あび卯月☆ぶろぐ

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「ケントリ(KENZI & THE TRIPS)」のこと

2006-12-26 03:04:56 | 音楽・藝術
 イキツクトコロまで行き着いた憂鬱な現代社会
 コンピューター TV で隠れん坊
 金が全てを代弁する


上に挙げた文はKENZI & THE TRIPSというバンドの歌詞。
今の世の中を巧みに諷刺している。
しかし、これが二十年以上前に作られた歌だと言ったら驚かれるだろうか。
でも、本当に二十年以上前に作られた歌だ。

さて、最近KENZI & THE TRIPS(以下、ケントリ)にハマっている。
私が初めてケントリを知ったのは高校三年生の頃だったと思うので、今から五年くらい前のことになる。
ケントリは1984年くらいに結成されたロックバンドだ。
ロックというよりはどちらかというとパンクに近い。
タワーレコードの分類でもパンクの範疇に入れられている。
ヴォーカルのKENZIの独特の歌声と歌い方は当時多くのファンを魅了した。
活動休止やメンバーチェンジを経てデビューから二十年以上経った現在でも活動しているが、今ではほとんど知られていない。
私がケントリを知ったきっかけはロリータ18号(というバンドの名前です)のカバー曲ばかりを集めた『ヤリタミン』というCDを聴いたこと。

ついでに、ロリータ18号について少し解説しておくと、
ロリータ18号はパンクな姉さん四人組のバンド。
メンバーの変遷があって、結成当時から居る人はヴォーカルの石坂マサヨのみ。
日本における女性のパンクバンドでは日本で少年ナイフに次いで最も有名なバンドではないだろうか。
ところで、バンド名のロリータ18号は戸川純の「ロリータ108号」という歌からきていると思うが、詳しくは知らない。
で、戸川純という人は・・・と一々説明しているとキリがないので止めておきます。

その『ヤリタミン』のなかにケントリの「HONEY DANCE Ⅱ」という曲がカバーされていた。
そして小生そのパンクでビートな曲調にやられてケントリに興味を持った次第。
しかし、ケントリのCDはその当時ほとんど廃盤になっていた。
そこで、中古レコード屋やその他様々なルートを使って、ケントリの音源を手に入れた。
聴くと良曲が多くて、いっぺんにファンになった。
しかし、まだまだ多くの貴重な音源は聴けずじまいだった。

そうしていたら、近年、ケントリのCDの多くが再発されたり、ベスト盤が出たりした。
特に、初期の貴重な音源の多くが再発されたことはファンにとっては嬉しいことだった。
が、残念なことにケントリの中で一番の名盤であると謂われる(私もそう思う)ファーストアルバムの『BRAVO JOHNNY は今夜もハッピーエンド』は権利関係の問題から今だに復刻されていない。
大人の事情で素晴らしい藝術作品が日の目を見ないことはなんとも哀しいことだし愚かなことだ。
しがらみや権利は本当に嫌なものである。

しかし、それでもやはり、多くの音源が復刻されたことは事実で私は大変喜んでいる。
といっても、喜んでいるのはやはり私のようにごく一部のファンだけで、知名度は皆無に等しい。
ケントリが有名だったのはほんの短い期間だ。
ケントリは良い曲が多いのに本当に不遇のバンドだと思う。
やはり、デビュー当時から戦略がなかったからだろうか。
でも、本当に良いものと売れるか売れないかは別問題だと思うので、ケントリには今の位置が丁度いいのかもしれない。
(と云ったらKENZIは怒るだろうか。)
最後に私が好きなケントリの歌詞を引く。


 腐った理想はいかがです 狂った哲学いかがです
 見えない所でいやらしく 何度も何度も誘うのさ

 焦る俺はバタクソで 奴らのペースに嵌まってく
 分っているけどダメなのさ 今日も俺は落ちてゆく
 今、綺麗なものは何? 今、必要なものは何?
 自分を見失う前に 確かめたいことがあるのさ

(『LEO STAR 8』より抜粋)