すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

電車が多摩川を渡る

2022-11-02 12:57:40 | 社会・現代

左岸 古墳側の斜面は
桜が地味な色に紅葉し
河原の禾本科はすべて藁色だ
花咲く緑の野
空を映す広い豊かな水面
そんなものはないけれど
ここにはここの安らぎがある

河川敷の真ん中近く
マウンドのように少し盛り上がったところに
小さな小屋がある
板切れとトタンとブルーシートの小屋だ
川が荒れた時に濁流から護られるように
上流側の茂みの蔭に小さく作られている

今年は無事に過ぎたのだ

4年前には氾濫で
すべて流されてしまった
荒れ放題の地が整備され
茂みに引っ掛かった流木は除けられ
そこに雑草が戻り
いくつかの小屋が戻り

すべてを失った人たちの何人かが
また住み始めたのだ

あの時は生きた心地もしなかったろうが
生き延びることができてよかった

故郷はあるだろうに
帰れない事情があるのだな
何も力にはなれないが
こんどそこまで行ってみよう
そしてせめて祈ろう
無事でいろよ

嵐の季節は去ったが
また 極寒の冬がやってくる

 

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