富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

最低賃金全国一律1000円は、反経済学すぎる

2019年05月25日 | Weblog

公明党は、最低賃金一律1000円の旗振り役となった。最低賃金制は、経済学の本流から出てきた発想ではない。法制を重んじる制度学派の思想的な産物である。日本では、失業対策の事業を行うときに、時間給の最低水準を決めるために生まれた。厚生経済学の流れにある。日本の場合、マルクス主義経済学は正体を隠すために厚生経済学を隠れ蓑とした。したがって、最低賃金に非常に敏感なのは、支持層の関係で公明党であり、観念のうえで救済対象とする共産党である。これまで、最低賃金制度は、地域ごとに異なった数値であった。それを時間給で、一律に1000円にすることが、政府与党の政策で正式に決められようとしている。原理的には、労働賃金は「供給と需要との価格均衡」で決まる。何の特殊技能も持たない日雇い労働に対し、地域別から全国一律という制度変更は、緻密な経済学の学理を否定するものである。1000円の購買価値は、地域ではかなり異なる。衣食住の最低の生活必需の面では、特に住のコストは、地域格差が激しい。YKKさんが、工機部を黒部市においているのは、住宅手当、通勤手当などのコストカットに優位性があるからだ。さて、最低賃金制度の具体的な対象者は、昭和時代では、労働能力の差異があまり開きがなかった。建築・土木では、今や機械化が進み、業務報告においてパソコンが使用できるかどうか、ここにオペレーターとしての資格差異が明瞭である。そこで、そのようなレベルの人材難の世界では、外国人を受け入れても、労働賃金は自然増をしている。オペレーターとしての技能習得の褒章として、最低賃金からみて高い時間給を継続保証される。ところが、最賃で救済されるべき層は、現在では、失業保険を原資とする豊富な職業訓練のメニューをまじめにやらないで、単純すぎる作業を受動的に進める人たちである。そして、悲しいことに、そういう層に隠れた作業ボスがおり、気の弱いものは、ボスにイジメられている。隠れた牢名主が存在する。つまり、福祉には、見える光である善に隠れた「性悪」の極道に蝕まれる。公明党は、政治と宗教との関係の調整に苦しんだ結果であろうが、貧困層を救うには、逆に、公然と宗教的な信念で貧困層の抱える問題に正面から立ち向かうことである。「諸法実相」という認識論が、理解できてない宗教指導者の限界がある。彼らには、21世紀の中葉の知識壁を超えられないだろう。「諸法実相」という認識論は、実は。現代流にいうとデータサイエンスである。「全国の地域最低賃金の中央値を1000円とする政策目標」といえば、賢いな、となる。

 


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中国は地方経済の困難に対処する減税策

2019年05月25日 | Weblog

ここに来て、習近平が外交・外政に謀殺され、李克強は内政に目を向け、来るべき地方経済の不況に対応し、「減税」「手数料引き下げ」などの処置で対応していることが分かる。それは、下記の資料では、マクロ経済政策を政策ツールとして運用できる空間があると強調しているが、現実には、企業や個人が負担してきた公共経費の未払いが激増し、減免してでも、完納を促進しないかぎり、地方政府の財政破綻の危機が迫っていることを意味している。この李克強の言葉は、有力な地方の「省長」を集めた対策会議の場で行われたものである。場合によれば、製造業がすでに納めた税につき、減税により還付することまで容認するという指示をだしている。ここまで来ると、8月の初旬、党の長老の集まる北戴河での懇談で、対米強硬を教条的に貫こうとする習近平の党中央の外交と、地方経済の底割れを防ごうとする内政の李克強との路線をめぐる闘争が、暗部で激化する可能性がある。注意を要するのは、国家元首にあたる国家主席の「任期が廃止されている」ことである。中国は、建国以来、政治局の常務委員が相互に定めた任務分担の職権を相互に不可侵として、リスク分散し、失政があれば、その常務委員の系列を粛清する方策をとってきた。ここへきて、中央軍事委員会の主席を含め一切の問題は、習近平の「批准」なしには機能しない集中化が行われた。結果、習近平は、アメリカとの貿易戦争を「独占資本主義」と「全人類運命共同体」との戦いであるという「共産党宣言」の原典から説き起こすマルクス主義の援用を基礎教養とする弱点と過信が目立ちはじめた。他方、李克強は「宏观调控」というマクロ経済経済学に基礎教養をおいている。その差異が、ここにきて立ち位置の違いとして明瞭になってきた。その意味で、習近平の国賓待遇での訪日を準備する動きは、最適であるかどうか、互いに見きわめにくいところである。中国経済が内部困難になったとき、排外主義に傾けば大衆はごまかせるので、中共中央は「親日」カードは切れない。日本も独占資本主義の一環だと内部教育しているからだ。習近平は経済学音痴、李克強はマクロ経済学主義、この差異は、アメリカにとり極めて大事な対中政策の硬軟に関わる問題である。結論を言えば、経済学の教養の土台が西側と共通記号で対話できる北京大学系の李克強の巻き返しをそれとなく支援する対応である。人民網より<李克强说,中国经济韧性很强,宏观调控仍有政策工具运用空间。当前要把已明确的更大规模减税降费政策实施好,下一步对制造业增值税留抵退税还要放宽条件、优化流程,并研究完善对企业研发创新的支持政策。各地区、各部门要跟踪分析经济运行情况和政策落实中遇到的问题,完善应对措施,把减税降费等政策红利转化为优化经济结构、扩大有效需求的动力,确保经济平稳运行、民生不断改善,在推动高质量发展上取得新成绩。>


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