あび卯月☆ぶろぐ

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朝日新聞が「朝日字体」を廃止

2007-01-16 03:20:04 | マスコミ・新聞
今日(十五日)の朝日新聞の朝刊を見て仰天した。
朝日新聞が「朝日字体」を廃止するという。

「朝日字体」というのは朝日新聞が作った独自の漢字字体。
「朝日文字」とも言われるもので、「鴎」(正しくは「區+鳥」)、「涜」(正しくは「シ+賣」)、などが有名。

終戦後、間もない頃、政府の国語審議会はいづれ漢字は廃止しようと考えて漢字の簡略化や使用制限を取り決め、公官庁や新聞社各社等に通達した。
普段、国のすることは何でも反対の新聞社がここでは利害が一致して全社右へならえでそれに従った。
とりわけ、朝日新聞は簡略化をまぬかれた表外文字も簡略化した。
それが正字正假名派から悪名高い「朝日字体」である。
以来、朝日新聞は率先して漢字制限を行ってきた。

が、ここへきて大転換をはかるという。
これには驚いた。
私は朝日新聞は今後も漢字制限を推進するものと思っていた。
それが、今までの方針を百八十度変えて、朝日字体を廃止して約九百字について字体を改めるという。
これ、驚いているのは私などの一部の人間だけだろうか。
朝日新聞がなにかやるたび大騒ぎする2ちゃんねるあたりでも全くと言っていいほど話題になっていない。
私の驚きを伝えるために譬え話をするならば、
朝日新聞が社説で「卒業式では国旗を掲揚し、国歌を斉唱すべきだ」とか、「大東亜戦争は侵掠戦争ではなかった」と主張し始めるようなものだ。

朝日新聞によると「朝日字体」廃止の理由として、

一、印刷物の字体を統一するため。
二、国語審議会の平成十二年の「表外漢字字体表」答申(康煕字典体を標準と位置づけた)を尊重。

の二点を挙げていた。
「朝日はやはり時局迎合新聞か」と批判する向きもあるかもしれないが私は素直に朝日新聞の姿勢を評価したいと思う。
このブログで朝日を褒めるなんて初めてかも(笑)
時局迎合なんて朝日に限ったことではないですしね。

それよりもっと批判されてしかるべきなのは国語審議会だ。
なぜ、国民共有の財産である言葉や文字をどこの馬の骨が集まったかわからないような会によって漢字を制限されたり、あるいは「やっぱりこの漢字使っていいよ」といわれたり、正しい送り仮名の振り方はこうですよなどと指示されなければならないのか。
また、漢字に限らず戦後は「正しい仮名遣いはこうですよ」と新仮名遣いを強制させられた。
国語審議会や内閣は、あれは規範を示しただけで強制ではないと言ったがそれは嘘八百で公文書は新字新仮名しか認められず、出版会もそれにならった為、今では正字・正仮名遣い(旧字・歴史的仮名遣い)は認められなくなった。

私は私的文書はすべて正字正仮名で文を綴っていて、大学論文も正字正仮名で綴ろうと思ったらある教授からたしなめられた。
やはり、公的には正字正仮名は使ってはいけない文字であるらしい。
すべて、国語審議会という名の文化破壊集団のせいである。

私は生があるかぎりこの“国家権力の横暴”に抗し、せめて私的文書だけでも正字正仮名で文を綴ることにする。