がじゅまるの樹の下で。

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世界遺産出土品巡回展~未来に継ぐ琉球の宝~、現時点の情報まとめ&レポ

2020年09月27日 | ・琉球歴史/文化風景

 

今年(2020年)は
「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が
世界遺産に登録されて20年の節目の年。

20周年を記念して、現在
『世界遺産出土品巡回展~未来に継ぐ琉球の宝~』
開催されています。

 

…が、ポスターやチラシ、
専用のウェブページやSNSなどが無いなど、
告知があまりにもなされていない上、
コロナの影響で会期が変更になったりして
(そしてそれが各会場博物館のサイトにも載ってなかったりして)
情報が錯綜、迷走しています

 

そこで、
実際に3会場に行ってきたので、
それを踏まえつつ、
現段階での状況をまとめてみたいと思います。

 

+

 

まず、巡回展の開催一覧。

各会場でもらえるパンフレットの表紙に書かれていたもの。

配色上、情報が見にくいので、画像加工したのがこちら↓

 

 

まず、会期変更をお知らせします。

 

今帰仁村歴史文化センター 
8月11日~9月6日→ 現在開催中~10月7日ま

うるま市立与那城歴史民俗資料館 
8月17日~9月18日→ 現在開催中~10月7日まで

世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム
9月11日~10月4日→ 11月6日~11月23日 

 

那覇市立壺屋焼物博物館からは
今のところ変更の情報なしです。

 

そして各会場では、

「巡回展」としての展示と、
20周年を記念した「その会場独自の展示会」が、
別々に開催されている場合があります。

 

ユンタンザミュージアムの巡回展は
大幅に会期がずれましたが、
「20周年記念展 座喜味城跡写真パネル展」
現在開催中~11月3日

です。

 

同じ20周年を冠していることもあり、
すごくややこしいので

お間違えないようご注意ください。

 

また、読谷会場は広報誌には
巡回展の告知が
当初の予定通り9月11日~10月4日の日程で
掲載されているようですが、
実際には開催されていません。

ユンタンザミュージアムのサイトにもFBにも
巡回展の会期変更のお報せは(現時点では)載っていませんが、
実際には開催されていません。

 

現在ユンタンザミュージアムで開催されているのは
「写真パネル展」のみです

 

じゃあ、私はどこで巡回展読谷会場の
会期変更の情報を得たかというと、

この写真パネル展で配布していた
巡回展パンフレットの、中に入っていた
「変更のお知らせ」の紙です。

 

ツッコんでもいいですか。

 

っていうか、巡回展目当てで読谷まで行ったのに
怒ってもいいですか。

 

でも写真パネル展は良かったのがせめてもの救い。

 

 

そして、巡回展が現在開催中の
うるま市の与那城会場ですが、
土日祝日は休館です。

見学したい方は
平日の9時から17時までです。

ご注意ください。

 

(今帰仁会場は会期中は休館なしです)

 

 

こんな調子なので、
壺屋焼物博物館以降の日程も
果たして予定通りにいくのか
あまりあてになりません。

各会場のサイトだけではなく、
(既に述べたように情報掲載されていない例もあるので)
行こうと思っている日に合わせて
直接電話して確認するのが確実のようです。

 

コロナで予定通りにいかないのはしょうがないとしても、
世の中で明らかにそういう状況があるのに
この事業の情報をとりまとめているサイトがないのが厄介ですよね。

とりまとめは県だと思うのですが。

今からでも専用SNSでも立ち上げてほしいものです。

 

+ + +

 

というわけで、先日、
今帰仁会場、
与那城会場に行ってきましたので
少しだけレポします。

 

まず、今帰仁会場。

 

 

スペースはこじんまりしていますが、
モノは各場所の特徴的なものが揃っている感じです。

 

 

 

那覇からは
世界遺産以外の場所のものも。

これは渡地村跡の瓦。
ちょっと他では見ない珍しい感じの瓦デザイン。

巡回展のキャプションに
これがいつごろのものかっていうのも
明記してほしかったな。

(今帰仁独自の展示キャプションは明記されていました)

 

+

 

続いて与那城会場

 

 

今帰仁のトラの骨は
与那城会場に来ていました。

 

 

那覇の神応寺跡の歓喜天。

これは珍しい展示なのでは…。

 

某有名出土物のレプリカも展示されていましたが
キャプションに「複製」って書かれてなかったから
一瞬本物!?ってびっくりしたよ…。
(確認したらやっぱりレプリカって。だよね…)

ってゆーか、複製なら複製って明記しないと…。

 

 

与那城会場はうるま市なので
うるま市独自の展示である、
勝連城跡の最新の発掘速報が興味深かったです。

 

 

近年は東側のエリアを重点的に発掘した模様。

 

 

南風原御門の石畳。

 

 

その南風原御門から出た、
アユタヤ白化粧台付土器(!)

各地域の出土物を見比べることで
その地域の特色や歴史、繁栄具合、がわかるのは面白いです。

(ただ、一か所、非常にヨロシクナイ展示方法がなされていたのが残念。
シャレにならないレベルので写真は載せませんが……改善されたかな…)


 

+

 

 

読谷会場。

先述した通り、巡回展はやってなかったので、
読谷独自の「写真パネル」を。

 

 

スペースは今帰仁、与那城よりも広かったです。

写真に合わせた解説も丁寧で
座喜味城跡の整備の歴史を知ることができ、
新鮮&勉強になりました。

 

 

整備が始まる前、
1974年以前の座喜味グスクの様子。

米軍施設の建設のため破壊されていて、
後方の城壁はほとんどありません。
(ということは、今見ているのは復元されたものということになります)

 

 

今では想像もつかない座喜味グスクの姿です。

 

 

残っていたアーチ門も、
ゆがみなどが生じていたため、
一度解体して積みなおす作業が行われたようです。

 

 

二の郭は当時重機が入れず、
人力による作業がほとんどだったらしい。

 

 

 

ひええぇえぇえ……。

グスク建設当時もこのような風景だったのかもしれない。

山田グスクから石を崩して運び、
奄美諸島からも人手を集めて築城されたという
当時の様子に思いを馳せる…。

 

もりだくさんの写真展、
入場無料です。
(常設展部分は有料)

 

+

 

世界遺産登録20年の節目、
この機会に是非
お近くの会場に足を運んでみてはいかがでしょうか?

10周年の時はリレー講座とか企画が盛沢山で色々はしごしたりしたな…。
現代版組踊も各グスクで野外公演したりして)


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