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日本のデフレ、長期化の原因は-日本経済新聞「けいざい解読」2012.4.8-

2012-04-09 19:53:12 | 経営全般

  今日は、新聞が休みでしたので、日曜日の日経新聞を読んでいましたら、納得した記事がありました。

 記事は日本のデフレの長期化の原因について記載しているものです。以下その引用です。

 日本のデフレはしつこい。もはや10年越しの現象である。かくも長き「ニッポン病」の原因をどう考えたらいいのか。底流にあるのは慢性的な需要不足だ。その規模は2011年10~12月期で約15兆円(年率換算)に達する。国内総生産(GDP)に対する比率は3.4%。リーマン・ショック後の7.9%をピークに縮小傾向をたどっているとはいえ、容易に解消できる水準ではない。

 第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストによると、13年度末時点でも1%程度の需要不足が残る。想定を超える原油価格の上昇でもない限り、日銀が目指す前年比1%消費者物価上昇率をすぐに達成するのは難しいという。

 バブル崩壊の後遺症、少子高齢化の進展、円高の加速・・・・・。日本の需要不足は様々な要因が重なった結果だ。こんな「低温状態」がおよそ20年間も続いている国は見当たらない。

 しかし、リーマン・ショック後は欧米も大幅な需要不足を抱え込んだ。それなのにどうして日本だけがデフレなにか。富士通総研の根津利三郎エグティブ・フェローは「賃金の下落が響いている」と話す。

 日本総合研究所の山田久調査部長が経済協力開発機構(OECD)のデータで分析したところ、日本の名目賃金は1995~2010年に11%減っていた。これに対して米国は72%、ユーロ圏40%増えている。

 「フルタイム労働者の年間給与の下方硬直性が1998年以降は観察されなくなった。しかもリーマン・ショック後は伸縮性が高まっている。」。慶応大学の山本勲准教授は数々の危機を経て、残業手当や賞与などに切り込む企業が増えたとみる。

 日本の企業が雇用を守るため、賃上げで不況に対処してきたのは間違いない。人員整理に動きがちな欧米とは対照的だ。それが失業率の上昇を抑える一方で、物価の下落という副作用をもたらした可能性がある。

 2009年以降の日本では、モノだけでなくサービスの値下がりも鮮明になった。これも他国には見られない特徴である。サービス価格に占める人件費の比重は大きい。賃金の低下がデフレに重要な役割を演じたという論拠のひとつになり得る。

 グローバル化の影響も見逃せない。新興国との経済関係が深く、製造業が厳しい価格競争を迫られるほど、物価下落の可能性が高まるという理屈だ。

 2010年度の経済財政白書は「価格競争の過程で生じた労働コストの低下圧力がサービス業にも影響し、物価の基調を弱めた面もある」と指摘した。アジア開発銀行研究所の河合正弘所長らは昨年11月の関連会議で、中国の供給能力の拡大が米国よりも日本のデフレ圧力をもたらしやすいと報告している。

 デフレの主因を特定するのは何年たっても困難だろう。だが金融緩和に頼るだけでなく、賃金の底上げを含めた成長戦略も必要なのは明らかだ。脱デフレは政府・日銀の共同作業であることを忘れてはならない。

 いかかでしょうか。