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日本の奇祭2「なまはげ・島田帯祭」

2013年06月03日 | 国内旅行

一年を通して日本全国の各市町村で何らかのお祭りが必ずあります。

故郷を思うとき、まず思い出されるのが祭りではないでしょうか?

 

ただ世の中には、地元の人には普通で真剣なんだけれど、

外部の人から見ると摩訶不思議な世界に見えてしまう祭りがあります。

これを世の人は「奇祭」と呼びます。

 

奇祭とは、独特の習俗を持った、風変わりな祭りのことと解説されています。

 

これを、人によっては「とんまつり(トンマな祭)」

「トンデモ祭」とも呼んでいるようで、

奇祭に関する関連書物も数多く出版されています。

よく取り上げられるのは、視覚的にインパクトがある祭り

(性器をかたどった神輿を担ぐ祭りなど)がよく話題になりますが、

ほかにも火を使った祭りや裸祭り、地元の人でさえ起源を知らない祭りや、

開催日が不明な祭りなど、謎に包まれた祭りはたくさんあるようです。

 

これから数回に渡って奇祭を特集していきます。

その多彩さに驚くとともに、祭りは日本人の心と言われるゆえんが、

祭りの中に詰まっていることが理解できるでしょう。

 

特に言う必要はないと思いますが、

以下にふざけて見えようと馬鹿にしているように見えようと、

れっきとした郷土芸能であり、

日本の無形民俗文化財だということは間違いありません。

 

今回は、秋田県男鹿市のなまはげと静岡県島田市の島田帯祭です。

 

なまはげ秋田県男鹿市)

 

なまはげは、大晦日に秋田県の男鹿市と三種町、

潟上市の一部の各家々で行われる伝統的な民俗行事です。

本来は小正月の行事だったようです。

「男鹿のナマハゲ」として国の重要無形民俗文化財に指定されています。

 

 

なまはげの語源は、冬に囲炉裏にあたっていると手足に

「ナモミ」「アマ」と呼ばれる低温火傷ができることがあります。

“それを剥いで”怠け者を懲らしめ、

災いをはらい祝福を与えるという意味での「モナミ剥ぎ」から

「なまはげ」「アマハゲ」「アマメハギ」「ナモミハギ」などと

呼ばれるようになりました。

一般的に、赤面がジジナマハゲ、青面がババナマハゲとされています。

 

鬼の面、ケラミノ、ハバキを身につけ、

大きな出刃包丁(あるいは鉈)を持ったなまはげが家々を訪れ、

「泣くコはいねがー」という荒々しい声を発しながら怠け者、

子供や初嫁を探して暴れるというものです。

主人はなまはげをなだめながら丁重にもてなすそうです。

 

同様の行事は同じ秋田県秋田市のやまはげ、

秋田県能代市のナゴメハギ、山形県遊佐市のアマハゲなど、

主に本州北部の日本海沿岸部各地に存在し、

新潟県村上市や石川県能登地方にはあまめはぎが伝えられ、

福井県には語源は異なるがあっぽっしゃなどの呼び名でも分布しています。

太平洋側でも北東北地方の岩手県大船渡市三陸町は吉浜のスネカがあります。

江戸時代に東北から藩主が入った愛媛県宇和島地方では、

前述の低温火傷を「あまぷら」といって、

あまぷらができるような怠け者が便所に入ると、

「あまぷらこさぎ」という者があまぷらを取り去るという伝承もあります。

 

 

【ルーツ】

妖怪などと同様に民間伝承であるため、正確な発祥などは分かっていません。

異形の神が脅して教訓を与える祭りとして、

鹿児島県薩摩川内市の甑島列島にドンドンという類似の行事があり、

トカラ列島の悪石島にはボゼ神の祭りがあります。

これらとなまはげを関連づける意見もあります。

また、「なまはげのモデルは、漂流してきたものの、

異形で異なる言葉から住民と交われず、

人里離れた場所にひっそりと住み着いた外国人(白人)ではないか」

というような説もあります。

「農閑期の終わりを前に、

農民を管理していた当時の役人が農民たちの怠惰を戒めるために

鬼のような形相で各戸を訪問してきたことがルーツである」

などとも言われています。

他にも秋田には、「漢の武帝が男鹿を訪れ、

5匹の鬼を毎日のように使役していましたが、

正月15日だけは鬼たちが解き放たれて里を荒し回った」という伝説があり、

これをなまはげの起源とする説もあります。

 

