トシコロのありのままの暮らし


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西洋医学の功績と陰の面

2015-02-24 17:27:06 | 日記


  特に、19世紀のパスツールの細菌発見以来、ペスト、赤痢、コレラなど、細菌性の病気に対しては完璧に近いような威力を発揮し、治療はもちろん、病原菌の撲滅などをして全人類を健康と幸福に導いた。まずは、その功績を称えたい。今は細菌に比べて攻撃が難しいとされてきたインフルエンザなどのウィルスも撲滅する薬が色々と作られているわけだし。細菌やウィルスが原因の病気はかなり克服されている。

  とは言え、細菌やウィルスが原因ではない病気も多いわけである。例えば、痛風や肝機能衰弱などの。痛風に抗生物質を投与しても効果はないわけである。また、抗生物質を飲み、腸内の有益な細菌まで殺し、その患者の体調を崩させる事もかなりある。

確かに、ペスト菌のような有害な細菌やウィルスもあるが、反面、ビヒィズス菌のような人体に必要な酵素やビタミンを作る細菌やウィルスもたくさんあるわけである。大体、細菌やウィルスも「生命」には違いなく、生物は悪い働きをするものとは限らないわけだ。例えば、AIDSウィルスも元はアフリカのジャングルの奥のミドリサルの体内にしか住まないものだった。それが自然破壊と、ミドリサルのペット化で、ミドリサルが人間社会に出て、人間の体に入りこみ、ミドリサルとは違うから、暴れるようになり、あのような恐ろしい病気になったと。そのウィルス自体も元は恐ろしいものではなかったわけである。

  もし、人体が無菌・無ウィルス状態になれば、腸内の酵素のバランスも崩れ、体力が衰えると。確かに、病原菌は殺さなければならないが、細菌やウィルスを悪魔のように憎むのもどうかと思う。共存できる細菌やウィルスとは共存した方が健康の為にも良いわけである。

  ところで、1986年、放送大学で筑波常治(つくば・ひさはる)教授の「生命科学史」という名講義をラジオで聞いた。「西洋では大昔から病気の原因について、体内バランスを崩すためか、悪魔が体に入りこむためか、論争があった。現代においては、悪魔説は病原菌説に置き換えられている」と判りやすく説明されてあった。確かに、科学は悪魔の存在は否定したが、それに代わるものの一つに病原菌はなっている。その講義では述べられなかったが、西洋人のイメージする悪魔は絶対悪で撲滅しなければならないものとされてきた。又、非常な恐怖をもたらすものともされてきたのである。ならば、現代の西洋人たちには細菌に対して、悪魔のイメージが投影されていないだろうか。又、日本の医学も西洋の真似をしてきたわけだから、結果的に腸内の細菌を殺し、僕の体調も狂わせたのではないかと。抗生物質はそれが本当に必要な場合にのみ使うべきなのに。

  医学の話から離れるが、ヒットラーなど、ナチス幹部たちは本当にユダヤ人を「ドイツ人の経済を搾取する悪魔」と本当に恐れていたようである。「ユダヤ人が恐いから、殺せ」が本音だったと聞いた事がある。その次はロシア人に対しても同じ恐怖感を抱き、無謀なロシア侵攻をしていった。この事も以上の話から連想させられる。新約聖書によると、イエスは「悪魔を恐れるな」と語ったが、後のヨーロッパ人たちは悪魔を非常に恐れるようになった。確かに、ペストなどの伝染病とか、モンゴル系の人たちの侵略、嵐や飢饉など、中世ヨーロッパは厳しい状況があったから、あのように悪魔を恐れる文化になったのかもしれないが。今は中世ではないわけだから、恐れの気持ちは持たず、細菌とも共存する理性的な態度が必要なのかもしれないが...。