そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

2月13日(木)ジェンダー・バランス

2014年02月13日 | 校長は日々是口実

  「かな」って何だろうと、ずうっと考えている。仮名は女手と称されたが、仮名テクストとは女はもちろん、男もアクセスできるテクストということではないのだろうか。それは価値の低いものであったはずはない。古今和歌集の仮名序は、土左日記に先行する。すなわちジェンダー・クロスの地平を開く文字が、仮名であったのではないか。

  私は幼稚園から大学院まで、ずうっと「共学」で育ってきた。県立高校3年の時のクラスは、文系だったこともあって、男女それぞれ25名ずつの50名。この中から後に結婚したペアは、卒業写真帖をたたむと2人の写真が重なるよう配置したのだった(幸い未だ離婚したカップルはいない)。

  だから東京へ出てきて、関東では男女別学が結構優勢だと知り、大いに違和感を感じたものだ。いま私は共学の高校の校長を兼務しているが、男女の比率は2:1となっている。数年前に共学化を実施した当初は3:1であったものが、徐々に変化して、現状にいたっている。これがこの先どうなるのか、私には分からないし、一校長が何か操作できる筋合いでもない。学校法人はどうするお積もりか? お偉い方々の中には、男女別学で教育された方も多い。人間、自分の体験を美化、絶対視しがちであろう。同居人は県立の女子高出身だが、妙にプライドが高いのである。その女子高を共学化するという話が出たが、OGが団結して潰してしまった。私は、アホかいなと思いながら、傍観しておったがな。郷愁とは恐ろしいものである。

  高校のジェンダー・バランスって、一体どう考えたらよいのだろう? 兄貴分高校は男子校だ。学校法人は将来的に、男女均等を実現すると宣言しているから、論理的には、兄貴分高校は共学化しなければならないはずだ。でも、きっと、すごい抵抗が出ることだろう。兄貴分の校長も、そんな積もりは無いに違いない。

  このようなことを、入試の真っ最中にずうっと考えている。