 

大晦日の他に「なまはげ柴灯まつり」が2月にあり、

これは主に観光向け行事として親しまれています。

こちらは、まなはげの着ているケラから落ちた藁を

頭などに巻き付けると無妙息災の御利益があると言われています。

 

【交通アクセス】

電車:秋田新幹線こまちで「秋田」駅下車、JR男鹿線に乗り換えて「男鹿」駅。

車 :秋田自動車道「昭和・男鹿半島IC」より約30分。

 

島田帯祭(大井神社:静岡県島田市)

 

島田大祭は、大井川鎮護や安産の神として信仰されている大井神社の祭りで、1695年に神事祭典が定まり、

初めて神輿が渡御されてから今年で106回を数えます。

当初の供奉の行列は、神輿の他に代官をはじめ宿役人、

一般の宿民が続き、鹿島踊りや大奴もこの時代から加わっていました。

 

現在では、一般に「帯まつり」の名で知られ、

その名は島田宿に嫁いできた女性が安産祈願を大井神社もお参りした後、

宿場内に帯を披露していたものが、いつしかお嫁さんの代わりに、

大奴が金襴緞子の丸帯を太刀に掛けて練り歩くようになったことに由来し、

日本三奇祭に数えられています。

 

 

島田帯祭が開催される大井神社は、静岡県島田市大井町にある神社です。

旧社格は県社で、現在は神社本庁の別表神社となっています。

式内社ではありませんが、国史に記載のある国史見在社です。

 

水の神・弥都波能売神、土の神・波迩夜須比売神、

太陽の神・天照大神を祀っています。

 

[歴史]

創建時期は不明ですが、日本三代実録に貞観7年の当社への正五位下の

神階授与の記述があることから、それ以前に成立していたと見られます。

しかし、慶長4年以前の所在地は、

上流から漂着したなどの伝承もあって定かではなく、

大井川の氾濫によって度々場所を移らざるを得なかったと考えられています。

現在の島田市の市街地2箇所を経て、元禄元年に現在地に鎮座しています。

大井川流域には当社を中心に現在46社の大井神社があります。

 

大井川から東海道島田宿や金谷宿、

およびここを旅する人々を守る鎮護の神として崇められてきました。

 

[祭事]

島田の帯祭は、3年おき(寅・巳伊・申・亥の年)の

10月中旬の例祭の際に行われる祭りで、

大奴(男性)が腰に差した大太刀に帯を下げて行列を組むというものです。

元禄8年から始められたと伝えられ、

花嫁の代わりに大奴が晴れ着の帯を披露するようになったものとされています。

 

 衣装揃え

 

 屋台の上踊り

 

[開催場所] 島田市本通りおよびその周辺

[駐車場]  緑地公園駐車場など

[交通アクセス] 

   電車:JR島田駅から徒歩5分

   車 :東名高速「吉田IC」を下りて左折、約15分。

[お問い合わせ] 島田観光協会 電話:0547-37-1241

 

日本の中には一体幾つの祭りがあるのでしょうか?

歩いていける距離に祭りがない地域は日本にはおそらくないでしょう。

どこにいっても、氏神はあるし、寺院は至る所建っているし、

地蔵に稲荷に道祖神、おまけに奇岩景勝地や山岳崇拝、

地域町おこしの商店街や青年団および婦人会など、

数え上げたら切りがありません。

しかも、一年を通して、どこかで必ず祭りはあります。

ならば、楽しまなければ損!

世にも不思議なお祭りから神秘な祭り、

裸祭りやちょっとエッチなお祭り、

そして素朴なお祭りまでおおいに楽しみましょう。