富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

なぜ、松竹梅なのか?

2018年01月19日 | Weblog

松竹梅は、日本酒のブランドの一つである。松竹梅は、中国の宋時代の文化人の生き方を象徴する樹木だった。松は、常緑樹である。長江の流域のお寺は、松の林に囲まれている。竹は成長が早く、雪に折れない。梅は、極寒に耐えながら、春一番に花を咲かせる。この松竹梅の好みは、唐様といって、伝統中国のファッションである。富山の旧家でも、金沢の兼六園でも、松竹梅のあしらいが眼につくだろう。その基本は、松竹梅を見て、常、柔、忍の三項目の自省をしなさいという教訓話にある。なぜ、樹木が重視されたのか。それは、中国の太古にちなむ。人々は、集落のシンボルとして、その土地にあう樹木を選んで植えた。これを「社」という。この文化は、日本の伝承され、中国では廃れてしまった。日本では、村の鎮守も森が太古の自然林の姿を残している。中国では、松竹梅を愛した知識人の文化が、下層民の上昇により消滅させられた。日本では、松竹梅は江戸時代には、中国に由来す教訓話を含めて珍重された。棄てられた中国文化の博物館である。

今、日本では、庭木の話ではない。山岳の樹林の管理が話題となっている。国家の「社」は、山岳部の樹林にある。国家の安泰のために、山の樹木に目を配ろう。


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和するも、謀略するのも半島のうち

2018年01月19日 | Weblog

朝鮮半島の南北分裂は、独立運動の主体が、四分五裂していたからだ。それで、亡命し身を寄せる大国が、ソ連だった極東組、アメリカだったキリスト教系、儒教系の民族主義は中華民国の臨時政府を設ける、さらに、コミンテルンの属した南部の日本共産党系のグループ・・・。それぞれに、朝鮮半島をめぐる歴史観が異なる。この半島では、数千年来、内紛を周辺の外国を頼りにして地域間紛争が繰り返されてきた。実は、その点では中国も同じである。では、中国の歴史と、朝鮮の歴史とではどこが違うのか?中国は、早期に都市国家が成立し、秦の始皇帝の時代に「統一中国」の基盤が整い、漢時代の400年で「漢民族」の骨格が整えられらからである。この時代に、日本でも統一国家ができる。朝鮮半島では、漢王朝の殖民都市が経営され、それを排斥する力を統合する道徳文化の支柱が、「和を以て謀略する」次元を超えられなかったためである。日本の場合は、奇跡ともいえる聖徳太子の「和貴」思想が、覇者を王道に従わせる正義論が基礎にある。隣人、友人、教え子、朝鮮半島に祖先をもつ方は多い。気の毒なことに、悪人が善意を利用する「和を以て謀略する」武人に破れている。だから、善人は、外国に安住の地を求め、半島を先祖の記録として、個人の記憶には留めない生き方という拡散の論理も生まれる。外への拡散と、出来もしない統一という陰謀にこだわる内向きの力が内外に均衡し、流浪と漂流という地球人の根底の多数派につながり、「人」を見つめる精神の発達が促される。国家を棄て、他の民族にはない漂流感に達すれば、「人」としての大道に立てる。ハングルを祖語とするひとから、ノーベル文学賞の候補になるような英語で作品をかける人材を多く生み出すことである。優しい人が多いのに、理不尽な歴史を背負いすぎる。慰安婦で喚くまえに、どこまで深く自己文化の自省ができるのか、そろそろ答えを出して欲しい。気品は、民族の壁を超える。


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「文摘」という情報媒体

2018年01月19日 | Weblog

中国に滞在し、在外研究を進めているころ、「〇〇文摘」という週刊の新聞・雑誌に重宝したことがある。いろいろな媒体に発表された情報を週遅れ、月遅れで転載する新聞である。関心ある専門テーマに関する全ての情報を独力で目を通すのは困難であるから、専門テーマに応じた「文摘」スタイルの新聞は重宝である。現在、日本では著作権の関係で無理である。ネット検索しても、あまり良い情報にはヒットしない。グーグルに「スカラー」という特化した検索エンジンがあるが、著作権の関係でダウンロードできない。中国では、有料化が進み、資金さえあれば漢語で書かれた有用な情報は、比較に容易の集まられる。もう紙媒体の「文摘」は、不要かもしれない。このように、日本が必ずしも一番に便利であるとは限らない。案外に、中国の社会全体のIT化は進んでいる。日本の場合、ネット検索では、真にオリジナルな良い情報は手に入らない。欧米では、莫大な料金を払わないと、そこにはアクセスの壁がある。自由があると言っても、著作権という壁により資金力の差に左右される。


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