
Wで繁忙(追い込み)期に入り
ブログまで手が回りませんでした
(ツイッターは基本毎日なにかしら呟いてます)

10月はすこしづつ
落ち着いていく(はず)なので
また更新頑張りますので
お付き合いくださいm(_ _)m
(ネタも溜まりまくり!)

 

さて、そんな中ではありましたが、
先週、

 

久米島に行ってきました。

 

久米島は以前も行ったことがあるので
2回目になります。

急きょ決まった久米島旅、
旅の目的は…

 

現代版組踊
ガサシワカチャラ公演!

 

まだ本公演は見たことがなかった
この舞台。
(アトラクションはあるけど)

以前、
那覇に来てた時に行く予定だったのに
ぎっくり腰で断念してたこの舞台。

本島での公演でもないし
長期休み中でもないので、
いつもなら次の機会に…
となる所ですが、
今回は色々とワケがあって、

 

…よし!もう行っちゃえ!

 

となりました。

(夏に行く予定だった離島旅行が
台風でダメになったから、
というのも決行理由の一つ)

 

琉球歴女弟子・澪之助も誘って
いざ、
久米島の旅(ggain)にレッツゴー

 

久米島史跡記事もまた少し
UPしていくと思いますが、

その前に、
旅の目的であったこちらから!

 

 

 

 

月光の按司 ガサシワカチャラ

2017年9月30日(土)

久米島町具志川改善センター

 

 

昼と、特別に夜もと、
両方観劇させてもらいました!

 

主人公は久米島のパーフェクトヒーロー
笠末若茶良(ガサシワカチャラ)。

彼については
何度か記事にしたこともあるのですが
(→   
簡単に書くと
イケメンで、心優しくて、
強くて、人望もあって、
独身で(これ案外大事、だって若いってことだから(笑))
神にも祝福されている…
という人。

 

時は15世紀前後、久米島を統治していた
伊敷索(ちなは)按司の息子で
側室腹の3男として誕生。

登武那覇(とんなは)グスクを任され
一按司として活躍しますが、
その人気を父に疎まれ、
ついに父に討たれてしまう…


という久米島の歴史を題材にした舞台。

 

(現代版組踊は歴史劇なので、
観劇前にこのような歴史ベースや
あらすじや登場人物などを
ざっくり頭に入れておくのが吉!)

 



↑これは前の久米島旅の際に作ったやつ。
(クリックで拡大します)

 

このような歴史で
いわば悪役になっている伊敷索按司、
つまりワカチャラのお父ちゃんが
単なる勧善懲悪の悪役ではなく、
彼なりの正義があってほしいなと
ぼんやりと思っていたのです、

 

が、

 

今回の舞台、

完全にお父ちゃんにヤラれました…

 

ワカチャラは文句なき正義であり
完璧な主人公であるから
ある程度想像はついたのですが、

お父ちゃんがこう来るとは
正直、予想以上でした。

 

久米島の歴史全くのゼロ知識で見た人は
もしかしたらそれほどでもないのかもしれないけど、

歴史のベースを頭に入れていた私は
各登場人物についてもその印象があっただけに、
それとの比較というか、ギャップと言うか、
いい意味での驚きと意外性があり、

 

まずは脚本の良さにノックアウト

 

でした。

蔵當さんブラボー!

 

 

 

側室腹でも息子を愛する父の姿、
神託でワカチャラが後継者と言われた時の複雑な心境、
正妃やその息子たちとの板挟み、
久米島の統治者としての責任と葛藤、
そして覚悟。

おそらく一番演技力がいる、
物語の要となる人物、立ち位置だったんじゃないかと。

 

歴史の通り、
お父ちゃんはワカチャラを攻めるのですが、
驚く彼に対して、
首里からの命令だという本当の動機を隠し、

"わしや兄たちを差し置いて
久米島を乗っ取ろうとした"

と言ったのが1番
「ほほうっ!?」
ってひっかかった。

なぜここで本心を隠す必要があったのか
なぜ憎まれ役を買うような物言いをしたのか、

ここにお父ちゃんの全てがある

と思いました。

 

ここは舞台を繰り返し見るごとに
より咀嚼でき、
見方を深めることができそうだなと思いました。

結局はのちに本心を明かすのですが、
そこで垣間見れる按司としての伊敷索と
父としての伊敷索がぶつかりあって
(このシーンは父>按司だけど)
彼らの強さも弱さも、
そして父子の愛も魅せてくれました!

母子の愛はこれまでたくさんあったけど
父子ってのは新鮮で、
母子とは違うものがありますよね。

泣けるゼ父ちゃん…。

 

こういうの好物だ… (*´﹃`*)

 

 

 

というわけで、
伊敷索按司(お父ちゃん)は紛れもなく
久米島の英雄、ヒーローだ!

 

 

久米島の人の心には、
一人の英雄が生きている。

 

いや!一人じゃない!
二人だ!!

ビバ!お父ちゃん!

 

 

+ + +

 

主人公のワカチャラももちろん素晴らしかったです。

今回はメンバー全員が女の子!

ワカチャラもお父ちゃんも演者さん全員女の子
だったのですが、
女の子だという違和感は全くなく、
かっこよくて、勇ましくて、きれいでした。

 

ワカチャラ関係で印象的だったのは、

まずは神託が下って民に演説する所。

 

太陽は(自分ではなく)民たちだ。
私はその太陽の光を受けて輝く月だ

と。

なるほど、上手いこと言うな、と感心(笑)

 

2つめが粟国島に追放された母を想うシーン。

「北山の風」の乙樽と丘春のシーンと
ちょっと似てるかな。

久米島と粟国島、遠く離れた場所で
それぞれを想い語り合うシーン。

これはもう、鉄板ですね。

その前に演じられた父子の愛とは
やっぱりまた違ったしっとりさと哀愁があって
聴衆の涙を誘っていました。

 

 

3つ目が死ぬシーン。

主人公の死ぬシーンは
現代版組踊の名物でもありますが、

こ、これはベスト3入りですね!

音楽と、女性アンサンブルと、演者さんとの
掛け合いがお見事でした!

特に女サンの床をドンドンする、
間際のクレッシェンドが好き!!

 

うおぉぉ……

 

という息をのむ圧巻の死にざまに加えて、
クメジマボタルのシーン!

ああ、綺麗すぎて泣ける…

 

ちなみに死にざまベスト3の残りは
「百十~MOMOTO~」の賢雄と、
「オヤケアカハチ」のアカハチ。

阿麻和利ももちろん好きですが、
あれは死にざまというよりは昇天。

番外編として、
鬼鷲の攀安知の狂い死に。
(ただし演者さんや公演による)

 

そういえば、
この時のワカチャラを攻める伊敷索軍の旗紋、
松に波って本当の伊敷索の紋??

でも松は本土の松紋の表現だったし、
舞台のオリジナルなのかなー?

家紋フリークの私としては
かなり気になりました(*・ω・*)

 

 

+ + +

 

 

どうやら長くなりそうなので、
いったんここで区切ります。

 

後編へ続く!


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