あの人を信じてみたき厄日かな
(あのひとをしんじてみたきやくびかな)
怨み事ひとつ流さむ厄日かな
(うらみごとひとつながさんやくびかな)
9月1日~10日のつぶやき句を32句にまとめました。
故郷は稲の香中にありにけり 吹き降りる稲の香郷の棚田かな
故郷へ稲の香りの近江かな 老い易く学成り難し青瓢
故郷の味にほろ酔ふ瓢酒 柔肌の腰のくびれや青瓢
ひょうひょうと老いを生きたし瓢酒 遊ぶ父無き子でありき草相撲
若乃花名乗りて挑む草相撲 田畑で鍛へし力草相撲
桐一葉落ちて深まる静寂かな 水音の静かに一葉流れけり
言の葉にならぬこと聴く一葉かな 五千円の去ること速き一葉かな
細々と揺るる灯明鉦叩 七十路の聴覚検査鉦叩
みそはぎの丈より低き農婆かな みそはぎを誰が供へしか無縁墓
みそはぎや光秀眠る谷性寺 故郷の闇こそ良けれ天の川
闇深き奥穂の小屋の銀河かな 幾山河先の故郷天の川
阿弥陀経聞こゆる夜や鉦叩 ひと嵐過ぎ去りてより白露
雨止みのひと間小鳥を聞く白露 みどり児のころころ笑ふ白露かな
比良の嶺を遠くに秋の琵琶湖かな ちぎれたる恋を沈めに秋の湖
龍神の伝説秘めて秋の湖 丹波なる三和の山里葡萄棚
葡萄棚腹いっぱいに食べたのに 里山の裾まで映えて葡萄棚