佐野眞一著の「渋沢家三代」を読みました。
この本は、渋沢栄一、篤二、敬三の渋沢家3代のことが書かれています。渋沢栄一は埼玉県深谷市に生まれた偉人で、その生誕地は地元伊勢崎市島村から1kmほどにあります。島村にもよく訪づれていたようです。
さて、その渋沢栄一ですが、日本に資本主義を根づかせた人物です。500もの企業創業に関わりました。その生涯をノンフィクション作家の佐野眞一が、相変わらずみごとな表現力で書いています。
名前は知っているのですが、その生涯はあまり知られていない渋沢栄一のことを知ることができる本でした。また、その息子の篤二のこと、嫡子となった敬三のことが詳しく書かれています。
地元群馬県では「富岡製糸場と絹遺産群」で世界資産登録を目指しているのですが、その富岡製糸場の誕生に力を注いだのも渋沢栄一でした。その初代所長は、渋沢栄一に論語を教えたいとこの尾高新五郎でした。
その篤二は、放蕩の息子で廃嫡処分になります。孫の敬三は、銀行家で大蔵大臣のもなった人物ですが、民族学者のパトロンして名をなしました。
この3代の人物の魅力を新書という制約の中で余すところなく書いてある本でした。