富山マネジメント・アカデミー

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健常者の機能不全と障がい者の機能発揮

2019年05月16日 | Weblog

IT関係の技術の間では、全盲の方のプログラミング能力には、健常者の方が及ばないというのが常識がある。インテック、北陸コンピューター・サービスの方から聞いた話である。教育関係でいうと、全盲のかたに英語の発音指導をうけたことがある。また、同僚で、学徒動員で工場で右手を失った英語の女性教授がおられた。昔、障がい者は、企業や役所での採用が難しい時代だった。それで、大学院に進み、大学教員の世界では、程度の差異はあれ、障がい者が残された身体機能を発揮され、ご活躍されている。こうした障がい者の機能の発揮には、健常者のそれとない周辺支援も必要である。こうした面で、リタイア―されたあと、60歳以後、障がい者の団体の運営や、職業能力の育成と就業の場の開拓に尽くされている。最近、年金制度の近未来の破綻が危惧されるが、高齢になっても社会奉仕を無償でおこない、少しでも現役世代の負担を減らすように心がけている人材は、極めて少ない。それは、健常者の機能不全である。いよいよ70歳までの雇用が奨励されるようになった。それは、年金の掛け金を負担する労働力人口の減少を緩和するためである。そうした議論に欠けているのは、高齢者に期待し、また、それを奨励するには、「社会貢献ポイント」である。「社会貢献ポイント」を公的な機関から戴くことで、社会貢献の機会を全く失っている高齢の健常者に、さらなる励みとなるだろう。それには、少なくとも国会に議席のある政党の地域活動の参加者も、「社会貢献ポイント」を給付することである。政党への国の助成金とともに、国民の政治参加への意識を高める啓発活動もふくめ、健常者により多くの無償の社会貢献の参加機会を呼び掛けることである。その場合、非常に残念なのは、地方自治体でも上位の公務員の経験者よりも、住民に密着したかたの社会貢献度のほうが高いという世評である。【写真説明:富山大学経済学部「経営学の現場」人文学部「キャリアーデザイン」科目、CMICシミックの技術顧問・薬学博士の金子哲男先生(左から4人目)の寄付講義のあとの記念写真:薬業者の究極の課題は、採算に合わないが少数の難病を治療する社会使命の達成を忘れてはならない、と講義を締めくくられた。進行役の教授陣も、サポーターも一切、無償である。みんなサービス残業である。】

 


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