トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

取水部は災の河原、原形はとどめていない・・・

2024-09-04 | 小人閑居して憮然

 八月末の4日間で700mmを越える雨量を記録したのだから水域はズタズタ、それでも吐水口からは水が出ていたから「水源地は辛うじて無事かも・・・」と淡い期待をもちつつ、途中の林道崩壊もありうるので徒歩で向かった。沢の途中にある砂防ダムは堰堤中ほどにある排水トンネルから排水は無く堰堤上部のオーバーフロー部まで濁った水が溢れている。河床との繋がりを見ればオーバーフロー部まで土砂が溜まったのが容易に見て取れた。さあ大変、河原がこの降雨前に比べれば1m以上も高くなっているのだった。これでは水源地も「さぞや!」と思われたが実際の状況を目の当たりにして「甘い考え」だったのが直ぐに判明したのだった。

 ➡   跡形もなく埋まった

 河原一面、河原幅を広げて真っ平になっているではないか。取水堰は埋没し所在は不明だし、取水堰に水を向けるように苦労して設えた段差工法の法面も跡形もない。その上部に早春に大工事を行い水路の安定と河床安定化のために設えた丸太の構造物も跡形もなく砂利の河原になってしまった。唯一の慰めは苦労して流路の方向を取水堰側に向ける役割をした大径木の障壁が下り落ちる奔流をいくばくか押さえてくれてまだ取水堰への水路を穿つ事が出来る河原としてとどまったと言う事くらいだ。

 ➡   屈曲部は埋まり扇状地状態に

 しかしそれでも取水堰の無い左岸を突っ切る奔流となっていれば、恐らく取水できる物理的条件は消失していたのは間違いないのだ。取水堰の水平面より河床が低下してしまえば取水は不可能になる。ともかく安堵は間違いないけれど取水升まで安定した水路を築くまでにはどれほどの土砂砂礫を排除しつつ丸太で保全しなければならないのか予想もつかない。苦労して集材して来た大径木の丸太は全て流されて、更に調達が必要となってフイールドの水域に先んじて水源地の復旧作業には応急的だけでも一月は必要だし、後々の事を考慮して構築しても年内は必要だろう。しかしながら早春に「これで完璧」と思った設えが跡形もなく流亡し砂礫に埋まった河床を見ると「災の河原」そのものだ。

 ➡  取水堰も埋没して存在さえも不明

 賽の河原では子どもは石積みをし鬼は壊しにやって来るのが延々と続くのだとか聞くけれど災の河原は二度童が砂礫を延々と取り除き、鬼水は次々と砂礫を運び埋め立てる。まあ、この戦いに敗れたり気力を失したりした段階でフイールドの水域環境は破壊される。失うのは一瞬にして終わるのだ。「里山環境エンリッチメント」なんて爺我自賛しつつも、温暖化によるこんな手太楽続きでは孤老福祉もあったもんじゃあないのでござった。地球温暖化は水の惑星によるS型社会サービスの行為に等しいのでしょうも無いけれどナンジャモンジャは二本ある・・・。


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