星・宙・標石・之波太(しばた)

星、宇宙、標石、之波太(しばた:柴田)をこよなく愛するサイト。

ベテルギウスの減光

2020-02-08 22:55:22 | 
朝日新聞2月8日 (いちからわかる!)

ベテルギウス、異変が起きているの?

過去50年で最も暗い。爆発が今年見られる確率は低いよ

 コブク郎 冬の大三角をつくるオリオン座のベテルギウスが爆発しそうなの?
 A ここ3カ月ほどで急に暗くなり、過去50年で最も暗くなった。夜空に
   21ある1等星のなかでも明るい方だったのに、2等星になったという
   報告もある。
 コ 星がその命を終える時、大爆発を起こすと聞いたけど?
 A 目に見える星の明るさと、星が爆発して超新星になるかどうかは関係ない。
   確かに、ベテルギウスは寿命を迎えつつある。年老いて不安定で、形は
   球形を保てていない。重さが太陽の10倍以上あるから、最後は自身の
   巨体を支えられなくなり内部から崩れて、大爆発する。とはいえ、今年
   見られる確率は0・001%以下だ。
 コ なあんだ。どきどきして損しちゃった。
 A 超新星は宇宙全体では毎日現れているけど、目で見えるほど明るいものは、
   太陽系がある天の川銀河の中の星が爆発したときだけ。有名なのは
   1054年の超新星で、歌人の藤原定家が日記「明月記」に記した。
   最後に目で確認されたのは約400年前だ。計算上は100~200年に
   一つくらい爆発する。
 コ もしベテルギウスが爆発したらどうなるの?
 A 地球からの距離は光の速さで約700年。ご近所だから、半月くらいの
   明るさで見えそうで、数カ月間は昼でも確認できる。その後、だんだん
   暗くなり、5年もすると目では見えなくなる。オリオン座は形が変わるし、
   冬の大三角は三角形じゃなくなっちゃう。
 コ ショック。人類が滅亡することはないの?
 A 大丈夫。爆発するときの衝撃波やガスは地球まで届かないし、ガンマ線や
   X線といった危ない電磁波もほとんど来ない。研究者はむしろ、超新星
   爆発のくわしい仕組みが分かるはず、と楽しみにしているよ。
  (石倉徹也)

(アストロアーツHP)から
 昨年末より記録的な減光を見せているオリオン座のベテルギウスの明るさが、
1.5等級よりも暗くなったことが確実となった。
オリオン座のα星で、全天でも最も有名な1等星の一つでもあるベテルギウスが
昨年秋から暗くなってきていると話題になっていましたが、とうとう2等星に
なってしまいました。この後どのように推移していくか非常に興味深いところです。
オリオン座のベテルギウスは進化の進んだ赤色超巨星です。脈動により0.3等
から0.9等くらいまでをおよそ400日くらいの周期で変光する半規則型変光星です。
このベテルギウスが昨年の9月ごろから減光を始めました。12月には1.0等を切り、
観測史上最も暗い減光などと言われました。
その後も10日で0.1等暗くなるというスピードで急速な減光が進み、1月30日に
Oさんが行った光電測光のV等級で1.54等になり、眼視観測者からも1.5~1.6等の
報告が相次ぎ、四捨五入でベテルギウスが2等星になったのが確実になりました。

ベテルギウスの光度曲線(データ出典:日本変光星観測者連盟)

ベテルギウスの周辺の星図(「ステラナビゲータ」で星図作成)
 今後のベテルギウスがどのような光度変化を見せるのか目を離せないところです。
ぜひこの機会に多くの皆さんにベテルギウスをご覧いただきたいと思います。
おうし座のアルデバラン(α星)が0.9等、オリオン座の左肩のベラトリクス(γ星)が
1.6等、ふたご座の弟ポルックスの足元のアルヘナ(γ星)が1.9等ですので、これら
の星と見比べて目測してみてください。