あび卯月☆ぶろぐ

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インドカリー100年の夢 「ボースと頭山満」

2006-12-11 02:15:20 | 歴史・人物
大東亜戦争の目的は何か。私はつくづくこの点を考えました。
もちろん、大東亜の諸国を完全に独立国にしなければいけないのであります。
アジアが再び過去のように新しい美しい文化文明を生み出して全世界に与えて、
全人類を幸福にしなければならないのであります。



上の言葉はインド人の独立運動家ボースの言葉だ。

ボースについて少し説明すると、
1886年に大英帝国の植民地であったインドのベンガルの王族の家に生まれたボースは
大英帝国からの独立運動に身を投じ、インド総督に対するテロ未遂事件などを起こす。
その後、ラホール蜂起の首謀者とされ1914年に日本に亡命したが、日本政府は日英同盟を理由にボースに国外退去を通告。
激怒した頭山満や犬養毅、内田良平などは中村屋の創業者で、孫文らとも交流があった実業家、相馬愛蔵にボースをかくまうよう依頼する。
相馬愛蔵は敬虔なクリスチャンでロシアの無政府主義者エロシェンコやインドの詩人タゴールなども支援していた人物でボースをかくまうことも快く引き受けてくれた。
以後も玄洋社の頭山満たちから支援によって日本政府はボースは日本で独立運動を行うことを許可する。
インドカレーのレシピを中村屋に提供し日本にインドカレーを伝えたのもボースである。

このボースの生涯と頭山満との交流を追いかけたドキュメンタリー番組『インドカリー100年の夢 「ボースと頭山満」』が先ほどTNC(テレビ西日本)で放送されていた。(0:15~1:15)

この番組はボースの生涯を追いながら大東亜戦争はアジア解放の側面があったことを強調していて、
冒頭に挙げたボースの言葉も番組内で肉声のテープ音源として流れたものだ。
また、頭山満たち当時の国粋主義者が大アジア主義を掲げてアジア独立運動を支援してきた事実も解説されていた。
(中国革命の父・孫文を支援したのも頭山満ら玄洋社の人々。)
また、番組内では先の大戦の呼称を「太平洋戦争」ではなく「大東亜戦争」に統一していた。
テレビで大東亜戦争という呼称を使うのは珍しい。
かといって、大東亜戦争を全面的に讃美する内容というわけではなく、
満洲事変に抗議するボースの言葉も紹介されていたし、
日本の軍部の中にはインド人に対して冷たい者も居たことも触れていた。

私も大東亜戦争を聖戦などと思っていない。
あれはやりたくない戦争をやらざるをえなくなり嫌々やった戦争だと思っている。
もちろん、負の側面も沢山あっただろう。
が、戦後の日本ではあの戦争は侵掠戦争だったとして、かつての日本を極悪国家に仕立て上げとにかく日本だけが悪くて気違いのようなってあんな愚かな戦争をやったということになってしまった。
しかし、それは一面的で偏った歴史観である。
少なくとも歴史を通して当時の世界情勢や事実関係を知ればそんな短絡的な答えは出ないはずだ。
私があの戦争を聖戦とも侵掠とも思わない所以である。

それにしても、こんな深夜にこんな良質な番組を放送するとは思わなかった。
後半部分しか録画できなかったことが悔やまれる。
ボースや頭山満を取り上げたり、大東亜戦争の光の部分に焦点を当てた番組が放送されるとは時代も変わったということか。
しかし、この番組、福岡だけのローカル放送だったようだ。
(それも深夜の放送だったし・・・)
願わくば、是非とも全国ネットで再放送してほしいものである。