がじゅまるの樹の下で。

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澤岻樋川と金武大川の"若水"体験

2019年01月06日 | ・琉球/沖縄、徒然日記

 

年末の風物詩のひとつとなった
「お水取り」

お水取りとは、
王国時代、首里城で正月儀式に使う神聖な水を
汲んできて献上するという儀式。

お水取りの水は、
辺戸の大川と
浦添にある澤岻樋川の2種類。

かつては
辺戸の大川と、
首里城周辺にある泉のうち
その年の吉方にある泉の2種類だったそうですが

今はその多くが
枯れたり汚染されてしまったため、

今でもきれいで水量が豊富な澤岻樋川が
吉方に関係なく、毎年使われているのだそう。

辺戸の大川には行ったことがありましたが
澤岻樋川はまだだったので、
行ってきました。

 

 

慶良間諸島もしっかり見える
高台の、建物の下にありました。

街の住宅街の中にあるのに
今でも水音が聞こえるくらい
水を湛えています。

そして何よりも驚いたのは
この透明度の高さ!

 

 

底までしっかり見える。

Twitterに動画をUPしています→

 

さすが、お水取りに選ばれるだけあります!

 

 

ところで、
以前も紹介したこちらの本。

『おきなわ湧き水紀行』(ぐしともこ著/ボーダーインク)

 

この本の中に、
元旦に澤岻樋川の水を汲み、
それをお雑煮やお茶・コーヒーに使っている
というエピソードが紹介されていまして。

 

…え、やってみたい!

 

でも、飲んでも大丈夫なものなの???

 

水質調査の数値(COD値0~1→きれいな水レベル)や
ぐしともこさん代表の湧き水fun倶楽部に
質問させてもらった結果、

ボトル式浄水器で濾過+煮沸をすれば

 

 

と判断。

 

よし、決行だ!

 

 

というわけで、
ペットボトル持参で汲ませてもらいました。

(元日の朝に汲むのが「若水」と言って本来の在り方なのですが、
地理的都合上かなわなかったので、ちょっとフライングで

樋(とい)から流れ出ていれば良かったんだけど
この時は溢れるほどではなかったので、直接。

汲んだ水は無臭&透明。
ごみや砂などは見えませんでした。

 

 

そして、もう一つ!

辺戸の大川はさすがに遠いので、
琉球八社のひとつである金武宮(+金武観音寺)への
お参り(年末詣)ついで金武大川へ

 

 

相変わらずのスゴイ水量。

しかも、排水が追い付かず、
溢れて近寄れないほど。

もちろん透明度も健在!

 

TwitterにUPした動画(是非音も聞いて下さい)→

 

 

こちらの金武大川も
正月には若水を汲みに地元の人たちが来るのだそう。

 

若水汲みの儀式についての説明ガイドがあったり
「沸騰させてお飲みください」の表示もあったので
こちらも濾過+煮沸で心配なさそう。

 


こちらは樋から汲ませてもらって…。

 

 

万事準備OK!

 

 

早速、お正月に
この水を使って抹茶を点てました。

(他にお米を炊く水にも)

 

 

 

そして、
澤岻樋川の水と
金武大川の水で、


利き水

もしてみたよ。

 

 

それがね、結構違うのです。

水質が違うのかな?

前述した本によると
澤岻は硬水らしいのですが、
金武大川はどうなんだろう?
(ちなみに辺戸の大川は軟水らしい)

 

個人的な感想としては
澤岻が無味無臭、ニュートラルな感じで
金武大川は少し"水の味"がある感じがしました。

 

 

本では
垣花樋川や伊平屋の上之井戸の水を
料理に使うエピソードも紹介されています。

そういえば、佐敷森のサシジャー(→ )も
水を汲みに来ている人をよく見かけたなぁ。

 

水道の水ではなく、
昔からの湧き水。

手間はかかるものの
ちょっと特別な感じがした
"若水"体験でした。


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